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エンデュアランス級揚陸艦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
エンデュアランス級揚陸艦
基本情報
艦種 ドック型輸送揚陸艦(LPD)
建造数 5隻
前級 LST-542級戦車揚陸艦
次級 最新
要目
基準排水量 6,000t
満載排水量 8,500t
全長 141.0メートル (462.6 ft)
最大幅 21.0メートル (68.9 ft)
吃水 5.0メートル (16.4 ft)
機関方式 ディーゼル・エレクトリック方式
主機 ルストン16RK270ディーゼルエンジン×2基
推進器 スクリュープロペラ×2軸
出力 13,400馬力
速力 15ノット以上
航続距離 5,000海里以上 (15kt巡航時)
乗員
  • 個艦要員: 65名
  • 上陸部隊: 350名
兵装
  • 76mmスーパー・ラピッド砲×1基
  • 12.7mm単装機銃×4基
  • シンバド連装近SAM発射機×2基
  • 搭載機 AS.332M輸送ヘリコプター×2機
    レーダー
    電子戦
    対抗手段
  • RAN-1101電波探知装置
  • シールドIII 6連装デコイ発射機×2基
  • テンプレートを表示

    エンデュアランス級揚陸艦英語: Endurance-class landing platform dock ship)は、シンガポール海軍が運用するドック型輸送揚陸艦(LPD)の艦級。またタイ王国海軍も同型艦1隻を購入・運用している。

    来歴

    [編集]

    1970年代初頭、シンガポール海軍は、アメリカ海軍を退役したLST-542級戦車揚陸艦(LST-1級最後期型)6隻をリースしており、1975年から1976年にかけて順次に購入に切り替えた。しかし老朽化に伴い、1986年には5隻がインドネシア海軍に売却され[1]、残る1隻(初代「エンデュアランス」; 旧米「ホルムズ・カウンティ」)も2000年までに退役する予定とされていた。これらの艦は主に業務輸送に従事しており、その代艦が必要とされていた。これに応じて建造されたのが本級である。計画は1996年8月に発表され、ネームシップ1997年3月26日に起工された[2]

    また2008年11月には、タイ海軍が同じ設計にもとづいて1隻を発注した。これは、レーダー電子戦を除けばシンガポール艦とほぼ同一で、2011年3月に進水した[2]

    設計・装備

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    ヘリコプター甲板上にはASIST着艦支援装置が設置されている
     
    ウェルドックに通じる艦尾門扉。

    設計はシンガポール・シップビルディング・アンド・エンジニアリング(現在のシンガポール・テクノロジーズ・マリーン)社によって行われており、同社ではSTEM-1400型LSTと呼称されていた。前任のLST-542級は、艦首を海岸に擱座(ビーチング)して兵員・車両を揚陸することを前提とした戦車揚陸艦(LST)であったが、本級は搭載する舟艇によって輸送・揚陸を行うドック型揚陸艦とされており、艦尾には幅15.6メートル×高さ8メートルの下ヒンジ式の門扉が設けられている。またRO-RO機能のため、艦首にも長さ16.8メートル×幅4.05メートルの道板が設けられているが、艦首形状はバルバス・バウとされており、ビーチングは想定されていない。上部構造物直後の両舷には、力量25トンのクレーンが各1基設置されており、物資の揚降に用いられる。艦内には、戦車18両、その他車両20両と上陸部隊350名を収容可能であり、搭載量は最大で1,080トンとされている[2]

    ウェルドックは車両甲板と連続しており、4隻の上陸用舟艇を収容・運用することができる。この他、上部構造物両舷に設けられたダビットに、計4隻のEP-02型小型揚陸艇(LCVP)と2隻の高速複合艇が搭載されている。

    上部構造物後部はハンガーとされており、AS.332M中型輸送ヘリコプター2機を収容できる。ヘリコプター甲板上にはASIST(Aircraft Ship Integrated Secure and Traverse)着艦支援・機体移送装置が設置されている。なお上甲板と車両甲板は、力量22トン、長さ18メートル×幅6メートルのエレベータによって連絡されている[2]

    兵装としては、シンガポール海軍で標準的な76mmスーパー・ラピッド砲が艦橋構造物直前の甲板室上に設置されている。なお当初計画では、40mm連装機銃およびゴールキーパー 30mmCIWS、さらにバラク個艦防空ミサイルVLS(16セル)の搭載も検討されていたが、これらはいずれも省かれた。また主たるセンサーとなるレーダーとしては、当初はSAAB社製のシージラフが検討されていたが、IAIエルタ社製のEL/M-2238 STARに変更された[2]

    同型艦一覧

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    運用者 # 艦名 就役
     シンガポール海軍 L 207 エンデュアランス
    RSS Endurance
    2000年
    3月18日
    L 208 レゾリューション
    RSS Resolution
    L 209 パーシスタンス
    RSS Persistence
    2001年
    4月7日
    L 210 エンデヴァー
    RSS Endeavour
     タイ海軍 LPD 791 アントン
    HTMS Angthong
    2012年
    4月3日

    参考文献

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    1. ^ Bernard Prezelin (1990). The Naval Institute Guide to Combat Fleets of the World, 1990-1991. Naval Institute Press. pp. 463-464. ISBN 978-0870212505 
    2. ^ a b c d e Eric Wertheim (2013). The Naval Institute Guide to Combat Fleets of the World, 16th Edition. Naval Institute Press. ISBN 978-1591149545 

    関連項目

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    ウィキメディア・コモンズには、エンデュアランス級揚陸艦に関するカテゴリがあります。