ユーナ・スタッブス
ユーナ・スタッブス Una Stubbs | |
---|---|
『SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁』を撮影中のスタッブス(右、2015年2月) | |
生年月日 | 1937年5月1日 |
没年月日 | 2021年8月12日(84歳没) |
出生地 | ハートフォードシャー州ウェリン・ガーデン・シティ |
死没地 | スコットランド、エディンバラ[1] |
国籍 | イギリス |
職業 | 女優、(元)ダンサー |
活動期間 | 1956年 - 2021年 |
配偶者 |
ピーター・ギルモア(1958年 - 1969年)(離婚) ニッキー・ヘンソン(1969年 - 1975年)(離婚) |
主な作品 | |
|
ユーナ・スタッブス[2](Una Stubbs, 1937年5月1日 - 2021年8月12日)は、イギリスのテレビ・舞台・映画女優である。かつてはイギリスのテレビや、劇場、時には映画にも出演したダンサーであった。イギリスでは、シットコム『Till Death Us Do Part』で演じたリタや、子供向けシリーズ "Worzel Gummidge" (en) で演じたサリーおばさん役で知られている。またTVシリーズ『ワーストウイッチ』 (en) で演じたバットさん役でも有名である。最近では『SHERLOCK』でシャーロックの大家ハドスン夫人を演じている。
活動歴
[編集]1950年代中頃、スタッブスはラウントリーズ社[注 1]製のデイリー・ボックス・チョコレートのカバーガールを務めていた[3]。彼女はヨークにあったラウントリーズ社の工場への訪問について言及した際に、自身のことを「ラウントリーのチョコレート少女」[注 2]と呼んでいる(彼女は知らなかったものの、奇しくもヨークは彼女の祖父が働いていた土地だった)[4]。
スタッブスは1956年に、イギリスのテレビ音楽番組『クール・フォー・キャッツ』において、ダギー・スクワイアズ・ダンサーの一員として、テレビに初出演した。彼女はこの頃ロンドンのキャバレーやナイトクラブ、レヴューでも働いており、ライオネル・ブレアのダンス・アンサンブルの一員でもあった。
彼女が初めて大きな役を得たのは、クリフ・リチャードの1963年の映画『サマー・ホリデイ』でのことである。彼女はまた、リチャードの次の映画『ワンダフル・ライフ』にも出演している(1964年)。それから数年後、彼女はBBCのシットコム『Till Death Us Do Part』(1966年 – 1975年)に出演し、アルフ・ガーネットの結婚した娘・リタ役を演じたことで一躍成功する。また1981年の短い生放送シットコム『Till Death...』においてもリタを演じた。彼女は1985年から1992年放映のBBC制作シットコム『In Sickness and in Health』においても、いくつかのエピソードでリタを演じた(これが3度目のリタ役となる)。1970年から1971年にかけて、スタッブスは再びクリフ・リチャードとタッグを組み、毎週彼のBBC Oneのテレビシリーズ "It's Cliff Richard!" に出演した。次のシリーズには出演しなかったが、それは放送が彼女の出産直後であったためである。この作品では、"Till Death Us Do Part" で共演しており、彼女のテレビでの「母」であったダンディー・ニコルズが代役を務めた[注 3]。
スタッブスは『フォルティ・タワーズ』において、1979年のエピソード『結婚記念日』 (The Anniversary) で主演を務めている。1979年から1981年にかけて、彼女はITVの子供向けシリーズ "Worzel Gummidge" (en) でジョン・パートウィーやバーバラ・ウィンザーに対抗する役・サリーおばさんを演じた。また、1980年代にはゲームショー "Give Us a Clue" でチーム・キャプテンを務め、他チームのキャプテンを務めていたライオネル・ブレアと再会している。
彼女は『バーナビー警部』、『ハートビート』、『カジュアルティー』、『Keeping Up Appearances』、『ボーン・アンド・ブレッド』、そして『ワーストウイッチ』 (en) などの番組に出演した。近年にはスタッブスは、『ヴィクトリア・ウッド』 の第4話 "We'd Quite Like to Apologise"、 『ザ・キャスリーン・テイト・ショー』、『アガサ・クリスティー ミス・マープル』、『イーストエンダーズ』、『ベニドルム』 などに出演している。また、2010年からは、『SHERLOCK』でハドスン夫人を演じている。
