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カコボラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
カコボラ
Cymatium parthenopeum
分類
: 動物Animalia
: 軟体動物Mollusca
: 腹足綱 Gastropoda
亜綱 : 新生腹足類 Caenogastropoda
: タマキビ形目 Littorinimorpha
上科 : ヤツシロガイ上科 Tonnoidea
: フジツガイ科 Cymatiidae
: フジツガイ属 Cymatium
亜属 : カコボラ亜属 Monoplex
: カコボラ
M. parthenopeus[1]
学名
Monoplex parthenopeus
(Salis Marschlins, 1793)
シノニム

Cymatium parthenopeum[2]

和名
カコボラ (加古法螺), ミノボラ (蓑法螺)
英名
Giant triton[3], hairy triton
中名 黑歯法螺 (hēi chǐ fǎ luó)

カコボラ(加古法螺、Cymatium (Monoplex) parthenopeus)は、フジツガイ科 Cymatiidae に属する巻貝である。

形態

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貝殻は約12 cm以下。螺層には2本、体層には多数の螺肋がめぐらされ、全体的に毛が生えた殻皮におおわれたものが多いが[4]、毛がほとんど無い個体もある[5]。殻口外唇とのその約180度反対側に縦張肋が張り出すことが多い。殻口は黒色または橙色で、白い襞が両側に並ぶ。水管溝は短い。蓋は角質で核は下端にある。足(吸盤)にはヒョウのような斑点模様がある[6]

生態

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温帯の潮間帯下部から水深約50 mにかけての岩礫底に棲み、肉食性[6]。本属のベリジャー幼生は長生きするので大西洋にまで分布する[3]。幼生が卵嚢から孵化するのには1カ月かかる[7]

分布

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日本近海は房総半島から九州にかけて[6]。大西洋西岸はノースカロライナからウルグアイにかけて分布[3]。近年ではビスケー湾でも見られる[8]

化石

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下総層群の更新世(約数十から百万年前)の地層から化石が見つかっている[9]

人との関係

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江戸時代後期の武蔵石壽による『目八譜』では、殻表に毛が無いものを加古法螺(かこぼら)[5]、毛が生えたものを衣被(きぬかつぎ)[4]として図示し、両者は同じ種と記されている。足などの身は甘みがあって美味いが、唾液腺や内臓にはフグ毒テトロドトキシンがあるので、リスクをおかして食べる場合は内臓を十分に切除する必要がある[10]

出典

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  1. ^ WoRMS, Marshall, 2020
  2. ^ Cymatium parthenopeum, gbif
  3. ^ a b c Porter & Houser, 1994, p.66
  4. ^ a b 武蔵石壽『目八譜』 第6巻、服部雪斎 画、1845年、20頁。NDLJP:1287301/20 
  5. ^ a b 武蔵石壽『目八譜』 第6巻、服部雪斎 画、1845年、19頁。NDLJP:1287301/19 
  6. ^ a b c 奥谷喬司, 2004, p. 112.
  7. ^ Turnerら, 2020
  8. ^ López-Alonsoら, 2023
  9. ^ 千葉県立中央博物館
  10. ^ 市場魚貝類図鑑

参考文献

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  • “Seashells of North Carolina” Hugh J. Porter & Lynn Houser, giant triton UNC-SG-97-03. (2010/12/1) 
  • 奥谷喬司『世界文化生物大図鑑貝類』(改訂新版)世界文化社、2004年。ISBN 9784418049042全国書誌番号:20617488https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000007382848-00 
  • Ashlin H. Turner, Christina I. Schroeder et al. (2020). “Early development of Monoplex pilearis and Monoplex parthenopeus (Gastropoda: Cymatiidae)”. Organisms Diversity & Evolution 20: 51. 
  • Ricardo López-Alonso, Omar Sánchez, Esteban Pascual-Parra, Yaisel J. Borrell, Javier Martínez-Pérez, Andrés Arias (2023). Plicopurpura patula and Monoplex parthenopeus (Gastropoda: Caenogastropoda): New evidence of the tropicalization of the Bay of Biscay (NE Atlantic)”. Journal of Sea Research 194. https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1385110123000813. 

外部リンク

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