ウチワエビモドキ
ウチワエビモドキ | ||||||||||||||||||||||||
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保全状況評価[1] | ||||||||||||||||||||||||
LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) | ||||||||||||||||||||||||
分類(De Grave et al. (2009)[2]) | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Thenus orientalis Lund(1793) | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
Bay lobster[5] Flathead Lobster(FAO公式)[6] ほか多数[6][7] |
ウチワエビモドキ(団扇海老擬 Thenus orientalis)は、セミエビ科に分類されるエビの一種。インド太平洋の熱帯域に分布し[6][7][8]、混獲されたものが食用に供される[6]。
特徴
[編集]成体の体長は15cmほど。背中の正中線がわずかに隆起するものの、体は上から押しつぶされたように平たい。体の幅は前方ほど広く、後ろに行くほど狭くなる。他のセミエビ科のエビ類は複眼が背中側にあるが、ウチワエビモドキの複眼は甲の外縁につくので区別がつく。
背面は全て顆粒状突起に覆われ、甲のくぼみ部分には短毛も密生する。頭胸甲の正中線上に3つの突起、第2触角の縁には鋸状の歯があるが、頭胸甲の縁は複眼の後ろに小さな棘が2つあるのみで、ウチワエビやゾウリエビほど棘だらけではない。
インド太平洋に広く分布し、日本の南西諸島からフィリピン・ベトナム・インドネシア・タイランド湾・紅海南部で確認されている。水深8-100mの砂泥底に生息するが、一般には10-50mで見られる。オーストラリア東岸の個体群は、現在では別種のThenus parindicus とThenus australiensis とされている[1]。和名はウチワエビと同様に砂泥底に生息し、姿も似ることに由来するが、ウチワエビより熱帯性が強い。沖縄ではスナワラグチャと呼ぶ[9]。英語での地方名の一つ "Moreton Bay bug"[6][7] は、オーストラリア・クイーンズランド州のモートン湾に由来する。
近縁種
[編集]ウチワエビモドキ亜科 Theninae はウチワエビモドキ属 Thenus のみからなる単型科で、5種が属するとされる[4]。
- T. australiensis Burton & Davie, 2007
- T. indicus Leach, 1816
- T. orientalis (Lund, 1793) - ウチワエビモドキ
- T. parindicus Burton & Davie, 2007
- T. unimaculatus Burton & Davie, 2007
利用
[編集]大量に漁獲できるものではないが[6]、地域によっては食用に供され[6]、さまざまな料理に用いられる。肉は美味[9]。
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ウチワエビモドキの身
脚注
[編集]- ^ a b Chan, T.Y., Butler, M., Cockcroft, A., MacDiarmid, A., Wahle, R. & Ng Kee Lin, P. (2013). "Thenus orientalis". IUCN Red List of Threatened Species. Version 2014.3. International Union for Conservation of Nature.
- ^ a b c Ge Grave et al. (2009)
- ^ Chan, T. (2010年). “Theninae”. World Register of Marine Species. 2011年6月18日閲覧。
- ^ a b Chan, T. (2011年). “Thenus Leach, 1816”. World Register of Marine Species. 2011年6月18日閲覧。
- ^ AFD (2010)
- ^ a b c d e f g Holthius (1991)
- ^ a b c Chan (2010) WoRMS
- ^ 陳天任 台灣物種名錄
- ^ a b 琉球新報社 (2003年3月1日). “ウチワエビモドキ”. 沖縄コンパクト事典. 2011年6月18日閲覧。
参考文献
[編集]- Chan, T. (2014). "Thenus orientalis (Lund, 1793)". World Register of Marine Species. 2015年1月30日閲覧。
- Holthuis, L. B. (1991). Marine Lobsters of the World: An annotated and illustrated catalogue of marine lobsters known to date. FAO Species Catalogue 13. Rome: Food and Agriculture Organization of the United Nations. pp. pp. 227-228. ISBN 92-5-103027-8
- Australian Biological Resources Study, Canberra (Thursday, 3 June 2010 12:07:07 PM EST). “Species Thenus orientalis (Lund, 1793)”. Australian Faunal Directory. 2011年6月18日閲覧。
- De Grave, S., Pentcheff, N.D., Ahyong, S.T. et al. (2009). “A classification of living and fossil genera of decapod crustaceans”. Raffles Bulletin of Zoology Suppl. 21: 1–109 .
- 陳天任. “Thenus orientalis Lund, 1793 東方扁蝦”. 台灣物種名錄 Catalogue of Life in Taiwan. 2011年6月18日閲覧。
- 『詳細図鑑 さかなの見分け方』(新装版)講談社。ISBN 4-06-211280-9。
- 三宅貞祥『原色日本大型甲殻類図鑑』 I、保育社。ISBN 4-586-30062-0。
外部リンク
[編集]- “Thenus orientalis (Lund, 1793)”. Encyclopedia of Life. 2011年6月18日閲覧。
- “Tenus orientalis”. 台灣大型甲殼類資料庫. 2011年6月18日閲覧。