イギリス総選挙
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(イギリス庶民院総選挙から転送)
イギリス総選挙(イギリスそうせんきょ、英語: United Kingdom general elections)は、イギリスの庶民院の議員を選ぶための総選挙である。
概要
[編集]古くから議会制民主主義を採用している先進国の総選挙として、イギリスの政治的影響力として注目されている。
普通選挙は男子には1918年から、女子には1928年から認められている。1715年7年法(Septennial Act 1911年議会法で第7章修正)によれば議員の任期は5年であり、2011年議会任期固定法の制定までは、イギリスの慣習法からなる不文憲法に基づく、国王大権により、首相の助言で女王が議会解散を宣言することができた。
2011年議会任期固定法制定以前における近年において、解散の実質的な決定権は首相にあり、戦後は任期4年程度を目安に選挙が行われることが多かった。2011年7月に議会任期固定法が成立して以降、2022年に廃止されるまでは、(1)任期満了前25平日前の自動解散、(2)庶民院の3分の2以上による繰上げ選挙の議決、(3)不信任案議会の議決後、14日以内に何らかの信任案が可決されない場合、の3通りに庶民院の解散が制限され、解散に対する国王大権、実質的には首相の解散権が廃止された。
なお、2019年には特例法を制定することで、議会任期固定法の制限にとらわれず解散を行った。2022年議会解散・召集法により議会任期固定法が廃止され、解散制度は旧に復している。
総選挙実施の公示も国王の名で行われる。
庶民院総選挙の一覧
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年 | 投票日 | 実施内閣 | 選出内閣 | 定数 | 投票率 | 選挙結果 | 君主 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1945 | 1945年7月5日 | 第1次チャーチル内閣 | 第1次アトリー内閣 | 640 | 74.8% | 労働党393・保守党197・自由党12・自由党国民政府派11・諸派27 | ジョージ6世 |
1950 | 1950年2月23日 | 第1次アトリー内閣 | 第2次アトリー内閣 | 625 | 83.9% | 労働党315・保守党282・自由党国民政府派16・自由党9・諸派3 | |
1951 | 1951年10月25日 | 第2次アトリー内閣 | 第2次チャーチル内閣 | 625 | 82.6% | 保守党302・労働党295・自由党国民政府派19・自由党6・諸派3 | |
1955 | 1955年5月26日 | イーデン内閣 | イーデン内閣 | 630 | 76.8% | 保守党345・労働党277・自由党6・諸派2 | エリザベス2世 |
1959 | 1959年10月8日 | 第1次マクミラン内閣 | 第2次マクミラン内閣 | 630 | 78.7% | 保守党365・労働党258・自由党6・諸派1 | |
1964 | 1964年10月15日 | ヒューム内閣 | 第1次ウィルソン内閣 | 630 | 77.1% | 労働党317・保守党304・自由党9 | |
1966 | 1966年3月31日 | 第1次ウィルソン内閣 | 第2次ウィルソン内閣 | 630 | 75.8% | 労働党364・保守党253・自由党12・諸派1 | |
1970 | 1970年6月18日 | 第2次ウィルソン内閣 | ヒース内閣 | 630 | 72.0% | 保守党330・労働党288・自由党6・諸派6 | |
1974.2 | 1974年2月10日 | ヒース内閣 | 第3次ウィルソン内閣 | 630 | 78.8% | 労働党301・保守党297・自由党14・諸派22 | |
1974.10 | 1974年10月10日 | 第3次ウィルソン内閣 | 第4次ウィルソン内閣 | 635 | 72.8% | 労働党319・保守党277・自由党13・諸派26 | |
1979 | 1979年5月3日 | キャラハン内閣 | 第1次サッチャー内閣 | 635 | 76.0% | 保守党339・労働党269・自由党11・諸派16 | |
1983 | 1983年6月9日 | 第1次サッチャー内閣 | 第2次サッチャー内閣 | 650 | 72.7% | 保守党397・労働党209・“自由党/社民党”同盟23・諸派21 | |
1987 | 1987年6月11日 | 第2次サッチャー内閣 | 第3次サッチャー内閣 | 650 | 75.3% | 保守党375・労働党229・“自由党/社民党”同盟22・諸派24 | |
1992 | 1992年4月9日 | 第1次メージャー内閣 | 第2次メージャー内閣 | 651 | 77.7% | 保守党336・労働党271・自由民主党20・諸派24 | |
1997 | 1997年5月1日 | 第2次メージャー内閣 | 第1次ブレア内閣 | 659 | 71.4% | 労働党418・保守党165・自由民主党46・諸派30 | |
2001 | 2001年6月7日 | 第1次ブレア内閣 | 第2次ブレア内閣 | 659 | 59.4% | 労働党413・保守党166・自由民主党52・諸派30 | |
2005 | 2005年5月5日 | 第2次ブレア内閣 | 第3次ブレア内閣 | 646 | 61.4% | 労働党356・保守党198・自由民主党62・諸派23 | |
2010 | 2010年5月6日 | ブラウン内閣 | 第1次キャメロン内閣 | 650 | 65.1% | 保守党307・労働党258・自由民主党57・諸派28 | |
2015 | 2015年5月7日 | 第1次キャメロン内閣 | 第2次キャメロン内閣 | 650 | 66.1% | 保守党331・労働党232・スコットランド国民党56・自由民主党8・民主統一党8・諸派15 | |
2017 | 2017年6月8日 | 第1次メイ内閣 | 第2次メイ内閣 | 650 | 68.8% | 保守党318・労働党262・スコットランド国民党35・自由民主党12・民主統一党10・諸派13 | |
2019 | 2019年12月12日 | 第1次ジョンソン内閣 | 第2次ジョンソン内閣 | 650 | 67.3% | 保守党365・労働党203・スコットランド国民党48・自由民主党11・民主統一党8・諸派15 | |
2024 | 2024年7月4日 | スナク内閣 | スターマー内閣 | 650 | 労働党412・保守党121・自由民主党72・スコットランド国民党9・リフォームUK4・諸派6 | チャールズ3世 |
- 太字:総選挙後に与党となった政党。
- 斜字:閣外協力。
参考資料
[編集]- 2005年英国議会下院・統一地方選挙-自治体国際化協会クレアレポート(表紙~概要PDFファイル、第1章~参考文献一覧PDFファイル)。2005年5月に行われた下院総選挙と地方選挙の詳細なレポートである。
- UK elections-英国下院ライブラリー
- General Election Results 1885-1979(1885年から1979年までの下院選挙の結果が掲載されている)。