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エジプトリクガメ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
エジプトリクガメ
エジプトリクガメ
エジプトリクガメ Testudo kleinmanni
保全状況評価[1]
ワシントン条約附属書I
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
: カメ目 Testudines
: リクガメ科 Testudinidae
: チチュウカイリクガメ属 Testudo
亜属 : Testudo
: エジプトリクガメ T. kleinmanni
学名
Testudo kleinmanni Lortet, 1883[2][3]
シノニム

Testudo werneri Perälä, 2001[2]

和名
エジプトリクガメ[3][4]
英名
Egyptian tortoise[2][4]

エジプトリクガメ (Testudo kleinmanni) は、爬虫綱カメ目リクガメ科チチュウカイリクガメ属に分類されるカメ。

分布

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イスラエル南部、エジプト北部、リビア北西部[3]

形態

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最大甲長13.1センチメートルと、チチュウカイリクガメ属最小種[3]。背甲は盛り上がり、幅広い[3]。背甲の色彩は明色で、甲板の継ぎ目(シーム)の周辺が暗色の個体が多い[3]。腹甲には左右に1 - 3個ずつ楔形の暗色斑が入る個体もいる[3]

前肢は3列の大型鱗で覆われる[4]

分類

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属内では本種のみでPseudotestudo亜属を構成したり、フチゾリリクガメ単系統群を形成すると推定されChersus亜属を構成する説もあった[3]

2001年にエジプトのシナイ半島およびイスラエル南部の個体群が、ウェルナーリクガメT. werneriとして新種記載された[3]。一方で2007年に発表されたミトコンドリアDNAシトクロムbの分子系統解析では、本種とウェルナーリクガメの遺伝的差異は非常に小さく独立種とすることを疑問視する説もある[5]

生態

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砂漠草原・灌木林などに生息する[4]。乾季になると穴の中で休眠するが、冬季でも降雨があり植物が生える時期には活動する[4]

繁殖様式は卵生。秋季から春季に交尾を行う[4]。3 - 6月に、1回に1 - 3個の卵を産む[4]

人間との関係

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灌漑事業や過放牧による生息地の破壊、ペット用の乱獲などにより生息数は激減している[4]1975年のワシントン条約発効時にはチチュウカイリクガメ属単位で、1977年にはリクガメ科単位でワシントン条約附属書IIに掲載されていた[1]1995年にワシントン条約附属書Iに掲載された[1][4]。IUCNレッドリストでは、2003年の時点で本種にウェルナーリクガメを含めていない判定がされている[6]

ペットとして飼育されることもあり、日本にも輸入されていた。1980年代からエジプト産の個体が安価で大量に流通していた[4]

画像

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出典

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  1. ^ a b c UNEP (2021). Testudo kleinmanni. The Species+ Website. Nairobi, Kenya. Compiled by UNEP-WCMC, Cambridge, UK. Available at: www.speciesplus.net. [Accessed 24/06/2021]
  2. ^ a b c Turtle Taxonomy Working Group [A. G. J. Rhodin et al,]. 2017. Turtles of the World: Annotated Checklist and Atlas of Taxonomy, Synonymy, Distribution, and Conservation Status (8th Ed.). In: A. G. J. Rhodin et al. (Eds.). Conservation Biology of Freshwater Turtles and Tortoises: A Compilation Project of the IUCN/SSC Tortoise and Freshwater Turtle Specialist Group. Chelonian Research Monographs 7: Pages 1 - 292. https://doi.org/10.3854/crm.7.checklist.atlas.v8.2017. (Downloaded on 24 June 2021.)
  3. ^ a b c d e f g h i 安川雄一郎 「チチュウカイリクガメ類総覧」『エクストラ・クリーパー』No.2、誠文堂新光社、2007年、34 - 53頁。
  4. ^ a b c d e f g h i j 安川雄一郎 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ1 ユーラシア、北アメリカ』小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著、講談社、2000年、224頁。
  5. ^ Pavel Široký, Uwe Fritz, "Testudo werneri a distinct species?," Biologia, Volume 62, Issue 2, 2007, Pages 228 - 231.
  6. ^ Perälä, J. 2003. Testudo kleinmanni. The IUCN Red List of Threatened Species 2003: e.T21652A9306908. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2003.RLTS.T21652A9306908.en. Downloaded on 03 May 2021.

関連項目

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