オマールの壁
オマールの壁 | |
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عمر | |
監督 | ハニ・アブ・アサド |
脚本 | ハニ・アブ・アサド |
製作 |
ハニ・アブ・アサド ワリード・ズエイター デヴィッド・ガーソン |
製作総指揮 |
Waleed Al-Ghafari Zahi Khouri Suhail A. Sikhtian Abbas F. Eddy Zuaiter Ahmad F. Zuaiter Farouq A. Zuaiter |
撮影 | エハブ・アッサル |
編集 |
マーティン・ブリンクラー Eyas Salman |
配給 | アップリンク |
公開 |
2013年5月21日(CIFF) 2016年4月 |
上映時間 | 96分 |
製作国 | パレスチナ |
言語 | アラビア語 |
『オマールの壁』(アラビア語: عمر)は、ハニ・アブ・アサド監督による2013年のパレスチナのドラマ映画である。第66回カンヌ国際映画祭のある視点で上映され[1]、特別審査員賞を獲得した[2]。同年には第38回トロント国際映画祭でも上映された[3]。第86回アカデミー賞の外国語映画賞にはパレスチナ代表として出品され[4]、本選ノミネートを果たした[5]。他にアジア太平洋映画賞で作品賞を獲得した[6]。
物語
[編集]パレスチナ自治区。青年オマールは眼前に展開する巨大な壁をよじ登り、幼馴染みのタレク、アムジャドに連絡をとってはイスラエル政府軍に対抗するための武器を調達、射撃訓練を行なっていた。そしてタレクの妹であるナディアとの間に愛を育み、いずれは結ばれる日を誓ってパン屋として稼ぎを貯め込んでいた。
ある日イスラエル兵に侮辱を受け、憤ったオマールは同志とともに先制攻撃に出る。俘虜となっても自白を固く拒む彼らは無罪となるはずだったが、捜査官ラミの策略によりオマールは90年以上の懲役刑を宣告された。ナディアすらも罪に問われることを匂わされたオマールは、ラミとの取り引きを呑み釈放される。その裏で、仲間たちの間には裏切り者の情報が錯綜し、オマールもアムジャドを疑うが、アムジャドはナディアとの間で禁断の関係を持ち、それをラミに脅迫されたと告白する。非道を正そうと三人が揉め合う中、銃の暴発でタレクは絶命した。やむを得ず、オマールはタレクの遺志を偽り、アムジャドとナディアの結婚を認める。
だが2年の時を経て、オマールはアムジャドの嘘を知る。なおも彼の行動を操るラミに、オマールはイスラエル兵を射殺した真犯人を教えるのと引き換えに銃をくれ、と要求する。銃を得たオマールが撃ち抜いたのは、仲間たちを引き裂いた憎むべき男だった。
キャスト
[編集]- オマール: アダム・バクリ
- アムジャド:サメール・ビシャラット
- ラミ:ワリード・ズエイター
- ナディア:リーム・リューバニ
- タレク:エヤド・ホーラーニ
製作
[編集]監督のハニ・アブ・アサドは1晩で映画のアイデアを思いつき、4時間で物語の構成を書き出し、4日で脚本を書き上げた[7]。撮影は資金調達の1年後の2012年末より始まった[8][9]。
受賞とノミネート
[編集]映画祭・賞 | 部門 | 候補 | 結果 |
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アカデミー賞 | 外国語映画賞 | 『オマール、最後の選択』 | ノミネート |
アジア太平洋映画賞 | 作品賞 | ハニ・アブ・アサド、ワリード・ズエイター | 受賞 |
主演男優賞 | アダム・バクリ | ノミネート | |
カンヌ国際映画祭 | ある視点・特別審査員賞 | ハニ・アブ・アサド | 受賞 |
ドバイ国際映画祭[10] | ムアー・アラブ監督賞 | ハニ・アブ・アサド | 受賞 |
ムアー作品賞 | ワリード・ズエイター | 受賞 |
参考文献
[編集]- ^ “2013 Official Selection”. Cannes (30 April 2013). 30 April 2013閲覧。
- ^ “Cannes: 'The Missing Picture' Wins Un Certain Regard Prize”. Hollywood Reporter (26 May 2013). 26 May 2013閲覧。
- ^ “Toronto film festival 2013: the full line-up”. The Guardian. 2013年7月24日閲覧。
- ^ “Foreign Language Oscar: Israel Submits ‘Bethlehem’; Palestine Goes With ‘Omar’”. Deadline.com. 2013年9月30日閲覧。
- ^ “Oscars: Main nominations 2014”. BBC News. 2014年1月16日閲覧。
- ^ “Asia Pacific Screen Awards Announced in Australia”. Australia Network News (13 December 2013). 2014年3月4日閲覧。
- ^ Tartaglione, Nancy (15 December 2013). “Foreign Language Oscar Preview A Long List Of Strong Contenders For Such a Shortlist Of Possibles Nominees”. Deadline London. 2014年3月4日閲覧。
- ^ Ritman, Alex (3 December 2013). “Hany Abu-Assad presents a direct hit from the West Bank at DIFF”. The National. 2014年3月4日閲覧。
- ^ “AFI Fest: Hany Abu-Assad talks about making of Omar” (12 November 2013). 2014年3月4日閲覧。
- ^ Kemp, Stuart (2013年12月13日). “Dubai Film Fest: Hany Abu Assad's 'Omar' Wins Top Prize”. The Hollywood Reporter 2014年1月2日閲覧。