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エドウィン・ブラモール (ブラモール男爵)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ブラモール男爵
エドウィン・ブラモール
Peter Inge, Baron Inge
2006年6月19日ガーターセレモニーの際のブラモール卿
生誕 (1923-12-18) 1923年12月18日
死没 (2019-11-12) 2019年11月12日(95歳没)
所属組織 イギリス陸軍
軍歴 1942年 - 1985年
最終階級 陸軍元帥
除隊後 貴族院議員1987年-)
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ブラモール男爵、エドウィン・ノエル・ウェストビー・ブラモール: Edwin Noel Westby Bramall, Baron Bramall, KG, GCB, OBE, MC, JP, DL1923年12月18日 - 2019年11月12日[1])は、イギリス陸軍軍人一代貴族政治家

1979年から1982年まで陸軍参謀総長を務めた後、1982年から1985年にかけて国防参謀総長を務めた。

1987年一代貴族に叙され、貴族院議員に列する。

経歴

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生い立ち

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1923年12月18日、陸軍将校エドムンド・ブラモールとその妻キャサリン(旧姓ウェストビー)の息子として生まれる[2][3]。その後イートン校に進学する。

陸軍入隊

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第二次世界大戦中の1942年8月12日陸軍に入隊[3]1943年5月22日国王の王立ライフル軍団英語版に配属される[3][4]。同軍団の自動車歩兵大隊に属して、1944年6月のノルマンディー上陸作戦に参加し、その後1945年5月のドイツ降伏までフランス、西部ドイツで戦った[3]。1945年3月にミリタリー・クロス英語版を授与された[3]

1945年9月から大戦でイギリスがイタリアより奪い取った植民地リビアに駐屯し、ついで植民地インドに派遣された[3]1946年6月18日中尉英語版に昇進[5]1946年12月からイギリス連邦占領軍占領下の日本に派遣された[3]

将校

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1947年3月から陸軍省軍事作戦部に勤務[3]1949年8月から歩兵学校英語版の教官を務める[6]1950年12月18日大尉英語版に昇進[7][6]。キャンバリーの参謀大学英語版で学んだ後、1955年1月まで2級参謀本部将校(GSO2)として中東駐留の歩兵師団に属し、中東での任務にあたった[6]。つづいてライフル兵站部で訓練中隊の司令官を務める[6]1956年9月から国王の王立ライフル軍団第一大隊に所属し、リビアで任務に当たる[6]1957年12月18日に少佐(major)に昇進し、中隊司令官となる[8][6]

1958年5月10日からキャンバリー参謀大学の教官を務めた[6]。1962年2月2日から国王の王立ライフル連隊第2グリーン・ジャケッツ英語版第一大隊で第二司令官英語版を務め、ドイツベルリン、ついでコルチェスターに勤務した[6]1965年1月25日に中佐(lieutenant colone)に昇進するとともに第2グリーン・ジャケッツの司令官(CO)に就任[9][6]。1965年から1966年にかけてインドネシア・マレーシア紛争英語版マレーシアを支援すべく同国に派遣された[6]

陸軍大将

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1967年3月に大佐に昇進するとともに参謀大学の一級参謀本部将校(GSO1)となった[6]。同年12月31日に准将英語版に昇進し[10]、同年11月から1969年12月にかけて第5歩兵旅団英語版の司令官を務める[6]

帝国防衛大学英語版で学んだ後、1971年7月28日少将に昇進した[6]1972年1月から1973年11月にかけてイギリス陸軍ライン軍団第1装甲師団英語版総司令官(GOC)英語版を務める[6]

1973年12月12日に中将に昇進するとともに香港イギリス軍司令官英語版に就任[6][11]1976年5月15日地上部隊最高司令官(C-in-C)英語版に就任[6]。同年6月25日には大将に昇進した[12]

元帥

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1978年5月から国防参謀次長英語版に就任し、ついで1979年7月から陸軍参謀総長を務めた[13]。その在任中に1982年フォークランド紛争が勃発し、サン・カルロスの戦い英語版での陸軍部隊の作戦立案にあたった[14]1982年8月1日陸軍元帥に昇進[15]

1982年10月から国防参謀総長に就任したが、彼が就任したころにはフォークランド紛争はイギリスの勝利に終わっていた。1985年11月まで務めた[14]

貴族院議員

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1986年にはロンドンの治安判事に就任し、また1986年から1998年にかけては名誉職の大ロンドン知事英語版を務めた[2]。グリーン・ジャケッツや特殊空挺部隊国王エドワード7世所有第2グルカ・ライフル連隊英語版の名誉連隊長(Colonel)も務めた[14]1987年2月9日一代貴族爵位「カウンティ・オブ・ハンプシャーにおけるブッシュフィールド英語版のブラモール男爵(Baron Bramall, of Bushfield in the County of Hampshire)」に叙せられ[2]貴族院議員に列した[16]。1990年4月23日、女王エリザベス2世よりガーター騎士団ナイト(KG)に叙された[17]

