アクリル酸ブチル
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アクリル酸ブチル | |
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Butyl prop-2-enoate | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 141-32-2 |
PubChem | 8846 |
ChemSpider | 8514 |
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特性 | |
化学式 | C7H12O2 |
モル質量 | 128.17 g mol−1 |
外観 | 無色透明液体[1] |
密度 | 0.89 g/mL (20°C)[1] |
融点 |
-83 °C[1] |
沸点 |
293 °C[1] |
水への溶解度 | 0.1% (20°C)[1] |
危険性 | |
GHSピクトグラム | |
Hフレーズ | H226, H315, H317, H319, H335 |
Pフレーズ | P210, P233, P240, P241, P242, P243, P261, P264, P271, P272, P280, P302+352, P303+361+353, P304+340 |
主な危険性 | Warning |
引火点 | 103 °C |
発火点 | 267 °C[3] |
半数致死量 LD50 | 1800 mg/kg (うさぎ、経皮)[2] |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
アクリル酸ブチル (アクリルさんブチル、Butyl acrylate) は、C4H9O2CCH=CH2の化学式で表される有機化合物である。無色の液体でアクリル酸のブチルエステルである。ポリブチルアクリレートの前駆体として商業的に多量に使用され、シーラント、コーティング、接着剤、燃料、繊維、プラスチック、コーキング剤としても使用されている[4]。
生産と性質
[編集]アクリル酸ブチルは、酸触媒下、アクリル酸とブタノールのエステル化反応で製造される。重合しやすいので、商業的生産品は、重合防止剤としてヒドロキノン、フェノチアジン、またはヒドロキノンエチルエーテルを含んでいる[3][4]。
安全性
[編集]アクリル酸ブチルの急性毒性は低く、LD50 (ラット) は 3730 mg/kg である。
齧歯類モデルでは、アクリル酸ブチルは カルボキシルエステラーゼ または グルタチオン との反応によって代謝される。 この解毒により、アクリル酸、ブタノール、およびメルカプツル酸が代謝物として生成され、排泄される[5][6][7] 。
脚注
[編集]- ^ a b c d e NIOSH Pocket Guide to Chemical Hazards 0075
- ^ “N-Butyl Acrylate”. OSHA/NIOSH. 2011年9月28日閲覧。
- ^ a b “Butyl Acrylate”. International Chemical Safety Cards. NIOSH. 2014年7月1日閲覧。
- ^ a b Ohara, Takashi; Sato, Takahisa; Shimizu, Noboru; Prescher, Günter; Schwind, Helmut; Weiberg, Otto; Marten, Klaus; Greim, Helmut; Shaffer (2005), "Acrylic Acid and Derivatives", Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, Weinheim: Wiley-VCH, pp. 1–21, doi:10.1002/14356007.a01_161.pub4。
- ^ “Screening Information Data Set for n-Butyl acrylate, CAS #141-32-2”. Organization for Economic Cooperation and Development. 2015年11月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2002年10月閲覧。
- ^ “Final report on the safety assessment of Acrylates Copolymer and 33 related cosmetic ingredients”. Int. J. Toxicol. 21 Suppl 3: 1–50. (2002). doi:10.1080/10915810290169800. PMID 12537929.
- ^ "Monographs on the Evaluation of the Carcinogenic Risk of Chemicals to Humans" Geneva:World Health Organization:IARC.1999