エレクトリック・ギタリスト
『エレクトリック・ギタリスト』 | ||||
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ジョン・マクラフリン の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 |
ニューヨーク サウンド・ミキサー・スタジオ(#1, #3, #6, #7)[1] カリフォルニア州ノース・ハリウッド デヴォンシャー・スタジオ(#2, #4, #5)[1] | |||
ジャンル | フュージョン | |||
時間 | ||||
レーベル | コロムビア・レコード | |||
プロデュース | ジョン・マクラフリン、デニス・マッケイ | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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ジョン・マクラフリン アルバム 年表 | ||||
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『エレクトリック・ギタリスト』(Electric Guitarist)は、ジョン・マクラフリンが1978年に発表したスタジオ・アルバム。
背景
[編集]リーダー・バンド「シャクティ」解散後に発表されたソロ・アルバムで、マクラフリンは後年、本作について「シャクティで何年もの間アコースティック・ギターを弾いていたので、久し振りにエレクトリック・ギターに戻り、"西の音楽"をやってみたくなった」「ご無沙汰していた友人をここぞとばかり呼んだ」とコメントしている[5]。なお、マクラフリンはシャクティ時代にはスキャロップド・フィンガーボード仕様のアコースティック・ギターを使用しており[6]、その経験から、本作よりスキャロップド仕様のエレクトリック・ギターを弾くようになった[7]。
「ドゥ・ユー・ヒア・ザ・ヴォイス・ザット・ユー・レフト」はジョン・コルトレーンに捧げられた曲で[1]、コルトレーンの曲「ジャイアント・ステップス」のコード進行に基づいている[7][8]。「アー・ユー・ザ・ワン?」は、マクラフリンが在籍していたバンド「トニー・ウィリアムス・ライフタイム」で共演したリズム隊(ウィリアムス、ジャック・ブルース)と共に録音された[7]。「フェノメノン: コンパルジョン」は、マクラフリンとビリー・コブハムのデュオによる演奏である[7][9]。
反響
[編集]スウェーデンでは1978年5月19日付のアルバム・チャートで40位を記録した[3]。アメリカでは1978年6月24日付のBillboard 200で105位に達し、合計14週トップ200入りした[4]。ニュージーランドでは1978年10月22日付のアルバム・チャートで38位を記録したが、翌週にはトップ40圏外に落ちた[2]。
評価
[編集]Hal Horowitzはオールミュージックにおいて5点満点中4点を付け「"New York on My Mind"は、彼が以前に率いていたマハヴィシュヌ・オーケストラのアウトテイクのように聴こえる」「バラードの"Every Tear from Every Eye"における、スタッカートやベンディングを多用したクリーン・トーンによる演奏を筆頭に、マクラフリンは終始好調である」と評している[9]。ロバート・クリストガウは本作にBプラスを付け「フュージョンを創造した人物の下に、同ジャンルのトップ・ミュージシャン達が集結し、パターン化されたファンク的な伴奏、ダラダラと長いソロ、宇宙的なハーモニーと称した戯言を排して、フュージョンの美学の可能性を誇示してみせた」と評している[10]。また、Walter Koloskyは2002年、All About Jazzにおいて、アルバムの全体像を「捨て曲がない」、「マイ・フーリッシュ・ハート」のカヴァーに関して「温かく穏やかなアレンジで、彼に対する先入観へのアンチテーゼであるかのように響く」と評している[7]。
収録曲
[編集]特記なき楽曲はジョン・マクラフリン作。
- ニューヨーク・オン・マイ・マインド - "New York on My Mind" - 5:52
- フレンドシップ - "Friendship" - 7:07
- エヴリ・ティアー・フロム・エヴリ・アイ - "Every Tear from Every Eye" - 6:58
- ドゥ・ユー・ヒア・ザ・ヴォイス・ザット・ユー・レフト - "Do You Hear the Voices That You Left Behind?" - 7:46
- アー・ユー・ザ・ワン? - "Are You the One? Are You the One?" - 4:46
- フェノメノン: コンパルジョン - "Phenomenon: Compulsion" - 3:25
- マイ・フーリッシュ・ハート - "My Foolish Heart" (Victor Young, Ned Washington) - 3:31
参加ミュージシャン
[編集]- ジョン・マクラフリン - エレクトリック・ギター
- ジェリー・グッドマン - ヴァイオリン(on #1)
- ステュ・ゴールドバーグ - エレクトリックピアノ、オルガン、ミニ・モーグ(on #1)
- フェルナンド・サンダース - ベース(on #1)
- ビリー・コブハム - ドラムス(on #1, #6)
- カルロス・サンタナ - エレクトリック・ギター(on #2)
- トム・コスター - オルガン(on #2)
- ニール・ジェイソン - ベース(on #2)
- ナラダ・マイケル・ウォルデン - ドラムス(on #2)
- アリリオ・リマ - パーカッション(on #2)
- アルマンド・ペラーサ - コンガ(on #2)
- デイヴィッド・サンボーン - アルト・サクソフォーン(on #3)
- パトリース・ラッシェン - ピアノ(on #3)
- アルフォンソ・ジョンソン - ベース、ベース・ペダル(on #3)
- トニー・サンダー・スミス - ドラムス(on #3)
- チック・コリア - ピアノ、ミニ・モーグ(on #4)
- スタンリー・クラーク - アコースティック・ベース(on #4)
- ジャック・ディジョネット - ドラムス(on #4)
- ジャック・ブルース - ベース(on #5)
- トニー・ウィリアムス - ドラムス(on #5)
脚注
[編集]- ^ a b c Johnny McLaughlin* - Electric Guitarist (1978, Vinyl) | Discogs
- ^ a b charts.org.nz - John McLaughlin - Electric Guitarist
- ^ a b swedishcharts.com - John McLaughlin - Electric Guitarist
- ^ a b “Electric Guitarist Chart History - Billboard 200”. Billboard. 2020年10月17日閲覧。
- ^ 『ジャズギター・ブックVol.20』シンコーミュージック・エンタテイメント、2009年2月8日、13頁。ISBN 978-4-401-63278-7。
- ^ 『ジャズギター・ブックVol.20』24頁
- ^ a b c d e Kolosky, Walter (2002年11月17日). “John McLaughlin: Electric Guitarist album review”. All About Jazz. 2020年10月17日閲覧。
- ^ 『ジャズギター・ブックVol.20』36頁
- ^ a b Horowitz, Hal. “Electric Guitarist - John McLaughlin”. AllMusic. 2020年10月17日閲覧。
- ^ Christgau, Robert. “CG: John McLaughlin”. 2020年10月17日閲覧。
外部リンク
[編集]- エレクトリック・ギタリスト - Discogs (発売一覧)