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アート・テイタム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アート・テイタム
Art Tatum
アート・テイタム(1947年)
基本情報
出生名 Arthur Tatum Jr.
生誕 (1909-10-13) 1909年10月13日
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 オハイオ州トレド
死没 (1956-11-05) 1956年11月5日(47歳没)
ジャンル ジャズ
担当楽器 ピアノ
活動期間 1920年代中期 - 1956年
レーベル ブランスウィック・レコード
デッカ・レコード
キャピトル・レコード
クレフ・レコード
ヴァーヴ・レコード

アート・テイタムArt Tatum1909年10月13日 - 1956年11月5日)は、アメリカ合衆国ジャズピアニスト視覚障害者でありながら超絶技巧を誇り、様々なジャンルのピアニストに影響を与えた。

来歴

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オハイオ州トレド出身。先天的な白内障のため、左目は全盲で、右目もわずかな視力しかなかった。幼い頃から様々な楽器を習い、1920年代後半にはプロのピアニストとして活動を開始する。1929年にはラジオ局のハウス・ピアニストとなり、徐々にその名を浸透させていった。

1932年、アデレイド・ホールという歌手の伴奏ピアニストとしてニューヨークに移る。1933年にはピアノ独奏で4曲を録音、この時の演奏は現在では『An Art Tatum Concert』の再発CDに追加収録されている。その後デッカ・レコードとの契約を得て、多くの演奏を残した。

キャリア初期はピアノ独奏が中心だったが、1940年代にはピアノ、ギターベースという編成での演奏も多くなる。晩年はベースとドラムを従えた編成でも活動。1956年8月には、ハリウッド・ボウルで1万6千人以上の観客の前で演奏し、9月にはサックス奏者のベン・ウェブスターと共演。同年11月5日、尿毒症のためロサンゼルスで死亡。

評価

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テイタムのテクニックは、ジャズ・ピアノの可能性を著しく広げ、多くのミュージシャンに尊敬された。

ウラディミール・ホロヴィッツは、ある晩たまたま、テイタムの出演していたむさくるしいナイトクラブにやってきた。テイタムの演奏テクニックに驚いた彼は、次の日、義父で指揮者アルトゥーロ・トスカニーニを連れてきたが、トスカニーニもテイタムの演奏に仰天した。テイタムのクラブにはホロヴィッツやトスカニーニのほか、ヴァルター・ギーゼキング等もやってきた。

ファッツ・ウォーラーは、テイタムを「神」と呼び、カウント・ベイシーは「世界の8番目の不思議」と賞賛した。

ステファン・グラッペリは、テイタムの初期のレコードを聴いて、「2人のピアニストの連弾だと思った」と語った。

オスカー・ピーターソンはテイタムからの影響をしばしば公言している。幼い頃に初めてテイタムのレコードを聴いた時、ショックのあまりピアノに近寄れなくなったという。

チャーリー・パーカーはカンザスの田舎から出てきたばかりの若いころ、テイタムのいたクラブの厨房で皿洗いをしていた。テイタムの演奏が始まると、彼は厨房の入り口に行き、じっと演奏を聴いていた。

この節の出典

  • 『ピアノ・スターツ・ヒア』国内盤CDライナーノーツ(佐藤秀樹)
  • 『クラシック・アーリー・ソロ 1934-1937』国内盤CDライナーノーツ(大和明)
  • 音楽CD検定公式ガイドブック上巻 p.162(レコード検定評議会・編、音楽出版社、ISBN 978-4-86171-029-2

ディスコグラフィ

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リーダー・アルバム

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  • Piano Impressions (1945年、ARA/Boris Morros Music Company)
  • Piano Solos (1945年、Asch)
  • Gene Norman Presents an Art Tatum Concert (1952年、Columbia) ※1949年録音[1][2]
  • Art Tatum (1950年、Capitol)
  • Footnotes to Jazz, Vol. 2: Jazz Rehearsal, II (1952年、Folkways)
  • The Genius of Art Tatum (1954年、Clef)
  • Makin' Whoopee (1954年、Verve)
  • The Greatest Piano Hits of Them All (1954年、Verve)
  • More of the Greatest Piano Hits of All Time, (1955年、Verve)
  • Still More of the Greatest Piano Hits of Them All (1955年、Verve)
  • Tatum - Carter - Bellson (1955年、Clef)
  • 『ザ・テイタム〜ハンプトン〜リッチ・トリオ』 - The Lionel Hampton Art Tatum Buddy Rich Trio (1956年、Clef)
  • 『ジ・アート・テイタム・トリオ』 - Presenting the Art Tatum Trio (1956年、Verve)
  • 『アート・テイタム〜ベン・ウェブスター・カルテット』 - The Art Tatum - Ben Webster Quartet (1956年、Verve)
  • 『アート・テイタム、バディ・デフランコ・クヮルテット』 - The Art Tatum - Buddy DeFranco Quartet (1956年、Verve)

没後のリリース

  • 『ジ・アート・オブ・テイタム』 - The Art Of Tatum (1958年、Decca)
  • 『アート・テイタムの芸術』 - Art Tatum Discoveries (1960年、20th Fox)
  • 『ピアノ・スターツ・ヒア』 - Piano Starts Here (1968年、Columbia)
  • Capitol Jazz Classics – Volume 3 Solo Piano (1972年、Capitol)
  • God Is in the House (1973年、Onyx)
  • Genius of Keyboard (1988年、Giants of Jazz)
  • The Complete Capitol Recordings, Vol. 1 (1989年、Capitol)
  • The Complete Capitol Recordings, Vol. 2 (1989年、Capitol)
  • The Tatum Group Masterpieces, Vol. 6 (1990年、Pablo)
  • The Tatum Group Masterpieces, Vol. 7 (1990年、Pablo)
  • The Tatum Group Masterpieces, Vol. 4 (1990年、Pablo)
  • The Tatum Group Masterpieces, Vol. 2 (1990年、Pablo)
  • The Tatum Group Masterpieces, Vol. 3 (1990年、Pablo)
  • The Tatum Group Masterpieces, Vol. 1 (1990年、Pablo)
  • The Complete Pablo Group Masterpieces (1990年、Pablo)
  • The Complete Pablo Solo Masterpieces (1991年、Pablo)
  • Standards (1992年、Black Lion)
  • 『ザ・V・ディスクス』 - The V-Discs (1992年、Black Lion)
  • The Art Tatum Solo Masterpieces, Vol. 1 (1992年、Pablo)
  • The Art Tatum Solo Masterpieces, Vol. 2 (1992年、Pablo)
  • The Art Tatum Solo Masterpieces, Vol. 3 (1992年、Pablo)
  • The Art Tatum Solo Masterpieces, Vol. 4 (1992年、Pablo)
  • The Art Tatum Solo Masterpieces, Vol. 5 (1992年、Pablo)
  • The Art Tatum Solo Masterpieces, Vol. 6 (1992年、Pablo)
  • The Art Tatum Solo Masterpieces, Vol. 7 (1992年、Pablo)
  • The Art Tatum Solo Masterpieces, Vol. 8 (1992年、Pablo)
  • Complete Capitol Recordings (1997年、Blue Note)

脚注

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  1. ^ “Tatum and Goodman”. St. Louis Post-Dispatch. (May 29, 1952) 
  2. ^ England, Jim (May 25, 1952). “Toscanini Sings on Wax”. The Salt Lake Tribune 

外部リンク

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