アメーバ (数学)
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数学の一分野である複素解析において、アメーバ(英: amoeba)は、一変数、あるいは多変数の多項式に関連した集合である。アメーバは代数幾何学、特に、トロピカル幾何学へ応用を持っている。
定義
[編集]ユークリッド空間 上に値を持つ 0 を除く複素数 n-組 の集合上に定義され、式
により与えられる函数
を考える。ここに 'log' は、自然対数を表す。p(z) が 変数の多項式であれば、そのアメーバ(amoeba) は p の零点の集合の Log による像として定義される。
アメーバは 1994年、イズライル・ゲルファント(Israel Gelfand)、カプラノフ(Kapranov)、アンドレイ・ゼレヴィンスキー(Andrei Zelevinsky)の書籍[1]で導入された。
性質
[編集]- アメーバは閉集合である。
- 補空間 の連結成分は、凸である[2]。
- 2変数の恒等的に 0 ではない多項式のアメーバの面積は、有限である。
- 2次元のアメーバは、多くの「触手」を持ち、触手は無限に長く、無限遠点では指数的に狭くなる。
ロンキン函数
[編集]アメーバを研究する有効なツールが、ロンキン函数(Ronkin function)である。n (複素)変数の多項式 p(z) に対し、式
により、ロンキン函数を、
と定義する。ここに は を表す。同じことであるが、 は積分
により与えられる。ここに
とする。ロンキン函数は凸函数であり、 のアメーバの補集合の各々の連結成分上ではアフィン(affine)である[3]。
例として、 である単項式
のロンキン函数は、
である。
脚注
[編集]- ^ Gelfand, I. M.; Kapranov, M.M.; Zelevinsky, A.V. (1994). Discriminants, resultants, and multidimensional determinants. Mathematics: Theory & Applications. Boston, MA: Birkhäuser. ISBN 0-8176-3660-9. Zbl 0827.14036
- ^ Itenberg et al (2007) p.3
- ^ Gross, Mark (2004). “Amoebas of complex curves and tropical curves”. In Guest, Martin. UK-Japan winter school 2004—Geometry and analysis towards quantum theory. Lecture notes from the school, University of Durham, Durham, UK, January 6–9, 2004. Seminar on Mathematical Sciences. 30. Yokohama: Keio University, Department of Mathematics. pp. 24-36. Zbl 1083.14061
参考文献
[編集]- Itenberg, Ilia; Mikhalkin, Grigory; Shustin, Eugenii (2007). Tropical algebraic geometry. Oberwolfach Seminars. 35. Basel: Birkhäuser. ISBN 978-3-7643-8309-1. Zbl 1162.14300
- Viro, Oleg (2002), “What Is . . . An Amoeba?”, Notices of the American Mathematical Society 49 (8): 916–917
さらに進んだ書籍
[編集]- Theobald, Thorsten (2002). “Computing amoebas”. Exp. Math. 11 (4): 513-526. doi:10.1080/10586458.2002.10504703. Zbl 1100.14048 .