アタック角
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鉄道車両におけるアタック角とは曲線区間などにおいて輪軸の向きと輪軸進行方向の向きの間に生じる角度をいう。車輪アタック角とも呼ばれる[1]。右の図のγがアタック角である。アタック角が0でないことによって車輪をレールに押し付ける力(押圧)が生じ、脱線の原因となることがある[2]。また、レールに対して車輪が横滑りをすることに起因して、車輪の踏面とレールの摩耗が増加する。さらに、アタック角が大きい場合、フランジがレール側面と接触することが軋み音の原因の一つとなり摩耗が増加する。アタック角などに起因する曲線区間における摩耗を軽減する目的で車両あるいは線路側に塗油装置を設置することがある[3]。アタック角を減少させる目的で各種の自己操舵台車(ラジアル台車、操舵台車)が開発されている。(鉄道車両の台車#操舵台車・ラジアル台車(輪軸操舵機構つき台車)参照)
関連項目
[編集]- 脱線係数
- クレミンソン・システム
- タルゴ
- 東京メトロ2000系電車
- JR北海道キハ283系気動車
- JR東海383系電車
- GE AC4400CW形ディーゼル機関車 オプションで自己操舵台車にすることができる。
脚注
[編集]- ^ “3.8.2 輪重横圧推定式の概要及び解析結果”. 国土交通省. 2022年3月4日閲覧。
- ^ アタック角以外の原因による押圧もある。
- ^ 小林実, 工藤浩之「線路部門 業務資料「車輪/レールの潤滑」 地下鉄における新たなレール塗油手法の検証」(PDF)『日本鉄道施設協会誌』第48巻第7号、日本鉄道施設協会、2010年7月、574-577頁、ISSN 09132643、NAID 40017212139、2022年4月14日閲覧。
参考文献
[編集]- 片折暁伸, 土井賢一, 飯島仁「アタック角連続測定装置の開発と測定結果」『Technical reviewJR East』第35号、東日本旅客鉄道総合企画本部技術企画部、2011年、50-53頁、ISSN 13478419、NAID 40018878727。
- 土井賢一, 永瀬和彦「アタック角が付与された車輪フランジとレール間における接触面と摺動方向についての一考察」『日本機械学会論文集C編』第79巻第806号、日本機械学会、2013年、3368-3375頁、doi:10.1299/kikaic.79.3368、ISSN 0387-5024、NAID 130003386405。
- “曲線でのきしみ音はいつ生じるのか?”. 鉄道総研. 2022年3月4日閲覧。
- “スムーズに曲がれる、進化する鉄道の台車”. 東洋経済. 2022年3月4日閲覧。