ウマイタ (砲艦)
ウマイタ (Humaitá) はパラグアイ海軍の砲艦[1]。パラグアイ級[2]。
ウマイタ | |
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進水後間もない頃の「ウマイタ」 | |
基本情報 | |
運用者 | パラグアイ海軍 |
艦種 | 砲艦 |
級名 | パラグアイ級砲艦 |
艦歴 | |
起工 | 1929年4月21日 |
進水 | 1930年4月16日 |
就役 | 1931年5月13日 |
要目 | |
常備排水量 | 745トン[3] |
満載排水量 | 835トン[3] |
全長 | 71.20メートル[3] |
垂線間長 | 70.15メートル[3] |
最大幅 | 10.50メートル[3] |
推進 | パーソンズ式ギアード・タービン4基、ソーニクロフト・シュルツ式水管缶2基(ヤーロー式ボイラーに換装)、2軸[3] |
速力 | 17 ノット[3] |
兵装 | オデロ・テルニ50口径120mm砲連装2基、オデロ・テルニ50口径76mm両用砲単装3基、オデロ・テルニ39口径40mm対空砲単装2基、機雷6個、1932年から1933年に重機関銃6挺追加[3] |
装甲 | 装甲帯(艦中央部)15mm、司令塔20mm[3] |
艦歴
[編集]1929年4月21日、ジェノバ、Sestri Ponenteのオデロ社で起工[4]。1930年4月16日進水[4]。当初の艦名は「Capitán Cabral」であったが、1930年7月30日に「ウマイタ」に改名された[4]。1931年2月14日にジェノバを離れて5月5日にアスンシオンに到着し、5月13日に就役した[4]。
1932年からのチャコ戦争では輸送任務に従事[4]。1932年12月22日、「ウマイタ」はPuerto Leda付近でボリビア軍機2機[5]の攻撃を受けたが被害はなかった[4]。
1947年、反乱が発生。ブエノス・アイレスで修理中であった「ウマイタ」と「パラグアイ」でも5月7日に反乱が発生し、両艦はパラグアイへ向かった[6]。7月11日、Cerrito島沖で「ウマイタ」は爆撃を受けて被弾[7]。その後も「パラグアイ」と座礁した「ウマイタ」は航空攻撃を受け、またCerrito島に配置された大砲も「ウマイタ」を攻撃した[7]。反乱者の一部は上陸して陣地を作ったが、襲撃を受けて捕えられた[7]。「ウマイタ」が離礁に成功すると2隻は8月13日にパラグアイ川への水路の突破を図ったが、陸上からの砲撃を受けて退き、8月15日にItá Ibatéで抑留された[8]。
1974年、76mm砲1基がボフォース 60口径40mm機関砲連装1基に、40mm砲がエリコン 20 mm 機関砲単装2基にそれぞれ換装された[9]。
1989年2月のクーデターでは「ウマイタ」は政府宮殿や議事堂などを砲撃した[10]。
2000年9月6日、「ウマイタ」は博物館船となった[10]。
脚注
[編集]- ^ "The Paraguayan Navy: Past and Present Part IV", p. 51
- ^ Conway's All the World's Fighting Ships 1922-1946, Conway Maritime Press, 1980, ISBN 0-85177-146-7, p. 418
- ^ a b c d e f g h i "The Paraguayan Navy: Past and Present Part IV", pp. 51-52
- ^ a b c d e f "The Paraguayan Navy: Past and Present Part IV", p. 54
- ^ 機種について、"The Paraguayan Navy: Past and Present Part IV", p. 54ではCurtiss OspreyとHawkで「タクアリ」を攻撃したものの生き残りとあるが、同記事p. 50では「タクアリ」を攻撃したのは2機のビッカース149型ヴェスパIIIと1機のVickers Type 143 Bolivian Scoutとなっている。また、Antonio Sapienza, The Chaco Air War 1932-35: The First Modern Air War in Latin America, Helion & Company, 2018, pp. 32-33では、この日の攻撃はヴェスパ3機によるものとなっている。
- ^ "The Paraguayan Navy: Past and Present: PART III", p. 191, "The Paraguayan Navy: Past and Present Part IV", p. 54
- ^ a b c "The Paraguayan Navy: Past and Present: PART III", p. 192
- ^ "The Paraguayan Navy: Past and Present: PART III", p. 192, "The Paraguayan Navy: Past and Present Part IV", p. 54
- ^ "The Paraguayan Navy: Past and Present Part IV", p. 52, 55
- ^ a b "The Paraguayan Navy: Past and Present Part IV", p. 55
参考文献
[編集]- Hartmut Ehlers, "The Paraguayan Navy: Past and Present: PART III", Warship International, 2007, Vol. 44, No. 2 (2007), pp. 183-214
- Hartmut Ehlers, "The Paraguayan Navy: Past and Present Part IV", Warship International, 2009, Vol. 46, No. 1 (2009), pp. 46-82