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アメーバ (数学)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
P(z,w)=w-2z-1 のアメーバ
P(z, w)=3z2+5zw+w3+1 のアメーバ。アメーバの中には液胞があることに注意。
P(z, w) = 1 + z+z2 + z3 + z2w3 + 10zw + 12z2w +10z2w2 のアメーバ
P(z, w)=50 z3 +83 z2 w+24 z w2 +w3+392 z2 +414 z w+50 w2 -28 z +59 w-100 のアメーバ

数学の一分野である複素解析において、アメーバ: amoeba)は、一変数、あるいは多変数多項式に関連した集合である。アメーバは代数幾何学、特に、トロピカル幾何学へ応用を持っている。

定義

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ユークリッド空間 上に値を持つ 0 を除く複素数 n-組 の集合上に定義され、式

により与えられる函数

を考える。ここに 'log' は、自然対数を表す。p(z) が 変数の多項式であれば、そのアメーバ(amoeba) p零点の集合の Log によるとして定義される。

アメーバは 1994年、イズライル・ゲルファント(Israel Gelfand)、カプラノフ(Kapranov)、アンドレイ・ゼレヴィンスキー英語版(Andrei Zelevinsky)の書籍[1]で導入された。

性質

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  • アメーバは閉集合である。
  • 補空間 連結成分は、である[2]
  • 2変数の恒等的に 0 ではない多項式のアメーバの面積は、有限である。
  • 2次元のアメーバは、多くの「触手」を持ち、触手は無限に長く、無限遠点では指数的に狭くなる。

ロンキン函数

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アメーバを研究する有効なツールが、ロンキン函数(Ronkin function)である。n (複素)変数の多項式 p(z) に対し、式

により、ロンキン函数を、

と定義する。ここに を表す。同じことであるが、 は積分

により与えられる。ここに

とする。ロンキン函数は凸函数であり、 のアメーバの補集合の各々の連結成分上ではアフィン英語版(affine)である[3]

例として、 である単項式

のロンキン函数は、

である。

脚注

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  1. ^ Gelfand, I. M.; Kapranov, M.M.; Zelevinsky, A.V. (1994). Discriminants, resultants, and multidimensional determinants. Mathematics: Theory & Applications. Boston, MA: Birkhäuser. ISBN 0-8176-3660-9. Zbl 0827.14036 
  2. ^ Itenberg et al (2007) p.3
  3. ^ Gross, Mark (2004). “Amoebas of complex curves and tropical curves”. In Guest, Martin. UK-Japan winter school 2004—Geometry and analysis towards quantum theory. Lecture notes from the school, University of Durham, Durham, UK, January 6–9, 2004. Seminar on Mathematical Sciences. 30. Yokohama: Keio University, Department of Mathematics. pp. 24-36. Zbl 1083.14061 

参考文献

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さらに進んだ書籍

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外部リンク

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