コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

アクチニジン (酵素)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アクチニダインから転送)
アクチニジン
Actinidia chinensisのアクチニジン。PDB: 1AEC​より
識別子
略号 ?
PDB 1AEC (RCSB PDB PDBe PDBj) 2ACT
他のデータ
EC番号
(KEGG)
3.4.22.14
テンプレートを表示

アクチニジンActinidinアクチニダインActinidain)、EC 3.4.22.14)は、プロテアーゼ(タンパク質分解酵素)の一種。主にマタタビ属の果実に含まれる[1]

解説

[編集]

緑色のキウイフルーツサルナシに含まれるタンパク質の50%程度を占める。消化管内での食物由来タンパク質の分解促進作用がある[2]が、キウイフルーツアレルギーのアレルゲンのひとつでもある。キウイフルーツよる口腔アレルギー症候群の原因の場合、品種により含有量に差違があり[3]、含有が少ないゴールデン種のキウイフルーツではアレルギーをおこさないこともある。

また、昆虫類のハネカクシ亜科は尾部分泌腺からアクチニジンを分泌する[4][5]

利用例

[編集]
  • 舌苔除去剤として利用される[6]
  • 食肉軟化酵素[7]として利用する際は、pH6 で作用させると、筋原繊維の基本構造を維持したまま筋内膜を分解することが出来るが、pH3 で作用させると食肉タンパク質が加水分解される[8]。従って、食肉軟化酵素としてはパパインより優れている[7]

類似名の物質

[編集]

アルカロイドの一種にもよく似た名前のアクチニジンActinidine)がある。これはキウイフルーツと同じマタタビ科マタタビにも含まれ、マタタビラクトンとともにネコ科の動物に強い恍惚反応をもたらす。

脚注

[編集]
  1. ^ 山中美穂, 大田忠親, 福田哲生, 西山一朗「マタタビ属果実における果汁中アクチニジン濃度およびプロテアーゼ活性の品種間差異」『日本食品科学工学会誌』第51巻第9号、日本食品科学工学会、2004年、491-494頁、doi:10.3136/nskkk.51.491ISSN 1341027X 
  2. ^ 西山一朗「キウイフルーツの消化促進効果に関する研究動向」『栄養学雑誌』第72巻第6号、日本栄養改善学会、2014年、292-301頁、doi:10.5264/eiyogakuzashi.72.292ISSN 00215147 
  3. ^ 果汁中アクチニジン濃度および活性の品種による違い 駒沢女子大学 キウイフルーツ研究室
  4. ^ 兼久勝夫「F34 ハネカクシ亜科の尾部分泌腺からのアクチニジン(生理活性物質)」『日本応用動物昆虫学会大会講演要旨』第32号、日本応用動物昆虫学会、1988年3月、195頁、NAID 110001084595 
  5. ^ 兼久勝夫:アクチニジンを含有する昆虫類(生理活性物質) 日本応用動物昆虫学会大会講演要旨 (34), 109, 1990-03-15
  6. ^ 上原佳子, 定清直, 長谷川智子, 千原一泰, 礪波利圭, 林真理子「舌苔を有する高齢者へのアクチニジン含有洗口液による口腔清拭の効果」『福井大学 助成研究成果集 2012 -明日への挑戦-』2012年7月3日、116-117頁。 
  7. ^ a b 西山一朗「精製アクチニジンによる筋原線維タンパク質分解作用のpH依存性」『日本家政学会誌』第52巻第11号、日本家政学会、2001年、1083-1089頁、doi:10.11428/jhej1987.52.1083 
  8. ^ 西山一朗, 篠政行「食肉に対する精製アクチニジン処理の影響」『駒沢女子短期大学研究紀要』第34巻、2001年3月、15-20頁、doi:10.18998/00000596ISSN 02884844NAID 110004677802 

参考文献

[編集]

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]