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アグニエシュカ・ラドワンスカ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アグニエシュカ・ラドワンスカ
Agnieszka Radwańska
アグニエシュカ・ラドワンスカ
基本情報
フルネーム Agnieszka Roma Radwańska
愛称 Aga (アガ)
国籍 ポーランドの旗 ポーランド
出身地 同・クラクフ
生年月日 (1989-03-06) 1989年3月6日(35歳)
身長 172cm
体重 56kg
利き手
バックハンド 両手打ち
ツアー経歴
デビュー年 2005年
引退年 2018年
ツアー通算 22勝
シングルス 20勝
ダブルス 2勝
生涯通算成績 707勝356敗
シングルス 594勝269敗
ダブルス 113勝87敗
生涯獲得賞金 $27,683,807
4大大会最高成績・シングルス
全豪 ベスト4(2014・16)
全仏 ベスト8(2013)
全英 準優勝(2012)
全米 4回戦(2007・08・12・13・16)
4大大会最高成績・ダブルス
全豪 ベスト4(2010)
全仏 ベスト8(2009・10)
全英 3回戦(2007・11・12)
全米 ベスト4(2011)
国別対抗戦最高成績
ホップマン杯 優勝(2015)
キャリア自己最高ランキング
シングルス 2位(2012年7月9日)
ダブルス 16位(2011年10月10日)

アグニエシュカ・ラドワンスカポーランド語: Agnieszka Roma Radwańska, Pl-Agnieszka_Radwańska.ogg [aɡˈɲɛʂka radˈvaɲska]1989年3月6日 - )は、ポーランドクラクフ出身の女子プロテニス元選手。2012年ウィンブルドン選手権女子シングルスの準優勝者。2015年のWTAツアー選手権(WTAファイナル)の優勝者。ポーランドの女子選手として、史上初めてWTAツアーの世界ランキングトップ10入りを果たした選手である。自己最高ランキングはシングルス2位、ダブルス16位。これまでにWTAツアーでシングルス20勝、ダブルス2勝を挙げる。身長172cm、体重56kg。右利き、バックハンド・ストロークは両手打ち。1歳年下の妹のウルシュラ・ラドワンスカもプロテニス選手である。ポーランド語の読み方に従った、ラドバンスカという表記も多い。

来歴

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アグニエシュカ・ラドワンスカが生まれた1989年は、ちょうどポーランド共産主義から自由主義への体制転換が始まった年である。アグニエシュカは4歳の時から、妹のウルシュラとともに父親の手ほどきでテニスを始め、ドイツノルトライン=ヴェストファーレン州ボルケン郡のグロナウにあるテニスクラブで練習を積んだ。2005年4月に16歳でプロ入り。その後、2005年ウィンブルドン2006年全仏オープンのジュニア女子シングルス部門で優勝する。全仏ジュニアの直前、2006年5月に故国ポーランドの首都ワルシャワで開かれた「J&Sカップ」で、ラドワンスカは1回戦で2004年全仏オープン優勝者のアナスタシア・ミスキナを破り、エレーナ・デメンチェワとの準々決勝まで勝ち進んだ。6月の全仏ジュニアで第2シードから優勝した後、ラドワンスカは2006年ウィンブルドン4大大会の本戦にデビューした。主催者推薦で出場したラドワンスカは、初めての本戦でキム・クライシュテルスとの4回戦まで勝ち進んだ。この後2006年全米オープンでは予選3試合を勝ち抜いたが、本戦2回戦でタチアナ・ゴロビンに敗退した。

2007年全豪オープンでは本戦直接出場を果たし、2回戦で第13シードのアナ・イバノビッチセルビア)に敗れた。5月のトルコイスタンブール大会で、ラドワンスカ姉妹は女子ツアー大会のダブルス初優勝を果たす。8月のスウェーデンストックホルム大会にて、ラドワンスカは決勝でベラ・ドゥシェビナを 6-1, 6-1 で破り、シングルスでも初優勝を飾った。これはポーランドの女子選手がWTAツアーで獲得した最初のシングルス・タイトルである。全米オープンで「第30シード」を得たラドワンスカは、1回戦で日本森上亜希子に勝ち、3回戦で大会前年優勝者のマリア・シャラポワを 6-4, 1-6, 6-2 で破る勝利を挙げたが、4回戦でシャハー・ピアーに 4-6, 1-6 で敗れた。

