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イービス藻類産業研究所

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
株式会社イービス藻類産業研究所
EBIS Algae Research Institute Inc.
種類 株式会社
本社所在地 日本の旗 日本
986-2527
宮城県石巻市十八成浜清崎山1-21
北緯38度18分8.3秒 東経141度29分59.4秒 / 北緯38.302306度 東経141.499833度 / 38.302306; 141.499833
設立 2018年6月20日
業種 食料品
法人番号 6010001192821 ウィキデータを編集
事業内容 微細藻類の培養・販売
代表者 寺井 良治 (代表取締役社長)
資本金 3億2000万円
外部リンク https://www.ebisalgae.com/
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株式会社イービス藻類産業研究所(イービスそうるいさんぎょうけんきゅうじょ)は、宮城県石巻市に本社を置く、微細藻類を培養・販売する企業。

概要

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植物プランクトンの一種「ナンノクロロプシス英語版」の培養と販売を行っている。2018年6月に破産したスメーブジャパン株式会社(石巻市、2009年設立)の事業を、イービストレード株式会社(東京都千代田区、水質改善装置販売)が引き継いだものである[1][2]。スメーブジャパンはイスラエルのシームビオテック社(Seambiotic)からライセンスを受け、ナンノクロロプシスの培養を行っていた[3]。同社が2013年に石巻市の市有地に開設した清崎モデルファームは現在、「イービス藻類産業研究所 石巻研究所」となっている。濾過した海水を使用して7つの培養プールで年間約3t(粉末換算)を培養している[4][5]。培養したナンノクロロプシスはペースト状にして養殖用稚魚のワムシの餌として主に販売されているほか[2][6]、粉末化してサプリメントなどにも加工されている[2]。2021年8月には七十七キャピタルなどから出資を受け食品向け事業を本格化させた[2]。食品のみならず、化粧品や医薬品への展開も検討している[2][4][7]

市場開拓のため給食として子供に食べてもらうことを計画し[1]、2023年6月、静岡県袋井市の小中学校や幼稚園に藻の粉末を衣に使用した「黒はんぺんの藻揚げ」約9000食を提供した[8]。11月にも、石巻市内の全小中学校に粉末入りの衣で笹かまぼこを揚げたメニューを提供した[9]。石巻市での給食提供は2024年11月までに計4回実施されている[10][注釈 1]

2024年には仙台市の阿部蒲鉾店ひょうたん揚げに藻を練り込んだ「杜のひょうたん揚げ」を共同で開発した[11][12]

沿革

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  • 2018年6月、東京都千代田区で設立。
  • 2018年8月、石巻研究所が開所[10]
  • 2019年9月、サプリメントを発売[10]
  • 2021年10月、宮城県石巻市(石巻研究所)に本社移転[10]

製品

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  • 稚魚用飼料
  • 食品・サプリメント添加用粉末
  • サプリメント
  • プロテイン[13]

採用商品

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  • 石鹸 - PROSPER「+Nanno」[10]
  • 緑茶ハイ - 活魚回転寿司 網元伊豆「ナンノ緑茶ハイ」[14]
  • ひょうたん揚げ - 阿部蒲鉾店「杜のひょうたん揚げ」

脚注

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注釈

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  1. ^ これまでに「笹かまと藻のパン粉焼き」「笹かまの藻マヨ風焼き」「藻のはっと汁」「笹かまのころ藻揚げ」が提供されている。

出典

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  1. ^ a b 株式会社イービス藻類産業研究所|EPAと蛋白質の宝庫・微細藻類ナンノクロロプシスは漁業、健康、環境を支えるスーパーヒーロー”. Spaceship Earth (2024年9月17日). 2025年1月4日閲覧。
  2. ^ a b c d e 「藻」を石巻の新資源に――イービス藻研が本社移転、高級魚の餌・健康食品、バイオ産業で地域振興 (東奔北走)」『日本経済新聞』2021年11月17日、2面。
  3. ^ 川島啓、中村研二、佐賀浩、佐藤清志「企業による復興事業事例②:石巻発!世界一の藻類バイオマス燃料技術を確立する」『年次大会講演要旨集』第29巻、研究・イノベーション学会、2014年10月、547-549頁。 
  4. ^ a b EPAが豊富なナンノクロロプシス イービス藻類産業研究所が石巻で培養・製品化」『仙台経済界 2022年1-2月号』2021年12月、18頁https://www.ebisalgae.com/wp/wp-content/uploads/%E9%9B%91%E8%AA%8C%E3%80%8C%E4%BB%99%E5%8F%B0%E7%B5%8C%E6%B8%88%E7%95%8C%E3%80%8D-%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%B9%E8%97%BB%E7%A0%94%E8%A8%98%E4%BA%8B-2022%E5%B9%B41-2%E6%9C%88%E5%8F%B7.pdf 
  5. ^ 微細藻類、おいしい給食に 石巻の研究所が培養 幼小中15施設で1065食、提供”. 河北新報オンライン (2024年6月20日). 2025年1月4日閲覧。
  6. ^ 長濱慎 (2023年3月15日). “三陸の海で「ミクロの藻」を培養、食糧危機に備える”. オルタナ. 2025年1月4日閲覧。
  7. ^ 次世代スーパーフードとして注目の「藻」、鯨のまちの新産業になるか”. 読売新聞オンライン (2024年4月18日). 2025年1月4日閲覧。
  8. ^ イービス藻類産業研究所、藻使った給食、袋井の小中などに」『日本経済新聞』2023年6月23日、6面。
  9. ^ 給食に栄養豊富な藻を イービス研究所、石巻市教委と協力 食糧危機考える機会に”. 河北新報オンライン (2023年11月14日). 2025年1月4日閲覧。
  10. ^ a b c d e NEWS”. イービス藻類産業研究所. 2025年1月4日閲覧。
  11. ^ 阿部蒲鉾店、名物の衣に藻使用」『日本経済新聞』2024年4月20日、2面。
  12. ^ "仙台っ子のソウルフード"が緑色に変身 その正体は「たんぱく質危機の時代に備える食材」”. tbc NEWS. tbc東北放送 (2024年4月25日). 2025年1月4日閲覧。
  13. ^ 栄養価が高く、生産時の環境負荷が小さい。藻のチカラを知っていますか?”. Tarzan (2023年4月20日). 2025年1月4日閲覧。
  14. ^ イービス藻類産業研究所、回転寿司とコラボ 藻の食用普及を提案”. 日本食糧新聞 (2023年3月24日). 2025年1月4日閲覧。

外部リンク

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