カウ・ティッピング
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カウ・ティッピング(英:cow tipping)とは、立っているウシを倒すことに挑戦するアメリカの悪戯である。
アメリカでは「ウシは立ったまま眠るので、眠っているときに横から手で突くと簡単に倒れる」という俗説があり、寝ている(ように見える)ウシに忍び寄り、押し倒す試みをカウ・ティッピングと呼ぶ[1]。実際にはウシは立ったまま熟睡する事はないので、この試みが成功する事はまず無い。
ブリティッシュコロンビア大学のマーゴ・リリーらによって行われた研究では、体高1.45メートル、体重682キログラムのウシを地面に対して66度の角度で押したとき、ウシを横転させるには平均的な強さを持つ大人6人の力に相当する1,360ニュートンもの力が必要である[2]。さらに、ウシは嗅覚と聴覚が敏感なので、近寄る人間が多いほど警戒し、倒されないように踏ん張ると考えられる。故に、従来から定義されているカウ・ティッピングは不可能、という結論を出している[1]。
YouTubeではカウ・ティッピングを試みる動画や、成功したように見せかけた動画が幾つもあり、不可能と薄々知られつつもカウ・ティッピングの伝説は生き続けている[3]。
脚注
[編集]- ^ a b ネイサン・ベロフスキー 『「最悪」の法律の歴史』 廣田明子訳 原書房 2014年 ISBN 9784562049837 pp.119-120.
- ^ Cow tipping myth dispelled - The Telegraph、2018年5月25日閲覧。
- ^ Physics: No, you can't tip a cow - USA Today、2018年5月25日閲覧。