2008年全豪オープンで、ラドワンスカは第29シードから初のベスト8に進出し、準々決勝で第9シードのダニエラ・ハンチュコバに 2-6, 2-6 で敗れた。この大会ではマルタ・ドマホフスカも4回戦まで進み、ポーランドの女子選手が2人ベスト16に勝ち残る快挙を見せた。ウィンブルドンでは、2回戦でラドワンスカとドマホフスカの“ポーランド対決”を実現させた後、4回戦でスベトラーナ・クズネツォワに 6-4, 1-6, 7-5 で競り勝ち、この大会でも初のベスト8入りを決めた。ポーランド女性によるウィンブルドン8強進出は、1939年ヤドヴィガ・イェンジェヨフスカ以来「69年ぶり」の快挙となる。準々決勝では第6シードのセリーナ・ウィリアムズに 4-6, 0-6 で敗れた。S・ウィリアムズは2回戦で、4大大会本戦に初出場した妹のウルシュラに 6-4, 6-4 で勝っていたため、同一大会でラドワンスカ姉妹を連破したことになる。

ウィンブルドン選手権終了後、ラドワンスカは2008年7月7日付の女子テニス世界ランキングで「10位」に入り、ポーランド女性として史上初の世界トップ10入りを果たした。当地の男子選手では、シングルスのトップ10に入った人は1970年代から1980年代前半にかけて活躍したヴォイチェフ・フィバク1人だけである。

2011年全豪オープンでラドワンスカは3年ぶりとなるベスト8に進出した。マイアミ大会のダブルスではダニエラ・ハンチュコバと組みダブルス2勝目を挙げた。8月のマーキュリー・インシュアランス・オープンでは1年ぶりのシングルス決勝に進出。ベラ・ズボナレワを 6–3, 6–4 で破り3年ぶりのシングルス5勝目を挙げた。2011年9月の東レ パン・パシフィック・オープン・テニストーナメントでは決勝で、ベラ・ズボナレワに 6–3, 6–2 で快勝して大会初優勝を果たした。翌週の中国オープンでも決勝でアンドレア・ペトコビッチを 7–5, 0–6, 6–4 で破り2週連続優勝となるシングルス7勝目を挙げた。

2012年全豪オープンで2年連続のベスト8に進出。準々決勝では優勝したビクトリア・アザレンカに 7-6(0), 0-6, 2-6 で敗れた。2月のドバイ大会で決勝に進出。ユリア・ゲルゲスに 7–5, 6–4 で勝利した。3月のマイアミ大会でも決勝でマリア・シャラポワを破って優勝した。

2012年ウィンブルドン選手権では準々決勝でマリア・キリレンコを 7–5, 4–6, 7–5 で破り初めての4大大会ベスト4に進出した。準決勝ではアンゲリク・ケルバーに 6–3, 6–4 で勝利し決勝に進出。決勝ではセリーナ・ウィリアムズに 1–6, 7–5, 2–6 で敗れ準優勝となった。大会後に自己最高の2位を記録している。ロンドン五輪の開会式ではポーランド選手団の旗手を務めた。シングルスでは1回戦でドイツユリア・ゲルゲスに 5-7, 7-6(5), 4-6 で敗退した。妹のウルシュラと組んだダブルスでも2回戦で敗退した。東レ パン・パシフィック・オープン・テニストーナメントでは2年連続で決勝に進出したが、ナディア・ペトロワに 0–6, 6–1, 3–6 で敗れ連覇を逃した。

2013年は開幕戦のASBクラシックシドニー国際で2週連続優勝を果たした。2013年全豪オープンでは準々決勝で李娜に 5-7, 3-6 で敗れた。ウィンブルドンでは準々決勝で李娜を 7-6(5), 4-6, 6-2 で破ったが、準決勝でザビーネ・リシキに 4-6, 6-2, 7-9 で敗れ2年連続の決勝進出を逃した。

