イエローテイル (ワイン)
イエローテイル(Yellow Tail)は、カセラが製造するオーストラリアワインのブランドである。正式には[ yellow tail ]と表記される[1]。カセラは、ニューサウスウェールズ州イェンダに所在し、イエローテイルもそこで作られる。
歴史
[編集]1957年、Filippo Casellaと妻のMariaを中心としたカセラ家は、シチリアからオーストラリアに移住した[2][3]。
イエローテイルは、それまで他のワイナリーにバルクワインを供給していたカセラ家のワイナリーが瓶詰めワイン市場に参入するために開発された[3]。イエローテイルのブランドは、もともと輸出向けに2000年に開発された。2011年には、アメリカ合衆国で最多の輸入ワインとなった[3][4]。
商品名は、シマオイワワラビー(Yellow-footed rock-wallaby)に由来する。
ブドウ園
[編集]ニューサウスウェールズ州のリバリーナやグリフィスに所在する広さ約540エーカー(220ヘクタール)[5]のブドウ園で、全ワインの約3%を生産している。
ワイン
[編集]イエローテイル用のブドウの約1/3がリバリーナで収穫され、残りはオーストラリア南東部の別のブドウ園で収穫される。スパークリングワインやブレンドワイン、ロゼワインの他に、マスカット、リースリング、セミヨン、ソーヴィニヨン・ブラン、ピノ・グリ、シャルドネ、ピノ・ノワール、メルロー、グルナッシュ、シラーズ、カベルネ・ソーヴィニヨン等の様々な品種のブドウからイエローテイルが作られている。各々のワインは異なるラベル色を持ち、例えば、メルローのラベルは橙色、シラーズのラベルは黄色である[6]。
国際的な売上げ
[編集]2000年、カセラスは、アメリカ合衆国でイエローテイルを流通させるため、一族のワイン販売会社であるW.J. Deutsch & Sonsに加わった。2001年には20万ケースの売上げだったが、翌年には220万ケースの売上げに飛躍した[7]。2005年には、イエローテイルの売上げは、アメリカ合衆国におけるフランス産の全ワインの売上げを超えた[8]。
イギリスでも成功を収め、2000年には、歴史上初めて、オーストラリアからのワインの輸入がフランスからの輸入を上回った。
詐欺
[編集]2021年、バイヤーからのクレームを受け、イングランドのバーミンガム周辺のいくつかの地元店舗で、イエローテイルの偽物が販売されていることが判明した[9]。
出典
[編集]- ^ “[ yellow tail ]”. 2008年10月26日閲覧。
- ^ “[yellow tail wines – US – Great Australian wine]” (英語). Yellow Tail wines US website. 2019年7月28日閲覧。
- ^ a b c “Casella Family Brands – Our History”. www.casellafamilybrands.com. 2019年7月28日閲覧。
- ^ “America's Top Imported Wines Over the Last 30 Years (Chart)” (英語). VinePair (2019年2月11日). 2019年7月28日閲覧。
- ^ “Who's Behind the Roo”. Yellowtail. 2024年12月15日閲覧。
- ^ “Yellow Tail gets colourful”. (8 October 2013)
- ^ Teeter, words: Adam (2015年3月10日). “The Yellow Tail Story: How Two Families Turned Australia Into America's Biggest Wine Brand” (英語). VinePair. 2019年7月28日閲覧。
- ^ Veseth, Mike (26 February 2008). “[Yellow Tail Tales]”. The Wine Economist. 2024年12月15日閲覧。
- ^ Cumming, Ed (27 February 2022). “Wine crime is soaring but a new generation of tech savvy detectives is on the case”. The Observer
- Bieler, Kristen Wolf, Wisconsin Beverage Guide (March, 2006). "Behind the [Yellow Tail] phenomenon: How it happened and what's next?"[リンク切れ]
- Kim, Chan W.; Mauborgne, Renee, Harvard Business School Press (2005). "Blue Ocean Strategy: How to Create Uncontested Market Space and Make the Competition Irrelevant", Boston Massachusetts, 28, 189, pp. 31–32