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ウェストン電池

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ウェストン電池
発明者のエドワード・ウェストン

ウェストン電池は実験室における電圧計較正基準として適した、安定度の高い電圧を生成する湿式化学電池。1893年にエドワード・ウェストン英語版により発明され、1911年から1990年まで起電力の国際標準として採用されていた。カドミウム標準電池と呼ばれることもある。

化学

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Woodcut line drawing of H-shaped cell in an enclosure with electrical terminals at the top.
エドワード・ウェストンの標準電池を描いた米国特許第494827号からの引用

負極には水銀を含むカドミウムアマルガム、正極には純水銀を用い、その上に減極剤硫酸水銀(I)及び水銀のペーストが置かれる。電解質硫酸カドミウムの飽和水溶液を用いる。

図に示されるように、ウェストン電池は一方の脚にカドミウムアマルガムを、もう一方の脚に純水銀を入れたH型のガラス容器である。カドミウムアマルガムと水銀への電気的な接続は、脚の下端部を介して白金線により行われる。

負極反応
正極反応

標準電池は電流がそこから出ないような方法で適応されなければならない。

特徴

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最初の設計は1.018638 V の基準を作る飽和カドミウム電池であり、それより以前に使用されていたクラーク電池よりも低い温度係数を持つ、すなわち温度変化に伴う起電力の変化が小さいという利点があった[1]°Ct40 °C の範囲において、温度 t における起電力 Et は次式

Et/V = E20/V − 0.0000406 (t/°C − 20) − 0.00000095 (t/°C − 20)2 + 0.00000001 (t/°C − 20)3

で表される。この温度の式は1908年のロンドン会議で採択された[2]

今日の主流型である不飽和の設計に変更すると、温度係数をさらに小さくすることができる。しかし、不飽和電池の出力は1年あたり80マイクロボルト減少するため、これは飽和電池に対する定期的な較正により補償される。

脚注

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  1. ^ Robert B. Northrop Introduction to instrumentation and measurements 2nd edCRC Press, 2005 ISBN 0-8493-3773-9 page 14
  2. ^ “Electric units and standards” (english). Circular of the National Bureau of Standards (Washington, D.C.: USA Government Printing Office) 1916 (58): 39. (25 September 1916). https://books.google.com/books?id=_EsbAAAAMAAJ&pg=RA2-PA39&lpg=RA2-PA39#v=onepage&q&f=false 12 July 2016閲覧。. 

参考文献

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外部リンク

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