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アンドリュー・ジェニングス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アンドリュー・ジェニングス
生誕 (1943-09-03) 1943年9月3日
スコットランドの旗 スコットランド[1]ファイフ州 カーコーディ英語版
死没 2022年1月8日(2022-01-08)(78歳没)
イングランドの旗 イングランドカンブリア州 カーライル
国籍 イギリスの旗 イギリス [2]
出身校 ハル大学
職業 新聞記者、作家
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アンドリュー・ジェニングス (英語: Andrew Jennings 1943年9月3日 - 2022年1月8日) は英国出身の調査報道ジャーナリストである。

IOCFIFAの汚職について調査し、記録した仕事でよく知られている。徹底した取材と生々しい描写でも知られていた[3]

来歴

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スコットランドで生まれ、子供の時にイングランドロンドンに移住した。レイトン・オリエントの前身クラブであるクラプトン・オリエントの所属選手の孫である[1]ハル大学で学び、1960年代後半に『サンデー・タイムズ』のインサイトチームで働いた[4]。それから、BBCラジオ4のCheckpointにて調査報道ジャーナリストになる以前に他の英国の新聞社で働いた。1986年に、BBCはスコットランド警察で起きた汚職に関する彼のドキュメンタリーを放送することを拒んだ。辞職後、最初の著書Scotland Yard's Cocaine Connectionを出し、その作品は『ワールドインアクション』で放送された[5]

2022年1月8日、病気のため急死[6]。78歳没。

『パノラマ』への出演

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最近の時事的な出来事を扱うドキュメンタリー番組である『パノラマ』にジェニングスが初めて登場した回は2006年の6月であった。FIFAの会長であるゼップ・ブラッターが保身のための獲得票購入や、CONCACAFの会長であるジャック・ワーナーへの収賄、スポーツマーケティング会社のISLの中枢とされる販売権を確保するために行われた100万の収賄を含むFIFAに関するいくつかの収賄の申し立てを調査し、その結果が放送された[7][8]。副題は、"The Beautiful Bung: Corruption and the World Cup"であった。続けて、以前にオリンピック出場経験のあるイギリス人のセバスティアン・コーとFIFA倫理委員会の関係性を調査した"FIFA and Coe"というタイトルのエピソードが2007年10月に放送された[9]

FIFA's Dirty Secrets

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最も名を博した番組は2010年11月29日初放送の"FIFA's Dirty Secrets"であった。2018年FIFAワールドカップのホスト国へ投票しようとするFIFAの重役らが汚職を行ったという主張について調査をする30分番組であった。サッカー組織の世界的な統括をするFIFAの汚職への申し立てを調べた。彼はブラジルサッカー連盟と2014年ワールドカップ組織委員会代表のリカルド・テイシェイラ南米サッカー連盟の代表であるパラグアイ人のニコラス・リオス、アフリカサッカー連盟の代表であるカメルーン出身のイッサ・ハヤトゥの全員がテレビマーケティング会社から賄賂を受け取ったと主張した[10][11][12]

FIFAの副代表であったハヤトゥは、計画に関する全ての告発を否定し、話題に挙げられた資金は、実際はアフリカサッカー連盟に支払われたと主張した。ハヤトゥは、ドキュメンタリーを制作したかどでBBCを告訴しようとした[13]

そのドキュメンタリーは、2018年FIFAワールドカップ2022年FIFAワールドカップの招致結果が発表されるわずか3日前に放送された。2018年FIFAワールドカップで、イングランドがホスト国になる機会を逸したと心配になる人や、BBCの非愛国主義的な面を訴える人もいたが、BBCは番組で行った主張を擁護した[11]ロシアが最終的に2018年FIFAワールドカップのホスト国になる権利を勝ち取り、2022年FIFAワールドカップカタールでの開催が決定的となった[14]。結果が出て、イングランドが敗北後、そのドキュメンタリーが大きな要因になったかどうかという疑問が生じた[15]。番組は視聴者から51の苦情を受けた[16]。2015年12月に、BBCの『パノラマ』のために『FIFAのセップ・ブラッターと私』という題で、FIFAへ調査の概要を送った[17]

著書

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  • Scotland Yard's Cocaine Connection 1989 ISBN 978-0-224-02521-8
  • The Lords of the Rings: Power, Money and Drugs in the Modern Olympics, 1992 ISBN 0-671-71122-9
  • The New Lords of the Rings, 1996 ISBN 0-671-85571-9
  • The Great Olympic Swindle, 2000 ISBN 978-0-684-86677-2
  • FOUL! The Secret World of FIFA: Bribes, Vote-Rigging and Ticket Scandals, 2006[18]
  • Omertà: Sepp Blatter's FIFA Organised Crime Family, 2014.[19]
  • The Dirty Game: Uncovering the Scandal at FIFA, 2015 ISBN 978-1780895420(『FIFA 腐敗の全内幕』木村博江訳、文藝春秋、2015[20]

