エヴリシング・フロウズ
エヴリシング・フロウズ | ||
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著者 | 津村記久子 | |
発行日 |
単行本:2014年8月27日 文庫版:2017年5月10日 | |
発行元 | 文藝春秋 | |
ジャンル | 小説 | |
国 | 日本 | |
言語 | 日本語 | |
形態 |
単行本:四六判上製本 文庫版:文庫判 | |
ページ数 |
単行本:352 文庫版:400 | |
公式サイト |
単行本:エヴリシング・フロウズ 単行本 文藝春秋 文庫版:エヴリシング・フロウズ 文庫版 文藝春秋 | |
コード |
単行本:ISBN 978-4-16-390112-1 文庫版:ISBN 978-4-16-790848-5 | |
ウィキポータル 文学 | ||
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『エヴリシング・フロウズ』は、日本の小説家津村記久子による小説である。
『別册文藝春秋』2012年5月号から2013年1月号までに連載された[1]。単行本は、2014年8月30日に文藝春秋より刊行された[2]。単行本の装丁は、野中深雪による。単行本の装画・挿画は、内巻敦子による[1]。文庫版は、2017年5月10日に文春文庫より刊行された[3]。
本作のタイトルは、ティーンエイジ・ファンクラブの同名の曲から採られている[4]。著者の津村は、「『ウエストウイング』を執筆したときに、編集担当者が、ヒロシが今後どのようになるのか知りたい、と言ったことが、本作を書くきっかけになった」との旨を述べている[5]。
2017年にNHK-FM「青春アドベンチャー」でラジオドラマ化された[6]。
あらすじ
[編集]中学3年生のヒロシは、大阪市に住んでいる。彼の父親と母親は、ヒロシが小学3年生のときに離婚し、以降、彼は母親と2人で暮らしている。ヒロシは、体格が小柄で勉強も不得手であるが、絵を描くことについては得意である、と思っていたが、前髪が長く、顔をほとんど上げない増田が描いた絵を見て、自信をなくしてしまう。ヒロシは、3年生のクラス替えが発表された掲示板の前で、身長が高く、1人でいることが多いヤザワに話しかけられ、席がすぐ近くであったこともあり、彼と親しい仲になる。やがてヒロシは、増田の他に、ソフトボール部に所属している野末と大土居の2人組とも仲を深めていく。
主な登場人物
[編集]- ヒロシ
- 中学3年生。
- 増田誓子
- ヒロシの同級生。
- 矢澤徹也
- ヒロシの同級生。ヤザワ。
- 野末義美
- ソフトボール部の主将。
- 大土居紗和
- ソフトボール部の副主将。
書評
[編集]批評家の佐々木敦は、「これはすぐれた『中三小説』であると同時に、それだけではない。痛みを押し流すような、爽やかな風が吹いている」[7]と評価している。歌人の東直子は、「特筆すべきは、彼らが陥る様々な危機的状況から、大人に頼ることなく(時には彼らの苦しみは大人からもたらされる)、彼ら自身の力で切り抜けていく痛快さである」[8]と評価している。
ラジオドラマ
[編集]2017年6月26日から7月7日まで、NHK-FM放送「青春アドベンチャー」にて、全10回で放送された[6]。
出演
[編集]スタッフ
[編集]- 原作 - 津村記久子
- 脚色 - 蔭岡翔
- 音楽 - 内山修作
- 演出 - 小島史敬
- 技術 - 加村武
- 音響効果 - 石川恭男
脚注
[編集]- ^ a b 『エヴリシング・フロウズ』 2014.
- ^ “エヴリシング・フロウズ 単行本”. 文藝春秋. 2019年3月9日閲覧。
- ^ “エヴリシング・フロウズ 文庫版”. 文藝春秋. 2019年3月9日閲覧。
- ^ 平凡社 [@heibonshatoday] (2014年8月26日). "2014年8月26日のツイート". X(旧Twitter)より2019年3月9日閲覧。
- ^ “その7「書きたいことが書けた『エヴリシング・フロウズ』」”. 本の雑誌社 (2016年12月9日). 2019年3月9日閲覧。
- ^ a b “エヴリシング・フロウズ(全10回)”. 日本放送協会. 2019年3月9日閲覧。
- ^ 佐々木敦 (2018年6月8日). “勇気ある正義描いた「中三小説」”. 朝日新聞 2019年3月9日閲覧。
- ^ 東直子 (2014年9月29日). “エヴリシング・フロウズ 津村記久子著 危機越える中学生の知恵と勇気”. 日本経済新聞 2019年3月9日閲覧。
参考文献
[編集]- 津村記久子『エヴリシング・フロウズ』文藝春秋、2014年8月。ISBN 978-4-16-390112-1。