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カート・ピーターセン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
カート・ピーターセン
Kurt Petersen
生誕 (1948-02-13) 1948年2月13日(76歳)
出身校 カリフォルニア大学バークレー校(学士)
マサチューセッツ工科大学(博士)
職業 実業家
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カート・E・ピーターセン(Kurt E. Petersen、1948年2月13日 - )は、アメリカ合衆国の発明家、実業家である。MEMSに関する業績で知られる。

生涯

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ピーターセンはカリフォルニア大学バークレー校電気工学を学び、1970年にcum laudeの成績で卒業して学士号を得た。1975年にマサチューセッツ工科大学Ph.D.を取得した。同年、IBMに入社してMEMSの研究グループを立ち上げた。1982年5月にIEEEの論文誌"Proceedings of the IEEE英語版"で査読付き論文"Silicon as a Mechanical Material"(機械材料としてのシリコン)[1]を発表した。この論文は、MEMSという研究分野を確立するのに大きく貢献したと考えられている[2]。マイクロマシニングやMEMSの分野の論文から頻繁に参照されており、2017年9月現在で、Google Scholarでは3795件の引用が検索される。

1982年にIBMを退社し、それ以降、MEMS技術を利用した6つの企業を共同で設立している。1982年にトランセンサリー・デバイス(Transensory Devices Inc.)を設立した。1985年、バルクマイクロマシニング技術を使った低コストのマイクロマシン血圧計を開発するノバセンサー(NovaSensor)を設立した[3][4]。1996年に共同設立したセフィエド英語版(Cepheid)は、マイクロ流体技術を使ったPCRの迅速な検出を行っている[5]。2004年にサイタイム英語版(SiTime)を、2008年にProfusaを共同で設立した[6]。2009年、Verreonを共同で設立して最高技術責任者(CTO)に就任し、2010年にクアルコムに事業を売却した[2]

2011年、シリコンバレーエンジェル投資家グループであるバンド・オブ・エンジェルズ英語版に参加し、ハードウェアサブグループの共同議長に就任した[2]。2013年、Innovative Micro Technology(IMT)の取締役に就任した[7][8]

ピーターセンは100以上の論文を発表し、35件の特許を取得している。

賞と栄誉

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2001年、「MEMSの研究と商業化への貢献」により全米技術アカデミー会員に選出された。同年、「MEMSの先駆的貢献と商業化の成功」によりIEEEフェローに選出された[9][10]。同年、IEEEサイモン・ラモ・メダル英語版を受賞した[11]

2019年、IEEE栄誉賞を受賞した[2]

脚注

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  1. ^ Petersen, Kurt (May 1982). “Silicon as a mechanical material”. Proceedings of the IEEE 70 (5): 420–457. Bibcode1982IEEEP..70..420P. doi:10.1109/PROC.1982.12331. 
  2. ^ a b c d Perry, Tekla S. (April 23, 2019). “Kurt Petersen, 2019 IEEE Medal of Honor Recipient, Is Mr. MEMS”. IEEE Spectrum. https://spectrum.ieee.org/geek-life/profiles/kurt-petersen-2019-ieee-medal-of-honor-recipient-is-mr-mems June 16, 2021閲覧。. 
  3. ^ Hariz, Alex (2001). “State of commercialization of MEMS: Present and future prospects”. In Bergmann, Neil W; Abbott, Derek; Hariz, Alex et al.. Electronics and Structures for MEMS II. 4591. pp. 39–44. doi:10.1117/12.449172. http://proceedings.spiedigitallibrary.org/proceeding.aspx?articleid=903320 
  4. ^ General Electric pressure sensor product listings”. GE pressure sensors. General Electric. 27 August 2014閲覧。
  5. ^ Cepheid | Enabling Access to Molecular Diagnostic Testing Everywhere”. 2022年9月3日閲覧。
  6. ^ SiTime is Now a Wholly Owned Subsidiary of MegaChips | SiTime”. 2019年3月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年9月3日閲覧。
  7. ^ Band of Angels”. 2014年7月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年8月27日閲覧。
  8. ^ MEMS Industry Pioneer and Technology Visionary Kurt Petersen Joins IMT Board of Directors” (30 April 2013). 2022年9月3日閲覧。
  9. ^ US National Academy of Engineering member profile”. United States National Academy of Engineering. National Academy of Engineering. 27 August 2014閲覧。
  10. ^ IEEE Fellows Directory - Alphabetical Listing”. 2022年9月3日閲覧。
  11. ^ Corporate Awards”. Institute of Electrical and Electronics Engineers (IEEE). 2022年9月3日閲覧。