2013年4月25日に貴族院の活動を退いた[18]

栄典

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脚注

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注釈

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出典

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  1. ^ “Lord Bramall's life was shortened by Nick paedophile lies, friends say as D Day hero dies aged-95” (英語). The Telegraph. (2019年11月12日). https://www.telegraph.co.uk/news/2019/11/12/lord-bramall-former-head-british-army-dies-aged-95/ 2019年11月13日閲覧。 
  2. ^ a b c d Lundy, Darryl. “Field Marshal Edwin Noel Westby Bramall, Baron Bramall” (英語). thepeerage.com. 2014年10月21日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h Heathcote(1999) p. 53
  4. ^ "No. 36074". The London Gazette (Supplement) (英語). 29 June 1943. p. 2980. 2014年10月23日閲覧
  5. ^ "No. 37698". The London Gazette (Supplement) (英語). 20 August 1946. p. 4238. 2014年10月23日閲覧
  6. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p Heathcote(1999) p. 54
  7. ^ "No. 39093". The London Gazette (Supplement) (英語). 19 December 1950. p. 6320. 2014年10月23日閲覧
  8. ^ "No. 41254". The London Gazette (Supplement) (英語). 13 December 1957. p. 7346. 2014年10月23日閲覧
  9. ^ "No. 43682". The London Gazette (Supplement) (英語). 11 June 1965. p. 5687. 2014年10月23日閲覧
  10. ^ "No. 44493". The London Gazette (Supplement) (英語). 29 December 1967. p. 74. 2014年10月23日閲覧
  11. ^ "No. 46143". The London Gazette (Supplement) (英語). 3 December 1973. p. 14387. 2014年10月23日閲覧
  12. ^ "No. 46947". The London Gazette (Supplement) (英語). 28 June 1976. p. 8989. 2014年10月23日閲覧
  13. ^ Heathcote(1999) p.54-55
  14. ^ a b c Heathcote(1999) p.55
  15. ^ "No. 49069". The London Gazette (Supplement) (英語). 2 August 1982. p. 10134. 2014年10月23日閲覧
  16. ^ UK Parliament. “Mr Edwin Bramall” (英語). HANSARD 1803–2005. 2014年10月23日閲覧。
  17. ^ a b "No. 52120". The London Gazette (英語). 24 April 1990. p. 8251. 2014年10月23日閲覧
  18. ^ List of Members as at 4 June 2014 - House of Lords List of Members Contents”. www.parliament.uk. イギリス議会. 2014年10月20日閲覧。
  19. ^ "No. 36961". The London Gazette (Supplement) (英語). 27 February 1945. p. 1176. 2014年10月23日閲覧
  20. ^ "No. 43529". The London Gazette (Supplement) (英語). 29 December 1964. p. 6. 2014年10月23日閲覧
  21. ^ "No. 46162". The London Gazette (Supplement) (英語). 28 December 1973. p. 2. 2014年10月23日閲覧
  22. ^ "No. 47723". The London Gazette (Supplement) (英語). 29 December 1978. p. 2. 2014年10月23日閲覧

参考文献

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  • Heathcote, Tony (1999) (英語). The British Field Marshals, 1736–1997: A Biographical Dictionary. Barnsley: Leo Cooper. ISBN 0-85052-696-5 

外部リンク

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軍職
先代
ジャック・ハーマン英語版
第1装甲師団英語版総司令官(GOC)英語版
1972年 - 1973年
次代
デイヴィッド・アレクサンダー=シンクレアー英語版
先代
サー・リチャード・ワード英語版
香港イギリス軍司令官英語版
1973年1976年
次代
サー・ジョン・アーチャー英語版
先代
サー・ローランド・ギブズ英語版
地上部隊最高司令官(C-in-C)英語版
1976年 - 1978年
次代
サー・ジョン・アーチャー英語版
先代
サー・アンソニー・モートン英語版
国防参謀次長英語版
1978年 - 1979年
次代
サー・パトリック・ハワード=ドブソン英語版
先代
サー・ローランド・ギブズ英語版
陸軍参謀総長
1979年 - 1982年
次代
サー・ジョン・スタンアー英語版
先代
サー・テレンス・レウィン英語版
国防参謀総長
1982年 - 1985年
次代
サー・ジョン・フィールドハウス英語版
名誉職
先代
フィリップス女男爵英語版
大ロンドン知事英語版
1986年 - 1998年
次代
ピーター・インバート英語版