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オルトトリジン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
オルトトリジン法から転送)
2-トリジン[1]
識別情報
CAS登録番号 119-93-7 チェック
PubChem 8413
ChemSpider 8106 チェック
UNII 63HLO2IV6K チェック
EC番号 204-358-0
KEGG C14443 チェック
ChEBI
ChEMBL CHEMBL85109
特性
化学式 C14H16N2
モル質量 212.29 g mol−1
外観 白色~赤みを帯びた結晶または粉末
密度 1.23 g/cm3
融点

129 °C, 402 K, 264 °F

沸点

300.5 °C, 574 K, 573 °F

への溶解度 1.3 g/L
危険性
GHSピクトグラム 急性毒性(低毒性)経口・吸飲による有害性水生環境への有害性
GHSシグナルワード 危険(DANGER)
Hフレーズ H302, H350, H411
Pフレーズ P201, P202, P264, P270, P273, P281, P301+312, P308+313, P330, P391, P405, P501
主な危険性 発がん性物質
引火点 244 °C (471 °F; 517 K)
許容曝露限界 取扱注意
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

オルトトリジンo-tolidineo-トリジン)は有機塩基の一種で、3,3'-ジメチルベンジジンのこと。塩素の検出に用いられていた分析用の試薬。白色または赤みがかった粉末で、水に溶けにくい。

合成

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o-ニトロトルエンを還元的に二量化させた N,N'-ビス(2-メチルフェニル)ヒドラジンに、酸を作用させるとベンジジン転位がおこりオルトトリジンが得られる[2]

オルトトリジン法

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オルトトリジンは塩素の検出試薬である。また、次亜塩素酸クロラミンなどの酸化力のある塩素化合物とも反応しこれらを検出する。これらの物質とオルトトリジンが反応すると、濃度によって、淡黄色から黄褐色になる。そのため、水道水中の塩素の検出にも用いられたが、発癌性を指摘され現在は、公式に使用は中止、ジエチルパラフェニレンジアミン法が用いられている。この検出法(オルトトリジン法)は、重金属などの妨害によって誤差が生じやすいため注意が必要。また、亜硝酸イオン臭素ヨウ素オゾン二酸化窒素二酸化塩素とも反応する。

(上記のように、精度や発癌性の面で公的な検査で用いることはできないが、水に溶液を加えるだけという操作の簡便さから現在でも一部使用されており、残留塩素測定用の希薄溶液が一般人でも入手可能である。ただし、発癌性があるため、取り扱いや溶液の廃棄は慎重に行う必要がある。)

参考文献

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  1. ^ Record of ortho-Tolidin 労働安全衛生研究所(IFA)英語版発行のGESTIS物質データベース, accessed on 6.6.2008
  2. ^ Merck Index 14th ed., 9514.