エアロシェル
エアロシェル(英: Aeroshell)とは宇宙機が大気圏突入時に受ける熱と圧力から機体を保護し、突入速度を減少させる熱シールドシェルのこと。宇宙飛行時にデブリから機体を保護する役割を持つものもある。シェルの後方にはミッションに使用する機器のほかに、パラシュートやロケットエンジン、計測機器(パラシュートで降下する際にシェルの方向を測定する慣性計測装置など)といったの重要な部品を搭載している。
エアロシェルは惑星間宇宙ミッションの重要な構成要素であり、アポロ計画、バイキング計画、マーズ・パスファインダー、マーズ・エクスプロレーション・ローバー、マーズ・フェニックスといった数々のミッションに使用されている。マーズ・サイエンス・ラボラトリーにも使用された。
NASAの試験
[編集]NASAの惑星突入パラシュート計画(Planetary Entry Parachute Program, PEPP)のエアロシェルはボイジャー計画 (火星)による火星着陸のためのパラシュート試験を目的に作成され、1966年試験を行った。希薄な火星大気を再現するためにパラシュート試験は地球の高度160,000フィート以上の高度で行われる必要があった。まず、ロズウェルからバルーンによってエアロシェルを上昇させ、次にバルーンを西のホワイトサンズ・ミサイル実験場まで漂わせ、そこでエアロシェルを投下し、機体下のロケットエンジンがパラシュートを展開する予定の高度まで上昇させた。
ボイジャー計画は後にキャンセルされ、数年後により小規模なバイキング計画に置き換えられた。NASAはボイジャーの名を火星のボイジャー計画とは何の関係性もなかったボイジャー計画(ボイジャー1号とボイジャー2号)に再使用している。
ホワイトサンズ・ミサイル実験場にはPEPPのエアロシェルが現在も一つ残されている。
参考文献
[編集]- “Lockheed Martin To Design Mars Science Lab Aeroshell”. Mars Daily. (2006年3月30日) 2007年2月17日閲覧。
- “For Fuel Conservation in Space, NASA Engineers Prescribe Aerocapture”. NASA. (2006年8月17日) 2007年2月17日閲覧。
- Space travel guide
- Early Reentry Vehicles: Blunt Bodies and Ablatives
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- Low-Mass Aeroshell Cornerstone Research Group