2014年はロジャーズ・カップモントリオール大会では決勝でビーナス・ウィリアムズを6‐4,6‐2で下し初優勝。

2015年WTAファイナルでは決勝でペトラ・クビトバを 6–2, 4–6, 6–3 で破り大会初優勝を果たし初めてのビックタイトルを獲得した。

2017年7月ラドワンスカは自身のヒッティングパートナーのダヴィド・ケルトと結婚した[1]

ラドワンスカは2018年11月14日に自身のフェイスブックで、健康問題を理由に現役引退を表明した[2]

2020年7月ラドワンスカは自信のSNSに、第一子を出産したことを明らかにした。

WTAツアー決勝進出結果

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シングルス: 28回 (20勝8敗)

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大会グレード
2008年以前 2009年以後
グランドスラム (0–1)
WTAファイナルズ (1–0)
ティア I (0–0) プレミア・マンダトリー (3-2)
プレミア5 (2-1)
ティア II (1–0) プレミア (6–4)
ティア III (1–0) インターナショナル (4–0)
ティア IV & V (2–0)
結果 No. 決勝日 大会 サーフェス 対戦相手 スコア
優勝 1. 2007年8月5日 スウェーデンの旗 ストックホルム ハード ロシアの旗 ベラ・ドゥシェビナ 6-1, 6-1
優勝 2. 2008年2月10日 タイ王国の旗 パタヤ ハード アメリカ合衆国の旗 ジル・クレイバス 6-2, 1-6, 7-6(7-4)
優勝 3. 2008年5月19日 トルコの旗 イスタンブール クレー ロシアの旗 エレーナ・デメンチェワ 6-3, 6-2
優勝 4. 2008年6月21日 イギリスの旗 イーストボーン ロシアの旗 ナディア・ペトロワ 6-4, 6-7(11-13), 6-4
準優勝 1. 2009年10月11日 中華人民共和国の旗 北京 ハード ロシアの旗 スベトラーナ・クズネツォワ 2-6, 4-6
準優勝 2. 2010年8月8日 アメリカ合衆国の旗 サンディエゴ ハード ロシアの旗 スベトラーナ・クズネツォワ 4-6, 7-6(9-7), 3-6
優勝 5. 2011年8月7日 アメリカ合衆国の旗 サンディエゴ ハード ロシアの旗 ベラ・ズボナレワ 6-3, 6-4
優勝 6. 2011年10月1日 日本の旗 東京 ハード ロシアの旗 ベラ・ズボナレワ 6-3, 6-2
優勝 7. 2011年10月9日 中華人民共和国の旗 北京 ハード ドイツの旗 アンドレア・ペトコビッチ 7-5, 0-6, 6-4
優勝 8. 2012年2月25日 アラブ首長国連邦の旗 ドバイ ハード ドイツの旗 ユリア・ゲルゲス 7-5, 6-4
優勝 9. 2012年3月31日 アメリカ合衆国の旗 マイアミ ハード ロシアの旗 マリア・シャラポワ 7-5, 6-4
優勝 10. 2012年5月26日 ベルギーの旗 ブリュッセル クレー ルーマニアの旗 シモナ・ハレプ 7-5, 6-0
準優勝 3. 2012年7月7日 イギリスの旗 ウィンブルドン アメリカ合衆国の旗 セリーナ・ウィリアムズ 1-6, 7-5, 2-6
準優勝 4. 2012年9月29日 日本の旗 東京 ハード ロシアの旗 ナディア・ペトロワ 0-6, 6-1, 3-6
優勝 11. 2013年1月5日 ニュージーランドの旗 オークランド ハード ベルギーの旗 ヤニナ・ウィックマイヤー 6-4, 6-4
優勝 12. 2013年1月11日 オーストラリアの旗 シドニー ハード スロバキアの旗 ドミニカ・チブルコバ 6-0, 6-0
準優勝 5. 2013年7月28日 アメリカ合衆国の旗 スタンフォード ハード スロバキアの旗 ドミニカ・チブルコバ 6-3, 4-6, 4-6
優勝 13. 2013年9月22日 大韓民国の旗 ソウル ハード ロシアの旗 アナスタシア・パブリュチェンコワ 6-7(8-10), 6-3, 6-4
準優勝 6. 2014年3月16日 アメリカ合衆国の旗 インディアンウェルズ ハード イタリアの旗 フラビア・ペンネッタ 6-2, 6-1
優勝 14. 2014年8月10日 カナダの旗 モントリオール ハード アメリカ合衆国の旗 ビーナス・ウィリアムズ 6-4, 6-2
準優勝 7. 2015年6月27日 イギリスの旗 イーストボーン スイスの旗 ベリンダ・ベンチッチ 4-6, 6-4, 0-6
優勝 15. 2015年9月28日 日本の旗 東京 ハード スイスの旗 ベリンダ・ベンチッチ 6-2, 6-2
優勝 16. 2015年10月18日 中華人民共和国の旗 天津 ハード モンテネグロの旗 ダンカ・コビニッチ 6-1, 6-2
優勝 17. 2015年11月1日 シンガポールの旗 シンガポール ハード (室内) チェコの旗 ペトラ・クビトバ 6-2, 4-6, 6-3
優勝 18. 2016年1月10日 中華人民共和国の旗 深圳 ハード アメリカ合衆国の旗 アリソン・リスク 6-3, 6-2
優勝 19. 2016年8月27日 アメリカ合衆国の旗 ニューヘブン ハード ウクライナの旗 エリナ・スビトリナ 6-1, 7-6(7-3)
優勝 20. 2016年10月9日 中華人民共和国の旗 北京 ハード イギリスの旗 ジョアンナ・コンタ 6-4, 6-2
準優勝 8. 2017年1月13日 オーストラリアの旗 シドニー ハード イギリスの旗 ジョアンナ・コンタ 4-6, 2-6