スタッブスはウェスト・エンド・シアターにも2001年と2005年に出演している。このうち2001年にはノエル・カワードの最終作 "Star Quality" でペネロープ・キースと共演し、2005年にはシラーの『ドン・カルロス』でデレク・ジャコビと共演している。近年では、メニエール・チョコレート・ファクトリーでのミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール』や、バース王立劇場とオールド・ヴィック・シアターでの『ピグマリオン』、そしてドンマー・ウエアハウスでの『一族再会』[注 4]などに出演した。彼女はまた、2012年にロイヤル・ナショナル・シアターで上演された『夜中に犬に起こった奇妙な事件』のオリジナル・キャストでもある。
2015年、スタッブスはBBC Oneの "The Big Painting Challenge" に、リチャード・ベーコンと共に出演した。
私生活
[編集]スタッブスはハートフォードシャーのウェリン・ガーデン・シティで、アンジェラ・K・ローリンソンとクラレンス・レジナルド・スタッブスの娘として生まれた[5]。彼女はレスターシャーのヒンクリーで育った[6]。1958年に俳優ピーター・ギルモアと結婚し、ジェイソンという息子を養子に取る。彼らは1969年に離婚したが、その後彼女は同じく俳優のニッキー・ヘンソンと結婚した。スタッブスはヘンソンと1975年に離婚したものの、良い交友関係は保っている。彼らの間には2人の子供がいる。一人は作曲家のクリスチャン・ヘンソン(1975年12月25日 - )で、もう一人はミュージシャンで作曲家のジョー・ヘンソン(1973年9月18日 - )である[7]。
長年の間、スタッブスはロンドン周辺をヴィネットで描き続けており、メイフェアの自宅近くで、これらの絵の展覧会を開いたこともある[8]。
スタッブスは、母ワンダ・ヴェンサムと共演した縁で、『SHERLOCK』での共演者ベネディクト・カンバーバッチを、彼が4歳の頃から知っていたという[9][10]。
また、スタッブスを題材としたBBCの "Who Do You Think You Are?" が、2013年7月24日に放映された。この番組の中で、彼女の祖先が何人か紹介された。例えば曾祖父にあたるエベネザー・ハワードは、田園都市の提唱者であり、最初の田園都市であるハートフォードシャーのレッチワースならびにウェリン・ガーデン・シティにおいて、その設計と建設の原動力となった人物である[11][注 5]。
2021年8月12日、84歳でエディンバラの自宅で亡くなった[12][1]。
出演作
[編集]映画
[編集]- 『サマー・ホリデイ』 - サンディ(1963年)
- 『ザ・バージー』 - ブライズメイド[13](1964年)
- 『ワンダフル・ライフ』 - バーバラ(1964年)
- 『スリー・ハッツ・フォー・リサ』 - フローラ(1965年)
- 『ミスター・テン・パーセント』 - レディ・ドロシー(1967年)
- 『ティル・デス・ドゥ・アス・パート』 - リタ(1969年)
- 『ペニー・ゴールド』 - アンナ(1973年)
- 『ベッドタイム・ウィズ・ロージー』 - ロージー(1975年)
- 『エンジェル』 - ドーソンさん (2007年)
テレビ番組
[編集]- "The Strange World of Gurney Slade" (en) - 掃除機をかける少女 / 公園の少女(2話、1960年)
- 『Till Death Us Do Part』 - リタ(28話、1966年 - 1974年)
- 『フォルティ・タワーズ』 - アリス(話名「結婚記念日」 (The Anniversary) 、1979年)
- "Worzel Gummidge" (en) - サリーおばさん(21話、1979年 - 1981年)
- 『ギヴ・アス・ア・クルー』 - 本人役(16話、1979年 - 1985年)
- 『Till Death...』 - リタ(6話、1981年)
- 『In Sickness and in Health』 - リタ(9話、1985年 - 1986年)
- "Worzel Gummidge Down Under" (en) - サリーおばさん(11話、1987年 - 1989年)
- 『Keeping Up Appearances』 - ムーディ夫人(話名 The Padgent, 1995年)
- 『デルタ・ウェーヴ』 - ジリー・ピジョン(4話、1996年)
- 『バーナビー警部』 - 第1シリーズ第2話「血ぬられた秀作」(原題: Written in Blood) - セリナ・ジェニングス(1998年)
