オイラリア (小惑星)
オイラリア 495 Eulalia | |
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光度曲線から予測されたオイラリアの形状
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仮符号・別名 | 1902 KG[1]、1906 XC[1] 1916 GF[1]、1998 PA2[1] |
分類 | 小惑星 |
軌道の種類 | 小惑星帯 |
発見 | |
発見日 | 1902年10月25日[1][2] |
発見者 | マックス・ヴォルフ[1][2] |
発見場所 | ドイツ バーデン=ヴュルテンベルク州 ハイデルベルク[2] |
軌道要素と性質 元期:JD 24549000.5(2020年5月31.0日)[2] | |
軌道長半径 (a) | 2.48711 au[2] |
近日点距離 (q) | 2.16758 au[2] |
遠日点距離 (Q) | 2.80665 au[2] |
離心率 (e) | 0.12848[2] |
公転周期 (P) | 1,432.65548 日[2] (3.92 年[2]) |
軌道傾斜角 (i) | 2.27849°[2] |
近日点引数 (ω) | 207.78127°[2] |
昇交点黄経 (Ω) | 186.40957°[2] |
平均近点角 (M) | 356.36233°[2] |
前回近日点通過 | JD 2459014.97647[2] (2020年6月14日) |
次回近日点通過 | JD 2460447.63195 (2024年5月17日) |
物理的性質 | |
直径 | 37.287 ± 0.149 km[2] 38.81 km(計算上)[3] |
自転周期 | 28.967 時間[2] |
スペクトル分類 | S(仮定)[3] Cb[4] |
絶対等級 (H) | 11.0[2] |
アルベド(反射能) | 0.062 ± 0.008[2] |
色指数 (B-V) | 0.690 ± 0.020[2] |
色指数 (U-B) | 0.160 ± 0.060[2] |
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オイラリア[4][5](ドイツ語 : 495 Eulalia)は小惑星帯内を公転する小惑星の一つである。
特性
[編集]オイラリアは1902年10月25日、マックス・ヴォルフがドイツにあるハイデルベルク天文台で発見した[2]。「オイラリア」という名称は発見者の義理の祖母にちなんで命名された[6]。小惑星帯の内部を公転する普遍的な小惑星の一つで、直径は約37 km程度で、約29時間かけて自転している[2]。公転周期は約4年で、オイラリアと木星は3:1の軌道共鳴関係に非常に近い状況下にあるとされている[7]。
Lightcurve Database(LCDB)ではオイラリアのスペクトル分類はS型と仮定しているが[3]、2019年の研究ではCb型と確定されている[4]。2013年に発表された研究結果で、オイラリアは「オイラリア族」という一つの小惑星族の中心的存在であることが報告され、このオイラリア族は9〜15億年前に、直径100〜160 kmの天体が天体衝突によって破壊されたことで形成された[7]。
2019年に、オイラリアは(142) ポラナと共に、日本の宇宙探査機はやぶさ2が探査を行った小惑星(162173) リュウグウといった、地球軌道の近傍にあるスペクトル分類がC型のラブルパイル天体の母天体である可能性が高いとする研究結果が発表された[4]。そして、翌年の2020年には約8億年前に地球と月に大量の小天体が飛来していたことが、JAXAの月探査機かぐやによる月面上の衝突クレーターの観測から明らかになった。この大量の小天体は、オイラリアの母天体となる直径100 km以上の天体が破壊された際の破片であり、これらの破片の一部が現在のオイラリア族やリュウグウのような地球近傍小惑星となった可能性が高いとされている[8][9][10]。
出典
[編集]- ^ a b c d e f “(495) Eulalia = 1902KG = 1906 XC = 1916 GF = 1988 PA2”. Minor Planet Center. 2020年7月26日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w “JPL Small-Body Database Browser: 495 Eulalia (A902 UL)”. JPL Small-Body Database. Jet Propulsion Laboratory. 2020年7月26日閲覧。 (2020-01-06 last obs.)
- ^ a b c “LCDB Data for (495) Eulalia”. Asteroid Lightcurve Database (LCDB). 2020年7月26日閲覧。
- ^ a b c d “小惑星探査機「はやぶさ2」観測成果論文のScience誌掲載について” (プレスリリース). 宇宙航空研究開発機構(JAXA) (2019年3月20日). 2020年7月26日閲覧。
- ^ “全世界の観測成果 ver.2” (Excel). 薩摩川内市せんだい宇宙館 (2018年3月3日). 2019年3月11日閲覧。
- ^ Schmadel, Lutz D. (2007). “(495) Eulalia”. Dictionary of Minor Planet Names – (495) Eulalia. Springer Berlin Heidelberg. p. 54. doi:10.1007/978-3-540-29925-7_496. ISBN 978-3-540-00238-3
- ^ a b Walsh, Kevin J.; Delbó, Marco; Bottke, William F.; Vokrouhlický, David; Lauretta, Dante S. (2013). “Introducing the Eulalia and new Polana asteroid families: re-assessing primitive asteroid families in the inner Main Belt”. Icarus 225 (1): 283–297. arXiv:1305.2821. Bibcode: 2013Icar..225..283W. doi:10.1016/j.icarus.2013.03.005.
- ^ Kentaro, Terada; Tomokatsu, Morota; Mami, Kato (2020). “Asteroid shower on the Earth-Moon system immediately before the Cryogenian period revealed by KAGUYA”. Nature Communications 11 (3453). doi:10.1038/s41467-020-17115-6.
- ^ “8億年前、月と地球を襲った小惑星シャワー ―月のクレーターから明らかになった地球の過去―” (PDF). 大阪大学 (2020年7月16日). 2020年7月26日閲覧。
- ^ 松村武宏 (2020年7月22日). “月面に刻まれていた8億年前の「小惑星シャワー」の痕跡、地球環境にも影響か”. sorae.info. 2020年7月26日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- Lightcurve plot of 495 Eulalia - Palmer Divide Observatory
- Discovery Circumstances: Numbered Minor Planets (1)-(5000) - Minor Planet Center
- “月のクレーター 約8億年前に多くできたか 小惑星破片降り注ぎ”. NHKニュース (2020年7月22日). 2020年7月26日閲覧。
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