ダブルス: 4回 (2勝2敗)

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結果 No. 決勝日 大会 サーフェス パートナー 対戦相手 スコア
優勝 1. 2007年5月21日 トルコの旗 イスタンブール クレー ポーランドの旗 ウルシュラ・ラドワンスカ チャイニーズタイペイの旗 詹詠然
インドの旗 サニア・ミルザ
6-1, 6-3
準優勝 1. 2009年2月22日 アラブ首長国連邦の旗 ドバイ ハード ロシアの旗 マリア・キリレンコ ジンバブエの旗 カーラ・ブラック
アメリカ合衆国の旗 リーゼル・フーバー
3-6, 3-6
準優勝 2. 2009年8月9日 アメリカ合衆国の旗 ロサンゼルス ハード ロシアの旗 マリア・キリレンコ チャイニーズタイペイの旗 荘佳容
中華人民共和国の旗 晏紫
0-6, 6-4, [7-10]
優勝 2. 2011年4月3日 アメリカ合衆国の旗 マイアミ ハード スロバキアの旗 ダニエラ・ハンチュコバ アメリカ合衆国の旗 リーゼル・フーバー
ロシアの旗 ナディア・ペトロワ
7-6(7-5), 2-6, [10-8]

4大大会シングルス成績

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略語の説明
 W   F  SF QF #R RR Q# LQ  A  Z# PO  G   S   B  NMS  P  NH

W=優勝, F=準優勝, SF=ベスト4, QF=ベスト8, #R=#回戦敗退, RR=ラウンドロビン敗退, Q#=予選#回戦敗退, LQ=予選敗退, A=大会不参加, Z#=デビスカップ/BJKカップ地域ゾーン, PO=デビスカップ/BJKカッププレーオフ, G=オリンピック金メダル, S=オリンピック銀メダル, B=オリンピック銅メダル, NMS=マスターズシリーズから降格, P=開催延期, NH=開催なし.

大会 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 通算成績
全豪オープン A 2R QF 1R 3R QF QF QF SF 4R SF 4R 3R 35–12
全仏オープン A 1R 4R 4R 2R 4R 3R QF 3R 1R 4R 3R A 23–11
ウィンブルドン 4R 3R QF QF 4R 2R F SF 4R SF 4R 4R 2R 43–13
全米オープン 2R 4R 4R 2R 2R 2R 4R 4R 2R 3R 4R 3R 1R 24–13

脚注

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外部リンク

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