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カッパケリス・オオクライ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
カッパケリス・オオクライ
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
: カメ目 Testudines
亜目 : 潜頸亜目 Cryptodira
上科 : スッポン上科 Trionychoidea
: スッポン科 Trionychidae
亜科 : スッポン亜科 Trionychinae
: カッパケリス属 Kappachelys
: オオクライ K. okurai
学名
Kappachelys okurai

カッパケリス・オオクライ学名Kappachelys okurai)は、中生代白亜紀前期(約1億3000万年前)に生息していたカメ類の生物である[1]。属名の Kappachelys カッパケリスは、日本語の「河童」 (kappa) とギリシア語の "chelys" (「亀」の意)を組み合わせたもので、「河童亀」を意味する[1]種小名okurai オオクライは化石発見者の大倉正敏にちなみ、"i"は人名につけられる接尾語である[1]

新種発見

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1994年12月に石川県白山市桑島(旧白峰村)の大嵐谷付近の手取層群赤岩層(中生代白亜紀前期、約1億3000万年前の地層)を調査中に化石が発見された[1]。手取層群の中で、赤岩層より下位の地層からは、原始的なカメ類しか発見されていなかったが、赤岩層より上位の地層からは真性のスッポン科(鱗板や縁板がなくなっている)が確認されていた[1]早稲田大学国際教養学部教授の平山廉によって調査・研究がおこなわれ、スッポン科にきわめて近縁であるが、より祖先的な新属新種のカメ類であることが明らかとなった[1][2]

特徴

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発見された2片の化石はいずれも甲羅の一部で、大きさ約1 - 3センチメートルであった[3][4]。甲羅の表面にはスッポンに特有の虫食い状の彫刻が発達しており[3]、一般的なカメの特徴であるの痕跡が甲羅の表面に見られず、甲羅のふちにはスッポンにはない「縁板(えんばん)」という硬い部分があった[4]。全長は推定約15センチメートルで、小川などにいたとみられる[4]。遊泳力に優れ、首が非常に長く、噛む力が強いなどの特徴があったと考えられている[1]

スッポンの起源

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カッパケリス・オオクライが発見されるまで、福井県勝山市ウズベキスタンで発見された1億1千万年前の化石が世界最古のスッポンと考えられてきたが、いずれもカッパケリス・オオクライに見られるようなカメの特徴はなかったため[5]、スッポン科は1億1千万年ほど前のアジアに突然出現したとされてきた[1]。しかしカッパケリス・オオクライの発見によってスッポン科の起源が少なくとも2千万年ほどさかのぼることになった[1]。カッパケリス・オオクライは鱗がないことや甲羅表面の彫刻が強いという点ではスッポン科だが、スッポンにはない縁板が残っていたため(スッポンの場合軟骨に置き換わっている)、通常のカメからスッポン科が分かれたころの中間的な種(ミッシングリンク)だと考えられている[1][4]

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j 白山市産出新種カメ類化石について”. 白山ろく分室教育課. 白山市. 2012年3月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年8月24日閲覧。
  2. ^ 世界最古のスッポン化石を発見-国際学術院・平山廉教授が鑑定”. 早稲田大学 (2011年8月5日). 2013年5月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年8月24日閲覧。
  3. ^ a b 世界最古のスッポンの化石が発見 - 「カッパケリス・オオクライ」と命名”. マイナビニュース. マイナビ (2011年8月5日). 2017年6月8日閲覧。
  4. ^ a b c d 世界最古のスッポンでした 石川で発見の化石2点”. asahi.com. 朝日新聞 (2011年7月28日). 2012年2月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年8月24日閲覧。
  5. ^ 世界最古のスッポン 白山・桑島で発見の化石”. 北國新聞 (2011年7月29日). 2013年5月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年8月25日閲覧。

関連項目

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