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オキナワカラスアゲハ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
オキナワカラスアゲハ
オキナワカラスアゲハ
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: チョウ目 Lepidoptera
上科 : アゲハチョウ上科 Papilionoidea
: アゲハチョウ科 Papilionidae
亜科 : アゲハチョウ亜科 Papilioninae
: アゲハチョウ族 Papilioninae
: アゲハチョウ属 Papilio
: オキナワカラスアゲハ P. okinawensis
学名
Papilio okinawensis Fruhstorfer, 1898
和名
オキナワカラスアゲハ
亜種
  • オキナワカラスアゲハ P. o. okinawensis Fruhstorfer, 1898
  • オキナワカラスアゲハ 奄美亜種 P. o. amamiensis (Fujioka, 1981)
オキナワカラスアゲハ
オキナワカラスアゲハ

オキナワカラスアゲハ(沖縄烏揚羽、学名Papilio okinawensis)は、チョウ目アゲハチョウ科アゲハチョウ属に分類されるチョウの1で、2亜種に分類されている。以前は、カラスアゲハ(P. bianor ) の亜種と考えられていたが、交配実験やミトコンドリアDNA解析の結果から別種とされるようになった。なお学名は、P. ryukyuensis Fujioka,1975 とする場合がある。

形態

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形態カラスアゲハヤエヤマカラスアゲハと比べて、の形が四角い感じであり、翅の表面の緑色の発達は悪く、とくに後翅に散らばっている青色は基半部のみに限られ、外半部にはほとんど見られない。しかし、後翅の青色弦月紋(げんげつもん)、赤色弦月紋はよく発達している。オスメスでの翅の違いはカラスアゲハとほぼ同じであるが、性標がより発達している。オスは前翅の下部に暗色で長毛のビロード状性斑があり、メスには この特徴がない。また、メスはオスに比べて地色の黒色部がやや淡く、縁側はより黄色を帯びる。後翅の赤色弦月紋は他のアゲハ類と同じくメスの方がよく発達している。

分布

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奄美群島奄美大島加計呂麻島請島与路島徳之島)及び沖縄諸島沖縄本島渡嘉敷島座間味島阿嘉島久米島)に分布している。

生態

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生態は、3月上旬から下旬が第1化(春型)の最盛期であり、それ以降は10月中旬から下旬までに年4回発生すると考えられている。成虫は林縁、林道などを飛翔し、ハイビスカスなどに訪れる。幼虫食草は沖縄諸島ではハマセンダン、奄美群島ではハマセンダン、カラスザンショウが報告されている。

カラスアゲハとオキナワカラスアゲハの交配実験では、その雑種はオス・メスともに生まれたが、オスには生殖能力があるが、メスにはないという[1]

分類

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以下のように分類されている[2]

オキナワカラスアゲハ 原名亜種 Papilio okinawensis okinawensis Fruhstorfer, 1898
沖縄諸島。表面色彩は奄美群島産よりも青色が弱い。前翅裏面の黄白帯は ほぼ等幅でミヤマカラスアゲハに似ている。後翅外縁凹入部の黄白色部は大きくハッキリしている。
オキナワカラスアゲハ 奄美亜種 Papilio okinawensis amamiensis (Fujioka, 1981)
奄美群島。表面色彩は沖縄諸島産よりも青色が強い。前翅裏面白帯はカラスアゲハのように上方にいくにつれ逆三角形状に広がる。メスの後翅表赤色弦月紋は強く発達する。

脚注

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  1. ^ 北原 曜 ・白井和伸 2018 沖縄島産オキナワカラスアゲハ(Papilio okinawensis Fruhstorfer)と本州中部産カラスアゲハ(P. dehaanii C. & R. Felder)の交配実験. 蝶と蛾 Lepidoptera Science 69(3/4): 85-91
  2. ^ 福田晴夫・他 2020 増補改訂第二版 昆虫の図鑑 採集と標本のつくり方.南方新社

参考文献

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  • 日本産蝶類標準図鑑 (2006) 白水隆