コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

イソバニリン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
イソバニリン
識別情報
CAS登録番号 621-59-0 チェック
PubChem 12127
ChemSpider 11629 チェック
日化辞番号 J57.879G
EC番号 210-694-9
MeSH Isovanillin
ChEMBL CHEMBL275563 チェック
RTECS番号 CU6540000
バイルシュタイン 1073021
特性
化学式 C8H8O3
モル質量 152.15 g mol−1
精密質量 152.15152.047344122 g mol-1
外観 半透明結晶
融点

113-116 °C, 386-389 K, 235-241 °F

沸点

179 °C, 452 K, 354 °F (at 15 mmHg)

log POW 1.25
酸解離定数 pKa 9.248
危険性
EU分類 刺激性 Xi (有害)
Rフレーズ R36/37/38
Sフレーズ S26, S36/37
関連する物質
関連物質 アニスアルデヒドオイゲノールフェノールバニリン
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

イソバニリン(isovanillin)とは、3-ヒドロキシ-4-メトキシベンズアルデヒド(3-Hydroxy-4-methoxybenzaldehyde)のことである。

構造・化学的性質

[編集]
(参考)バニリンの構造。

イソバニリンはベンズアルデヒドの誘導体の1種であり、ベンズアルデヒドが持つベンゼン環の3位の炭素に結合した水素が水酸基に置換され、4位の炭素に結合した水素がメトキシ基に置換された構造をしている。したがって、イソバニリンの持つ水酸基は、フェノール性の水酸基である。また、慣用名に「イソ」と付くことからも判るように、イソバニリンは、バニリン構造異性体である[2]

生理活性・動態

[編集]

イソバニリンは、アルデヒドオキシダーゼに対して、選択的な阻害剤として作用する。なお、イソバニリンはアルデヒドデヒドロゲナーゼによって酸化され、イソバニリン酸ドイツ語版へと代謝される[3]

用途

[編集]

イソバニリンは、モルヒネ全合成において前駆体として用いられた[4][5]

出典

[編集]
  1. ^ Isovanillin”. The PubChem Project. National Center for Biotechnology Information. 2015年1月29日閲覧。
  2. ^ isovanillin - Compound Summary (CID 12127)”. 2011年10月20日閲覧。
  3. ^ Georgios Panoutsopoulos, Christine Beedham (2005). “Enzymatic Oxidation of Vanillin, Isovanillin and Protocatechuic Aldehyde with Freshly Prepared Guinea Pig Liver Slices”. Cell Physio. Biochem. 15: 89–98. PMID 15665519. http://content.karger.com/produktedb/produkte.asp?doi=83641. 
  4. ^ Uchida, Kenji; Yokoshima, Satoshi; Kan, Toshiyuki; and Fukuyama, Tohru (2006). “Total Synthesis of (±)-Morphine”. Org. Lett. 8 (23): 5311–5313. doi:10.1021/ol062112m. PMID 17078705. 
  5. ^ Uchida, Kenji; Yokoshima, Satoshi; Kan, Toshiyuki; and Fukuyama, Tohru (2009). “Total Synthesis of (±)-Morphine”. Heterocycles 77 (2): 1219-1234. doi:10.3987/COM-08-S(F)103.