カナの婚宴
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(カナの婚礼から転送)
カナの婚宴(カナのこんえん: ラテン語: Nuptiae in Cana factae))は、イエス・キリストの最初の奇跡としてヨハネ福音書2章1-11節に記されている。
三日目に、ガリラヤのカナで婚礼があって、イエスの母がそこにいた。イエスも、その弟子たちも婚礼に招かれた。ぶどう酒が足りなくなったので、 母がイエスに、「ぶどう酒がなくなりました」と言った。 イエスは母に言われた。 「婦人よ、わたしとどんなかかわりがあるのです。わたしの時はまだ来ていません。」 しかし、母は召し使いたちに、「この人が何か言いつけたら、そのとおりにしてください」と言った。 そこには、ユダヤ人が清めに用いる石の水がめが六つ置いてあった。いずれも二ないし三メトレテス入りのものである。 イエスが、「水がめに水をいっぱい入れなさい」と言われると、召し使いたちは、かめの縁まで水を満たした。 イエスは、「さあ、それをくんで宴会の世話役のところへ持って行きなさい」と言われた。召し使いたちは運んで行った。 世話役はぶどう酒に変わった水の味見をした。このぶどう酒がどこから来たのか、水をくんだ召し使いたちは知っていたが、 世話役は知らなかったので、花婿を呼んで、言った。 「だれでも初めに良いぶどう酒を出し、 酔いがまわったころに劣ったものを出すものですが、あなたは良いぶどう酒を今まで取って置かれました。」
イエスは、この最初のしるしをガリラヤのカナで行って、その栄光を現された。それで、弟子たちはイエスを信じた。 — 日本聖書協会『聖書 新共同訳』、ヨハネによる福音書 2章1-11節
場所
[編集]カナの婚宴がどこであったかには、諸説ある。
- ガリラヤのカフル・カンナ(Kafr Kanna)北緯32度45分 東経35度21分 / 北緯32.750度 東経35.350度座標: 北緯32度45分 東経35度21分 / 北緯32.750度 東経35.350度
- ガリラヤのキルベト・カナ(Khirbet Qana)
- 南レバノンのアイン・カナ(Ain Qana)
- 南レバノンのカナ(Qana)
このうち、カフル・カンナにはカトリック教会が建てた「カナの婚宴教会」があり、イスラエル巡礼では寄る人が多い。すぐ近くには、「聖ゲオルギオス正教会」もある。レバノンのカナの方が実際にはナザレに近いので、レバノン住在のクリスチャンはそこへ詣でる。
脚注
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参考文献
[編集]- 共同訳聖書実行委員会; 日本聖書協会『聖書: 新共同訳』日本聖書協会、1998年1月。ISBN 978-4-8202-1205-8。 NCID BA37101585。
- 『ヨハネ講解』尾山令仁 羊群社
- Clowes, John, 1817, The Miracles of Jesus Christ published by J. Gleave, Manchester, UK
- Kilgallen, John J., 1989 A Brief Commentary on the Gospel of Mark, Paulist Press, ISBN 0-8091-3059-9
- Lockyer, Herbert, 1988 All the Miracles of the Bible ISBN 0-310-28101-6
- Maguire, Robert, 1863 The Miracles of Christ published by Weeks and Co. London
- Miller, Robert J. Editor, 1994 The Complete Gospels, Polebridge Press, ISBN 0-06-065587-9
- Rageh Omaar 2003 The Miracles of Jesus BBC documentary
- Trench, Richard Chenevix, Notes on the miracles of our Lord, London : John W. Parker, 1846
- Van der Loos, H., 1965 The Miracles of Jesus, E.J. Brill Press, Netherlands
関連項目
[編集]- 婚姻の秘跡
- 婚配機密
- ウィニフレッド・ナイツ - イギリスの画家。"The Marriage at Cana"(「カナの婚宴」、1923年)という絵画を描いた。ニュージーランド国立博物館 テ・パパ・トンガレワが同作品を購入した。