- 『ワーストウイッチ』 (en) - バットさん(25話、1998年 - 2000年)
- 『ザ・キャスリーン・テイト・ショー』 - キャロル・アン / ウルスラ(2話、2005年)
- 『イーストエンダーズ』 - キャロライン・ビショップ(6話、2006年)
- 『アガサ・クリスティー ミス・マープル』「スリーピング・マーダー」 - イーディス・パジェット(2006年)
- "Mist: The Tale of a Sheepdog Puppy" (en) - ファーン(23話、2007年 - 2009年)
- 『ベニドルム』 - ダイアナ・ウィードン(ゲスト出演/シーズン3 エピソード5、2009年)
- 『インジーニアス』 - グランシャ(2009年)
- 『SHERLOCK』 - ハドスン夫人(10話、2010年 - 現在)
- "Who Do You Think You Are?" - 本人役(第10シリーズ第1話)
- 『スターリング』 - モリー(第2シリーズ、2013年)
- 『カミング・アップ』 : Sink Or Swim - シンシア(2013年)
- 『バーナビー警部』 - 第17シリーズ第1話 The Dagger Club - オードリー・ブレイルズフォード(2015年)[注 6]
- "The Big Painting Challenge"(第1シリーズ) - リチャード・ベーコンと共同司会(2015年)
- 『コール・ザ・ミッドワイフ』(2015年3月)
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b Duffy, Elle (2021年8月12日). “Una Stubbs dead: Sherlock actress dies in Edinburgh”. Herald Scotland. 2021年8月13日閲覧。
- ^ omazeのツイート(994625212317499392) - 『SHERLOCK』の共演者、ベネディクト・カンバーバッチによる発音、2018年5月11日閲覧。
- ^ “Nestlé archive shows the history of Rowntree's chocolate”. York Press (York). (30 September 2011) 3 January 2014閲覧. "Alex points out a photo of Una Stubbs, who was used as the cover girl for Dairy Box."
- ^ Who Do You Think You Are?, "Una Stubbs", Director Mary Cranitch, Producer Colette Flight, BBC, 2013, approx 26 minutes
- ^ http://www.thegenealogist.co.uk/treeview/tree_view.php?&&tree_id=22078
- ^ Vicki Power (2013年8月2日). “Una Stubbs: My family values”. The Guardian. 2016年4月9日閲覧。
- ^ “Stubbs to join ex-husband in soap”. BBCニュース. (2006年5月23日) 2016年4月9日閲覧。
- ^ Stubbs at Panter & Hall gallery
- ^ Margy Rochlin (2012年5月7日). “Q & A With Una Stubbs: The Joy of Victoria Sponges + Getting Sherlock Holmes to Eat”. LA WEEKLY. 2016年4月9日閲覧。
- ^ “あなたの知らないドラマ「SHERLOCK/シャーロック」の秘密24”. ELLE. p. 8 (2017年1月19日). 2017年2月18日閲覧。
- ^ "Una Stubbs". Who Do You Think You Are?. 第10シリーズ. Episode 1. 24 July 2013. BBC. 2013年7月24日閲覧。
- ^ “Una Stubbs: Till Death Us Do Part and Sherlock actress dies aged 84” (英語). BBC News. (2021年8月12日) 2021年8月12日閲覧。
- ^ “ブライズメイドとは”. 26 October 2015閲覧。