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オキナワフグ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
オキナワフグ
オキナワフグ Chelonodon patoca
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
亜綱 : 新鰭亜綱 Neopterygii
上目 : 棘鰭上目 Acanthopterygii
: フグ目 Tetraodontiformes
: フグ科 Tetraodontidae
: オキナワフグ属 Chelonodontops
: オキナワフグ C. patoca
学名
Chelonodontops patoca
(Hamilton1822)[1]
和名
オキナワフグ[2]
英名
Milkspotted puffer[3]

オキナワフグ(沖縄河豚、学名Chelonodontops patoca)は、フグ目フグ科に属する魚類の一種[1][4]

分布

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オキナワフグはインド洋から西部太平洋にかけて分布し、日本近海では紀伊半島以南の沿岸にみられる[4]熱帯の浅い海で生活するが、淡水汽水域に進出することも多く、河口付近やマングローブ地帯には特に多い[5]

形態

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体の背面は茶褐色で、多くの白色斑をもつなど[4]トラフグ属の仲間と似た姿をしている。腹側は黄色味を帯び[5]、全長は30cmに達する[2]。標準体長で最大38cmの記録がある[3]背鰭・臀鰭・胸鰭の鰭条はすべて軟条で、それぞれ9-11本・8本・15-16本[4][3]

分類

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以前はChelonodon属(旧オキナワフグ属)に分類されていたが[2]、2013年にChelonodon属はLeiodon属の新参異名(シノニム)とされ、本種はChelonodontops属に移されている[1]

食性

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雑食性で、甲殻類多毛類貝類などを捕食する[5]

毒性

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日本では食用として珍重されるとする資料もあるが[3]、生殖腺、消化管、肝臓、筋肉、皮膚は有毒で食用不可であり、台湾では死亡例も報告されている[1]。日本では琉球列島を除けば稀種とされ、トラフグ属などの類似種との誤認による中毒被害が懸念されている[1]

出典・脚注

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  1. ^ a b c d e 岡村恭平・遠藤広光「四国初記録のフグ科オキナワフグ」『Ichthy, Natural History of Fishes of Japan』第34巻、鹿児島大学総合研究博物館、2023年、15-18頁。 
  2. ^ a b c 松浦啓一「オキナワフグ」、本村浩之・松浦啓一 編『奄美群島最南端の島 与論島の魚類』鹿児島大学総合研究博物館、2014年、620頁。
  3. ^ a b c d Chelonodontops patoca”. FishBase. 2023年8月8日閲覧。
  4. ^ a b c d 『日本の海水魚』 p.713
  5. ^ a b c 『改訂版 日本の淡水魚』 p.674

参考文献

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  • 岡村収・尼岡邦夫監修 『日本の海水魚』 山と溪谷社 1997年 ISBN 4-635-09027-2
  • 川那部浩哉・水野信彦・細谷和海編・監修 『改訂版 日本の淡水魚』 山と溪谷社 2005年 ISBN 4-635-09021-3
  • 中坊徹次編 『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』東海大学出版会 2013年 ISBN 4-486-01804-9

外部リンク

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