受賞

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  • Gerlev Prize、1998(「スポーツにおける言論の自由と民主主義への貢献により」)[21]
  • Honorary Life Member of American Swimming Coaches Association、1996[21]
  • Olympic Advocates Together Honorablyによる第1回"Integrity in Journalism"賞、1999[21]
  • The Play the Game Award、2011(Jens Weinreichと共同受賞)
  • Royal Television Society Award、2000(チャンネル4でのオリンピックにおける腐敗に関する取材により)[21]
  • ニューヨークテレビフェスティバル最優秀国際ドキュメンタリー賞、1992[21]

脚注

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  1. ^ a b Amola, Steve. “Andrew Jennings interview”. footballmedia.com. 22 November 2010時点のオリジナルよりアーカイブ。30 November 2010閲覧。
  2. ^ The Beautiful Bung: Corruption and the World Cup”. BBC (16 June 2006). 23 November 2010閲覧。
  3. ^ 習政権と共闘するバッハ氏”. 産経ニュース (2022年1月26日). 2022年1月26日閲覧。
  4. ^ Journalists? They're media masseurs”. British Journalism review (2012年). 8 June 2012時点のオリジナルよりアーカイブ。12 July 2012閲覧。
  5. ^ Miller, Michael E. (3 June 2015). “How a curmudgeonly old reporter exposed the FIFA scandal that toppled Sepp Blatter”. The Washington Post (Washington, D.C.). https://www.washingtonpost.com/news/morning-mix/wp/2015/06/03/how-a-curmudgeonly-old-reporter-exposed-the-fifa-scandal-that-toppled-sepp-blatter/ 1 July 2015閲覧。 
  6. ^ “A・ジェニングス氏死去 IOC、FIFAの闇暴く”. 共同通信社. 産経ニュース. (2022年1月11日). https://www.sankei.com/article/20220111-5RBB3DSVMRMEFDVTO53H6QECJQ/ 2022年1月12日閲覧。 
  7. ^ The Beautiful Bung: Corruption and the World Cup”. BBC Panorama (11 June 2006). 6 June 2015閲覧。
  8. ^ “The Beautiful Bung: Corruption and the World Cup” (英語). (2006年6月11日). http://news.bbc.co.uk/2/hi/programmes/panorama/5070224.stm 2020年11月3日閲覧。 
  9. ^ Fifa and Coe”. BBC Panorama (29 October 2007). 6 June 2015閲覧。
  10. ^ “Fifa chief Issa Hayatou denies bribery claims” (英語). BBC News. (2010年12月1日). https://www.bbc.co.uk/news/world-europe-11873907 2020年10月11日閲覧。 
  11. ^ a b BBC defends Panorama investigation into FIFA 'bribes'”. BBC News. British Broadcasting Corporation (30 November 2010). 3 December 2010閲覧。
  12. ^ Profiles:Fifa accused”. BBC News. British Broadcasting Corporation (29 November 2010). 3 December 2010閲覧。
  13. ^ Fifa chief Issa Hayatou denies bribery claims”. BBC News. British Broadcasting Corporation (1 December 2010). 3 December 2010閲覧。
  14. ^ Russia & Qatar will host the 2018 and 2022 World Cups”. BBC Sport. British Broadcasting Corporation (2 December 2010). 3 December 2010閲覧。
  15. ^ Kelso, Paul (2 December 2010). “England World Cup 2018 humiliation: two votes won, and one of them Geoff Thompson”. Telegraph Online. Telegraph Media Group. 3 December 2010閲覧。
  16. ^ Conlan, Tara (30 November 2010). “More than 50 complain over Panorama FIFA probes”. Guardian Online. Guardian News and Media Limited. 4 December 2010閲覧。
  17. ^ Fifa, Sepp Blatter and Me”. www.bbc.co.uk. BBC. 2020年10月11日閲覧。
  18. ^ A question to president Blatter about bribes”. www.playthegame.org. 2020年10月11日閲覧。
  19. ^ Andreas Selliaas. “Sepp Blatter’s football family”. www.playthegame.org. 2020年10月11日閲覧。
  20. ^ 『FIFA 腐敗の全内幕』アンドリュー・ジェニングス 木村博江 | 単行本”. 文藝春秋BOOKS. 2020年10月11日閲覧。
  21. ^ a b c d e Andrew Jennings”. playthegame.org. Play the Game. 2020年10月11日閲覧。

外部リンク

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