コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

アラル・カリス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アラル・カリス
Alar Karis


任期 2021年10月11日 –

出生 (1958-03-26) 1958年3月26日(66歳)
ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦
エストニア・ソビエト社会主義共和国 タルトゥ
政党 無所属
出身校 エストニア農業アカデミー
配偶者 シリエ・カリス
子女 クリスチャン・カリス
マルティン・カリス
キルスティン・カリス

アラル・カリス(Alar Karis エストニア語発音: [ˈɑlɑr ˈkɑris]、1958年3月26日[1]-)は、エストニア生物学者。専門は分子遺伝学発生生物学。2021年10月11日に大統領に就任した。アラール・カリスとも表記される[2]


経歴

[編集]
2007年、タルトゥ大学学長時代のカリス

タルトゥ出身[1]。1976年に高校を出た後、エストニア農業アカデミー(現・エストニア生命科学大学エストニア語版)で獣医学を学んで1981年に卒業した[1][3]。エストニア獣医学研究所に勤務した後、1987年に寄生虫学の修士号を取得した[1]。幼少時にはヴァイオリンを習っており、友人たちとともに1980年代まで「レンターブルス」というカントリー・ミュージックのバンドで活動していた[4]

1991年にドイツのハンブルク大学、1992年から翌年まで英国ロンドンの国立医学研究所 (NIMR[注 1]、1993年から1998年まではオランダのエラスムス・ロッテルダム大学において研究員として勤務し、1999年から2018年までタルトゥ大学教授を務めた[1][3]。その間、エストニア生命科学大学学長(2003-2007)やタルトゥ大学学長(2007年 - 2012年)、エストニア国家監査局リーギコントロール」の監査役(2013-2018)を兼任し、2018年から2021年まではエストニア国立博物館の館長を務めた[1][3][5]

2007年から2021年にかけて、エストニアのホワイトスター勲章やベルギーのレオポルド2世勲章、スウェーデンの北極星勲章フィンランド獅子勲章などを授与されている[1]

大統領

[編集]

2021年8月中旬、カリスはエストニア国会「リーギコグ」のユリ・ラタス議長(エストニア中央党党首、前首相)に当月末に実施される大統領選挙への立候補を持ち掛けられた[6]。カリスはこの申し出に同意し[7]、のちに連立与党であるエストニア改革党と中央党が共にカリスの支持を決定した[8][9]。8月31日にリーギコグ内で挙行された大統領選挙でカリスは101人の国会議員のうち72人からの支持を得て次期大統領に選出され[10]、10月11日に就任式が行われた[11][12]。就任から3日後の10月14日には隣国ラトビアリガを訪問し、イナーラ・ムールニエツェ国会議長との会談をおこなった[13][14][注 2]

家族

[編集]
シリエ・カリス

父親のハリー・カリス(Harry Karis、1930年8月23日 - 2018年2月27日[16] )はタリン出身の植物病理学者うどんこ病などを研究し、1996年にカール・エルンスト・フォン・ベーア賞[注 3]を授与された[17]

妻のシリエ・カリス(Sirje Karis、1956年8月9日 -)はパルヌ出身の歴史学者で2006年から2018年までエストニア歴史博物館の館長だった[18]。2018年からはタルトゥ市歴史博物館館長を務め[18]、2021年の夫の大統領就任後も続けていたが[19]、2022年6月に館長を退任することとなった[20]。旧姓はヤダル(Jädal, イェァダル)といい、アラル・カリスとは1977年8月20日に結婚した[21]

カリス夫妻には3人の子どもがいる[18]。長男のクリスチャン・カリス(Kristjan Karis、1979年3月27日[22] -)はテフヴァンディ・スポーツセンターの理事を務めている[23][24]。次男のマルティン・カリス(Martin Karis、1981年10月20日[25] -)はフロアボールの選手でテニス指導者でもある[26]。娘のキルスティン・カリス(Kirstin Karis、1991年4月7日[27] -)は大学で生物学を学んだあと、出身校(ギムナジウム)の生物教師となった[28]

