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アスカリドール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アスカリドール
Skeletal formula Ball-and-stick model
識別情報
CAS登録番号 512-85-6 チェック
PubChem 10545
ChemSpider 10105 チェック
UNII 1718D0GEVJ チェック
EC番号 208-147-4
KEGG C09836
ChEBI
ChEMBL CHEMBL467614 チェック
バイルシュタイン 121382
特性
化学式 C10H16O2
モル質量 168.23 g/mol
外観 無色の液体
密度 1.010 g/cm3
融点

3.3 °C, 276 K, 38 °F

沸点

40 °C, 313 K, 104 °F (at 0.2 mmHg)

危険性
GHSピクトグラム 爆発物急性毒性(低毒性)
GHSシグナルワード 危険(DANGER)
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

アスカリドール (ascaridole) は天然に存在する有機化合物の一種で、モノテルペンに分類される。アスカリドールのようにペルオキシド構造を持つ天然物は少ない。アカザ属の植物、特にアリタソウ (Chenopodium ambrosioides) の精油の主成分である[1]

無色の液体で、ほとんどの有機溶媒に可溶である。他の低分子量の有機過酸化物(ペルオキシド)と同じく、不安定であり、加熱あるいは有機酸で処理すると爆発しやすい[2]

線虫を駆除するための薬(虫下し)として使われる。

歴史

[編集]

最初に発見されたペルオキシドであり、長らく唯一のペルオキシドとして知られていた。1912年にオットー・ヴァラッハによって構造が解明され[2]、1944年にカール・ツィーグラーによって初めて合成された[3]。用いられたのはα-テルピネンクロロフィルの存在下に光照射して酸素と反応させる方法であった。その反応条件下では一重項酸素が発生し、これがテルピネンのジエン部分とディールス・アルダー反応を起こす。

参考文献

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  1. ^ Paget, H. (1938). “Chenopodium oil. Part III. Ascaridole.” J. Chem. Soc. 392: 829–833. doi:10.1039/JR9380000829.
  2. ^ a b Wallach, O. (1912). “Zur Kenntnis der Terpene und der ätherischen Öle.” Justus Liebigs Ann. Chem. 392: 49–75. doi:10.1002/jlac.19123920104.
  3. ^ Schenck, G. O.; Ziegler, K. (1944). “Die Synthese des Ascaridols.” Naturwissenschaften 32: 157. doi:10.1007/BF01467891.