アンガス・バルビエーリ
アンガス・バルビエーリ(Angus Barbieri, 1939年 - 1990年9月7日)とは、断食の世界最高記録を樹立した人物の名前である。水、茶、ブラックコーヒー、炭酸水、ビタミン、ミネラルのみで382日間過ごし、その間にも健康診断のために診療先の病院に通い続けた。出身はスコットランド・テイポート(Tayport)。
382日間の断食で、最終的に276ポンド(約125㎏)の減量を果たし、断食を行った期間としては世界最長記録を打ち立てた[1]。
断食
[編集]1965年、バルビエーリは、ダンディーにあるメアリィフィールド病院に入院する。担当した医師は、断食計画について、当初は長期ではなく短期のほうが望ましいと考えていたが、「(バルビエーリの)身体は断食によく順応し、自身が理想としている体重へ到達するのに熱心であった」ことから、バルビエーリは断食の継続を主張したという[1]:203[2]。
1966年7月11日までの382日間、バルビエーリは、ビタミン、ミネラル、水、茶、ブラックコーヒー、炭酸水のみで生活した。断食終了前の最後の数週間は、ミルクと砂糖を少量だけ摂取することもあった。
断食開始時のバルビエーリの体重は456ポンド(約207㎏)で、自身の目標体重である180ポンド(約82㎏)に達すると、断食を自分から終了した。
1990年9月、バルビエーリは亡くなった[2]。
世界記録
[編集]1971年版のギネスブックにて、バルビエーリが行った382日間の断食が、世界最高記録として認定された[1]:203[2]。ハンガー・ストライキを385日間続けたことで知られる人物にデニス・ゲイラー・グッドウィン(Dennis Galer Goodwin|Dennis Galer Goodwin)がいるが、彼はこの最中にチューブを通して強制的に食事を与えられている。
一切の固形物無しで382日間の断食を続けた人物として、バルビエーリの記録は誰にも破られておらず、断食の世界最長記録を保持し続けている。
ギネスの職員によれば、「安全でない」行動が奨励されることへの懸念から、ギネスは断食に関する記録を受け入れるのを止めたという[2][3]。
参考
[編集]- ^ a b c Stewart, W. K.; Fleming, Laura W. (March 1973). “Features of a successful therapeutic fast of 382 days' duration”. Postgraduate Medical Journal 49 (569): 203-209. doi:10.1136/pgmj.49.569.203. PMC 2495396. PMID 4803438 .
- ^ a b c d “The tale of Angus Barbieri who fasted for more than a year - and lost 21 stone”. The Evening Telegraph (12 November 2016). 13 November 2022時点のオリジナルよりアーカイブ。13 November 2022閲覧。
- ^ “Guinness records snub for Blaine”. CNN (4 September 2003). 1 September 2013時点のオリジナルよりアーカイブ。4 November 2018閲覧。