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アーケオプテリクス (航空機)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

アーケオプテリクス
(Archaeopteryx)

フットランチによる発航中のArchaeopteryx Race

フットランチによる発航中のArchaeopteryx Race

アーケオプテリクス(Archaeopteryx)はスイスで開発されたポッド&ブーム形態の高翼単座マイクロリフト・グライダーである。Roger Ruppertにより設計されRuppert Composite GmbHにより製造されている。[3][4][5] 本機は羽の生えた恐竜であるアーケオプテリクス(いわゆる始祖鳥)にちなんで名付けられた。

設計及び開発

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アーケオプテリクスは軽量、良好な失速特性且つ低い失速速度、良好な運動性、良好な高速性能を設計目標としたフットランチ可能なマイクロリフト・グライダーとして考案された。さらなる目標として無風状態でフットランチ可能なグライダーとすることが掲げられた。[3]

アーケオプテリクスの設計はチューリッヒ応用科学大学(Zurich University of Applied Sciences英語版 (ZHAW))で研究プロジェクトとして1998年に開始された。最初のプロトタイプ機の初飛行は2001年9月だった。初期に得られた知見に基づいて改修が行われ、2002年5月に再度飛行を行った。2003年3月に新形状となり、再飛行したプロトタイプで試験飛行と改修が重ねられた。製品版のプロトタイプ設計は2006年に開始され、2009年に完了した。量産第1シリーズの製造は2009年夏に開始され、顧客への納入は2010年に開始された。2012年夏時点で10機がオーストラリア、アルゼンチン、ドイツ、フランス、オーストリア、スイスの顧客に納入されている。[1][4][6]

アーケオプテリクス スタンダード, Mollis, 2011年6月
飛行中のアーケオプテリクス内からの景観
電気モーター付きアーケオプテリクス
アーケオプテリクスのモーターとプロペラ部拡大

製造メーカーは自力発航能力を提供するために2基のモーターを搭載したプロトタイプを開発中である。[7]

操縦系統は、エルロンエレベーター(昇降舵)を操作する操縦桿とラダーペダルを持つ従来型である。本機はグライドパスの操作用に45~70°にセットするとエアブレーキとして機能するフラップを使用する。また面積62 m2緊急着陸用パラシュートを備えている。本機は1人で15分で飛行準備が可能である。本機では搭乗者の足による発航(フットランチ)、飛行機曳航ゴム索発航自動車曳航およびウインチ曳航、並びに機体に取り付けられた車輪または搭乗者の足による着陸が実施されたことがある。[8][9][10][11]

本機は165~195cm、55~100kgのパイロットに対応している。[12]

電動推進装置は2014年中頃に導入され、これによって自力発航が可能となった。少数が販売され、いくつかはそれ以前に販売された機体に取り付けられた。離陸距離は50 m、上昇率は完全に充電された状態で2.5 m/sである。1回の充電で11分間の全力運転が可能である。電気モーターは10.5 kW、3800 rpmで使用され、プロペラは速度75 km/hで370 Nを発生させる。バッテリーには容量2.07 kWh、最大電圧58.8 V、最大電流200 Aの14s1pリチウムポリマーバッテリー(Kokam)が使用されている。[13]

派生型

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アーケオプテリクス スタンダード(Archaeopteryx Standard)
コクピットフェアリング無しの標準型[14]
アーケオプテリクス パフォーマンス(Archaeopteryx Performance)
コクピットフェアリング付き標準型;生産終了[14][15]
アーケオプテリクス レース(Archaeopteryx Race)
コクピットフェアリング・風防付き標準型[14]
アーケオプテリクス エレクトロ(Archaeopteryx Electro)
電動推進装置付きのアーケオプテリクス レース[16]

性能諸元 (アーケオプテリクス スタンダード)

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出典: Sailplane Directory, company website and flight manual[3][12][13]

諸元

  • 乗員: 1
  • 全長: 5.7 m (18.8 ft)
  • 全高: 2.9 m (9.6 ft)
  • 翼幅: 13.6 m(44.6 ft)
  • 翼面積: 12.8 m2 (138 ft2
  • 空虚重量: 54 kg (119 lb)
  • 運用時重量: 160 kg (353 lb)
  • 最大離陸重量: 191 kg (421 lb)

性能

  • 制限荷重倍数: +4.0 / -2.0 (130 km/h)/ +5.1 / -3.1 (100 km/h)
  • 滑空比: 28:1
  • 沈下率: 0.5 m/s (98 ft/min)
お知らせ。 使用されている単位の解説はウィキプロジェクト 航空/物理単位をご覧ください。

関連項目

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参考文献

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  1. ^ a b Ruppert Composite GmbH (August 2012). “plane locations”. 1 July 2016閲覧。
  2. ^ Models/Prices”. Ruppert Composite GmbH. 6 December 2018閲覧。
  3. ^ a b c Activate Media (2006年). “Archaeopteryx Ruppert Composite GmbH”. 2 September 2012時点のオリジナルよりアーカイブ。25 August 2011閲覧。
  4. ^ a b Ruppert Composite GmbH (August 2011). “Development Steps”. 6 October 2009時点のオリジナルよりアーカイブ。25 August 2011閲覧。
  5. ^ Bertrand, Noel; Rene Coulon; et al: World Directory of Leisure Aviation 2003-04, page 42. Pagefast Ltd, Lancaster OK, 2003. ISSN 1368-485X
  6. ^ Development history Archaeopteryx”. Ruppert-composite.ch. 25 August 2012閲覧。
  7. ^ Ruppert Composite GmbH (August 2012). “Archaeopteryx prototype electric flight”. 24 August 2012閲覧。
  8. ^ Ruppert Composite GmbH (August 2011). “Control Systems”. 6 October 2009時点のオリジナルよりアーカイブ。25 August 2011閲覧。
  9. ^ Ruppert Composite GmbH (August 2011). “Safety”. 2 February 2010時点のオリジナルよりアーカイブ。25 August 2011閲覧。
  10. ^ Ruppert Composite GmbH (August 2011). “Rigging”. 6 October 2009時点のオリジナルよりアーカイブ。25 August 2011閲覧。
  11. ^ Ruppert Composite GmbH (August 2011). “Take-off and landing”. 2 February 2010時点のオリジナルよりアーカイブ。25 August 2011閲覧。
  12. ^ a b Ruppert Composite GmbH (August 2011). “Data”. 4 February 2010時点のオリジナルよりアーカイブ。25 August 2011閲覧。
  13. ^ a b Flughandbuch für das Fluggerät Archaeopteryx; Version 2.2; 27 December 2016; Ruppert Composite GmbH
  14. ^ a b c Ruppert Composite GmbH (August 2011). “Versions”. 7 January 2010時点のオリジナルよりアーカイブ。25 August 2011閲覧。
  15. ^ Cockpit versions”. Ruppert-composite.ch. 25 August 2012閲覧。
  16. ^ Roger Ruppert. “The electric drive system is ready!”. ruppert-composite.ch. 1 April 2016時点のオリジナルよりアーカイブ。17 May 2015閲覧。
  17. ^ Instrumentation”. Ruppert-composite.ch. 25 August 2012閲覧。

外部リンク

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