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インダスカワイルカ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
インダスカワイルカ
保全状況評価[1][2]
ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: 鯨偶蹄目 Cetartiodactyla
階級なし : クジラ類 Cetacea
階級なし : ハクジラ類 Odontoceti
: ガンジスカワイルカ科 Platanistoidae
: ガンジスカワイルカ属 Platanista
: インダスカワイルカ Platanista minor
学名
Platanista minor
Owen1853
和名
インダスカワイルカ[3]
インダスカワイルカの分布(青)とガンジスカワイルカの分布(橙)

インダスカワイルカ(学名:Platanista minor)は鯨偶蹄目カワイルカ科に属すハクジラ類の1種。

分類・進化史

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本種の頭骨。

長くガンジスカワイルカと同種として扱われてきたが、分子情報による分岐年代や頭骨の構造から、両者は別種とするほどの差異があることがわかった[4][5]

分布

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インダス川水系に分布する。河口から3,400kmまでの範囲にくまなく分布していたが、現在では人間活動の影響で、かつての5分の1の範囲に分布が狭まっている[6][7]

形態

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体長はメスが最大2.2m、雄が最大2.6m[7]。目はほとんど見えない。

生態

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ジャンプの様子

河川の最深部を好む[7]

魚類甲殻類を食べる[7]。細長い口吻を使って素早く捕らえる[7]

人間との関係

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パキスタンにおいてはインダスカワイルカは国獣に指定されている。

保護

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鯨類に普遍的な事例ではあるが、直接の捕獲だけでなく、混獲、船舶との衝突、ゴミの誤飲、環境汚染なども本種への脅威とされる[8]

脚注

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  1. ^ Braulik, G.T.; Khan, U.; Malik, M. & Aisha, H. (2022). "Platanista minor". IUCN Red List of Threatened Species. 2022: e.T41757A50383490. doi:10.2305/IUCN.UK.2022-1.RLTS.T41757A50383490.en. Retrieved 18 October 2022.
  2. ^ Appendices | CITES”. cites.org. 2023年10月4日閲覧。
  3. ^ 川田伸一郎他 「世界哺乳類標準和名目録」『哺乳類科学』第58巻 別冊、日本哺乳類学会、2018年、1 - 53頁。
  4. ^ Explore the Database”. www.mammaldiversity.org. 2023年10月4日閲覧。
  5. ^ Braulik, G. T.; Archer, F. I.; Khan, U.; Imran, M.; Sinha, R. K.; Jefferson, T. A.; Donovan, C.; Graves, J. A. (2021). “Taxonomic revision of the South Asian River dolphins (Platanista): Indus and Ganges River dolphins are separate species”. Marine Mammal Science 37 (3): 1022–1059. doi:10.1111/mms.12801. 
  6. ^ Braulik, G.T. (2006). “Status assessment of the Indus river dolphin, Platanista gangetica minor, March–April 2001”. Biological Conservation 129 (4): 579–590. doi:10.1016/j.biocon.2005.11.026. 
  7. ^ a b c d e INDUS RIVER DOLPHIN Whale and Dolphin Conservation.
  8. ^ Indus River dolphin: the survivor of River Beas, Punjab, India”. India Biodiversity Portal. 2023年12月19日閲覧。