エゾボラ
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エゾボラ | ||||||||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Neptunea polycostata Scarlato, 1955[1] | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
エゾボラ(蝦夷法螺) | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
a kind of the true whelks |
エゾボラ(蝦夷法螺、 Neptunea polycostata)は、北海道付近の水深約50-200mに生息する殻長約15cm(メス16cm, オス13cm)以下の巻貝である[2]。
形態
[編集]貝殻は縦肋や螺肋の肩部が張り出し、殻口内部は橙色。足(吸盤)は黄色みを帯び黒い斑点がある。本属のオスのペニスは大きい[3][4]。本属の貝はときおり左巻きのものが見つかる[5]。
生態
[編集]肉食性。水深50-200mの深い海の底で、細い管状の口吻をつかって多毛類やホヤなどを食べて生きる。
利用
[編集]ツブ貝の一種として「ツブかご」で漁獲され[6]、市場では「真つぶ」と呼ばれる。身が大きくコリコリしてとても美味い[7][8]。ただし唾液腺に有毒なテトラミンを含むため、取り除いてから食用とする[9]。
種として
[編集]エゾバイ科は寒冷な漸新世に発生し、日本がユーラシア大陸から分離した中新世Mioceneにエゾボラ属Neptuneaの3つの亜属が分岐したと考えられ、本種はチヂミエゾボラNeptunea constrictaと近縁である[10]。北東大西洋にはムカシエゾボラNeptunea antiquaが生息するが、食用とはされない[11]。更新世Pleistoceneの化石が千葉県上総層群長浜層から見つかっている[12]。
関連項目
[編集]出典
[編集]- ^ “Neputunea polycostata”. WoRMS. 2021年7月17日閲覧。
- ^ 藤永克昭, 尾山康隆「エゾボラ Neptunea polycostataの繁殖生態,特に成熟サイズ,生殖周期と性比について」『日本水産学会誌』第73巻第2号、日本水産學會、2007年3月、256-262頁、doi:10.2331/suisan.73.256、ISSN 00215392、NAID 110006271467。
- ^ 奥谷喬司『世界文化生物大図鑑『貝類』』世界文化社、2004年。ISBN 4-418-04904-5。
- ^ 山上竜生・和田哲 (2022). “北太平洋西部の北海道恵山岬沖から採取された深海性エゾバイ類(カシマナダバイ・エゾボラ属の1種)の胃内容物”. Venus No.80: 40-46 .
- ^ 山崎友資ら (2006). “エゾボラモドキの左旋個体とその歯舌形態”. ちりぼたん No.37: 147.
- ^ “ツブかご漁”. マリンネット北海道. 2021年7月17日閲覧。
- ^ “エゾボラ”. ぼうずコンニャク. 2021年7月17日閲覧。
- ^ “日高の真ツブ”. 日高振興局. 2021年7月17日閲覧。
- ^ “唾液腺毒(テトラミン)”. 厚労省. 2021年7月17日閲覧。
- ^ Tomoyuki Nakano et al. (2010). “Molecular Phylogeny of Neptunea (Gastropoda: Buccinidae) Inferred from Mitochondrial DNA Sequences, with Description of a New Species”. Venus No.68: 121.
- ^ “Red whelk”. The Marine Biological Association of the UK. 2021年10月16日閲覧。
- ^ “Neptunea polycosta SCARLATO”. 千葉県立博物館. 2021年10月16日閲覧。