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ エストニア研究情報システムのウェブページに"National Institute for Medical Research"と記載されている。エストニア大統領府では"National Institute for Health Research"(現在のNational Institute for Health and Care Research)となっているが、この機関は2006年に設立されており、1990年代にはまだ存在していない。
  2. ^ アラル・カリス大統領の外遊先一覧も参照。
  3. ^ エストニア出身の生物学者カール・エルンスト・フォン・ベーアにちなんだ科学賞。カール・エルンスト・フォン・ベーア・メダルとは異なる。

出典

[編集]
  1. ^ a b c d e f g Elulugu” (エストニア語). Vabariigi Presidendi Kantselei. 2023年12月18日閲覧。
  2. ^ エストニア新大統領に博物館長”. 時事ドットコム (2021年9月1日). 2022年1月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年1月10日閲覧。
  3. ^ a b c CV: Alar Karis” (英語). Estonian Research Information System. 2022年6月11日閲覧。
  4. ^ Meenuta ansamblit Rentaablus koos kantrimuusik Alar Karisega” (エストニア語). Eesti Rahvusringhääling (2021年9月1日). 2022年6月11日閲覧。
  5. ^ エストニア・タルトゥ大学学長Alar Karis氏”. 北海道大学 (2008年3月17・18日). 2022年1月10日閲覧。
  6. ^ Riigikogu speaker asks museum director to consider running as president” (英語). Eesti Rahvusringhääling (2021年8月17日). 2022年6月11日閲覧。
  7. ^ Museum director says 'yes' in answer to presidential bid offer(2021年8月18日) - エストニア公共放送
  8. ^ Reform Party Riigikogu group supports Karis as presidential candidate(2021年8月19日) - エストニア公共放送
  9. ^ Center joins Reform in support for Alar Karis presidential candidacy(2021年8月22日) - エストニア公共放送
  10. ^ 議会がカリス氏を新大統領に選出 - 日本貿易振興機構(2021年9月2日)
  11. ^ Alar Karis was elected President of the Republic - リーギコグ(2021年10月11日)
  12. ^ Alar Karis took the oath of office of the President of the Republic - リーギコグ(2021年10月11日)
  13. ^ President Karis’ meetings with Latvian and Finnish colleagues postponed - エストニア大統領府
  14. ^ Speaker Mūrniece to Estonian president: our common objective is to promote the safety, prosperity and development of the Baltic region - ラトビア共和国議会「サエイマ
  15. ^ 東欧バルトの4首脳、戦地訪問 「民間人犠牲」訴追求める”. 共同通信 (2022年4月14日). 2022年4月22日閲覧。
  16. ^ Harry Karis (1930 - 2018) - Geni
  17. ^ Karis, Harry - エストニア百科事典
  18. ^ a b c Spouse - エストニア大統領府 (英語)
  19. ^ First lady Sirje Karis not planning on moving out of Tartu home yet(2021年9月24日) - エストニア公共放送
  20. ^ First lady Sirje Karis steps down as Tartu city museum director(2022年6月9日) - エストニア公共放送
  21. ^ Eesti vabariigi presidendi abikaasa Sirje Karis: kuna nüüd olen õhtuti üksi, ei tähenda see, et mul igav oleks(2022年2月19日) - Kroonika
  22. ^ Kristjan Karis - Geni
  23. ^ Kristjan Karis: kui isa midagi ei öelnud, teadsime, et jama on kaelas(2022年4月11日) - エストニア公共放送
  24. ^ Tehvandi Spordikeskus arendab Lõuna-Eestis maailmatasemel spordikeskusi(2020年10月29日) - エストニア文化省
  25. ^ Martin Karis - Geni
  26. ^ KARIS, MARTIN - ESBL
  27. ^ Kirstin Karis - Geni
  28. ^ Tunniks leiab põnevat ainest nii internetist kui turult(2019年11月15日) - Õpetajate Leht

外部リンク

[編集]
公職
先代
ケルスティ・カリユライド
エストニアの旗 エストニア共和国大統領
2021 -
次代
(現職)