アニフロルマブ
表示
モノクローナル抗体 | |
---|---|
種類 | 全長抗体 |
原料 | ヒト |
抗原 | Interferon α/β receptor |
臨床データ | |
販売名 | Saphnelo |
ライセンス | US Daily Med:リンク |
法的規制 | |
識別 | |
CAS番号 | 1326232-46-5 |
ATCコード | None |
DrugBank | DB11976 |
ChemSpider | none |
UNII | 38RL9AE51Q |
KEGG | D11082 |
別名 | MEDI-546, anifrolumab-fnia |
化学的データ | |
化学式 | C6444H9964N1712O2018S44 |
分子量 | 145,119.20 g·mol−1 |
アニフロルマブ(Anifrolumab)は、全身性エリテマトーデス(SLE)の治療に用いられるモノクローナル抗体である[1][2]。I型インターフェロン受容体に結合し、インターフェロン-α、インターフェロン-β等のI型インターフェロンの活性を阻害する[要出典医学]。
効能・効果
[編集]既存治療で効果不十分な全身性エリテマトーデス[3]
警告
[編集]- 呼吸器感染や帯状疱疹(播種性帯状疱疹を含む)等の感染症のリスクを増大させる可能性がある。
- 結核の既往歴を有する患者では結核を活動化させる可能性がある(潜在性結核を含む)。
- 関連性は明らかではないが、悪性腫瘍の発現も報告されている。
- 致死的な肺炎を含む感染症が報告されている。
禁忌
[編集]- 製剤成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 重篤な感染症の患者
- 活動性結核の患者
副作用
[編集]重大な副作用として、添付文書にはアナフィラキシーと重篤な感染症(肺炎や播種性帯状疱疹等)が記載されている[3]。
10%以上の患者に発生する副作用として、上気道感染(上気道炎、上咽頭炎、咽頭炎)と注入時反応が知られている。
作用機序
[編集]本剤は、I型インターフェロンα受容体のサブユニット1(IFNAR1)に結合するヒト免疫グロブリンG1κモノクローナル抗体である。I型IFNはSLEの発症機序に重要な役割を果たす。I型IFN誘導性遺伝子発現の上昇は、成人SLE患者の大部分(約60〜80%)に認められ、SLEの疾患活動性及び重症度と相関している。—サフネロー点滴静注300mg 添付文書
臨床試験
[編集]アニフロルマブは、第III相試験であるTULIP 1試験において、主要評価項目であるSLE Responder Index 4で評価される疾患の有意な減少を達成出来なかった[4]。この多施設共同二重盲検プラセボ対照試験は、中等度から重度のSLEを有する成人を1年間にわたって追跡調査したものである。予備的結果は2018年8月31日に発表された[要出典]。
日本では、3本の第II相臨床試験(MUSE試験 (1年間)、1145試験 (3年間)、02試験 (3年間))および3本の第III相臨床試験(TULIP-1試験 (1年間)、TULIP-2試験 (1年間)、TULIP SLE LTE 試験 (3年間-継続中))に基づいて評価された[5]:14-42。
承認
[編集]アニフロルマブは、2021年8月に米国で医療用として承認された[1][6][7][8]。
日本では、2021年9月27日に承認された[9]。また、2021/11/25、商品名「サフネロー」として発売された
参考資料
[編集]- ^ a b c “Saphnelo- anifrolumab injection, solution”. DailyMed. 11 August 2021閲覧。
- ^ Statement On A Nonproprietary Name Adopted By The USAN Council - Anifrolumab, American Medical Association.
- ^ a b “サフネロー点滴静注300mg 添付文書”. www.info.pmda.go.jp. 2021年11月21日閲覧。
- ^ “Update on TULIP 1 Phase III trial for anifrolumab in systemic lupus erythematosus” (英語). www.astrazeneca.com. 5 February 2019閲覧。
- ^ “サフネロー点滴静注300mg インタビューフォーム”. www.info.pmda.go.jp. 2021年11月21日閲覧。
- ^ “BLA 761123”. 2021年11月21日閲覧。
- ^ “Saphnelo (Anifrolumab) approved in the US for moderate to severe systemic lupus erythematosus”. 2021年11月21日閲覧。
- ^ "Saphnelo (anifrolumab) Approved in the US for Moderate to Severe Systemic Lupus Erythematosus" (Press release). AstraZeneca. 2 August 2021. Business Wireより2021年8月2日閲覧。
- ^ “アニフロルマブがSLEに適応承認を取得/アストラゼネカ|CareNet.com”. CareNet.com. 2021年11月21日閲覧。
関連文献
[編集]- “Anifrolumab in systemic lupus erythematosus: current knowledge and future considerations”. Immunotherapy 12 (5): 275–86. (April 2020). doi:10.2217/imt-2020-0017. PMID 32237942.
外部サイト
[編集]- “Anifrolumab”. Drug Information Portal. U.S. National Library of Medicine. 2021年11月21日閲覧。
- 臨床試験番号 NCT01438489 研究名 "A Study of the Efficacy and Safety of MEDI-546 in Systemic Lupus Erythematosus" - ClinicalTrials.gov
- 臨床試験番号 NCT02446912 研究名 "Efficacy and Safety of Two Doses of Anifrolumab Compared to Placebo in Adult Subjects With Active Systemic Lupus Erythematosus" - ClinicalTrials.gov
- 臨床試験番号 NCT02446899 研究名 "Efficacy and Safety of Anifrolumab Compared to Placebo in Adult Subjects With Active Systemic Lupus Erythematosus" - ClinicalTrials.gov