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エータ不変量

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

数学において、コンパクト多様体上の自己随伴楕円型英語版(elliptic)微分作用素エータ不変量(eta invariant)は、形式的には正の固有値の数から負の固有値の数を引いた数である。実践では、両方の数はしばしば無限大となり、ゼータ函数正規化を使い定義される。エータ不変量は Atiyah, Patodi, and Singer (1973, 1975) により導入された。彼らはエータ不変量を使って、境界を持つ多様体のヒルツェブルフの符号定理を拡張した。

後に、彼らは、自己随伴作用素のエータ不変量を使い、コンパクトな奇数次元の滑らかな多様体のエータ不変量を定義した。

Michael Francis Atiyah, H. Donnelly, and I. M. Singer (1983) では、多様体の境界の符号欠損英語版(signature defect)が、エータ不変量として定義され、これを使いヒルベルトモジュラー曲面英語版(Hilbert modular surface)のカスプのヒルツェブルフの符号欠損が清水のL-函数英語版(Shimizu L-function)の s = 0 あるいは 1 での値の項で表現されることを示した。

定義

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自己随伴作用素 A のエータ不変量は ηA(0) により与えられる。ここに η は、

の解析接続であり、和は A の非零の固有値 λ 上を渡る。

参考文献

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  • Atiyah, Michael Francis; Patodi, V. K.; Singer, I. M. (1973), “Spectral asymmetry and Riemannian geometry”, The Bulletin of the London Mathematical Society 5: 229–234, doi:10.1112/blms/5.2.229, ISSN 0024-6093, MR0331443 
  • Atiyah, Michael Francis; Patodi, V. K.; Singer, I. M. (1975), “Spectral asymmetry and Riemannian geometry. I”, Mathematical Proceedings of the Cambridge Philosophical Society 77: 43–69, doi:10.1017/S0305004100049410, ISSN 0305-0041, MR0397797 
  • Atiyah, Michael Francis; Donnelly, H.; Singer, I. M. (1983), “Eta invariants, signature defects of cusps, and values of L-functions”, Annals of Mathematics. Second Series 118 (1): 131–177, doi:10.2307/2006957, ISSN 0003-486X, MR707164