アキーと塩漬けのタラ
アキーと塩漬けのタラ | |
---|---|
フルコース | 朝食 |
発祥地 | ジャマイカ |
関連食文化 | ジャマイカ料理 |
主な材料 | アキーと塩漬けのタラ |
その他お好みで | タマネギ、スコッチボネット、トマト、スパイス |
アキーと塩漬けのタラ(アキーとしおづけのタラ、アキーアンドソルトフィッシュ、Ackee and saltfish)は、アキーとバカラオ(塩漬けのタラ)からなるジャマイカの国民食である。
背景
[編集]アキーの果実は、ジャマイカの「国の果物」である[1]。アキーは、1725年以前にガーナからカリブ海地域に持ち込まれた。アキーは、アカン族の別名であるアキエムに由来する。また、アキーの学名Blighia sapidaは、1793年にジャマイカからイギリスのキュー王立植物園にこの果実を持ち帰ったウィリアム・ブライの名前に由来する[2]。殻が開く前の種皮等、果実の一部には毒があるため、アメリカ合衆国等の国では、輸入規制がかかっている[3]。一方、塩漬けのタラは、日持ちのする安価なタンパク質源として、奴隷用にジャマイカに持ち込まれた[4]。西アフリカでは、アキーは医薬品や石鹸の材料として主に用いられ、食品としては消費されない[5]。
作り方
[編集]塩漬けのタラを茹でたアキー、タマネギ、スコッチボネット、トマトとともにソテーし、コショウやパプリカ等のスパイスで味付けする[6]。ベーコンやトマトを添えることもある。グレープフルーツ、ハードブレッド、ダンプリング、茹でた調理用バナナ等とともに朝食に食べられる[7][8]。
ライスアンドピーズや白飯と一緒に食べることもある[9][10]。調味料(タマネギ、ネギ、タイム、ニンニク)や塩漬けのタラを白飯と合わせたものは、しばしばseasoned riceと呼ばれ、アキーを含むワンポットミールとなる[11]。
-
アキーの実は猛毒のためそのままでは食べられない。
-
コールスローとともに
文化への影響
[編集]アキーと塩漬けのタラは、ジャマイカの国民食として広く認知されている[12][13][14]。ガーディアン誌によると、ジャマイカの陸上競技選手であるウサイン・ボルトは、朝食で良くアキーと塩漬けのタラを食べていた[15]。ハリー・ベラフォンテの1956年のヒット曲Jamaica Farewellでは、「アキーライス、塩漬けのタラは良い」と宣言している[16]。
出典
[編集]- ^ Millicent Taffe (7 March 2013). The Original Ackee and Salt Fish Recipe. Booktango. p. 14. ISBN 978-1-4689-2493-0
- ^ “ACKEE”. 2012年4月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年4月1日閲覧。
- ^ “Import Alert 21-11”. 2024年2月17日閲覧。
- ^ Wilson, Korsha (21 June 2017). “The History of Jamaica Tastes Like Ackee and Saltfish”. Vice
- ^ Sainsbury, Brendan. “Ackee and saltfish: Jamaica’s breakfast of champions” (英語). www.bbc.com. 2023年6月2日閲覧。
- ^ Heather Arndt Anderson (11 July 2013). Breakfast: A History. AltaMira Press. p. 74. ISBN 978-0-7591-2165-2
- ^ James Newton. Jamaican Cookbook - Classic Jamaican Cuisine. Springwood emedia. p. 13. ISBN 978-1-4762-3118-1
- ^ John DeMers (13 March 2012). Authentic Recipes from Jamaica. Tuttle Publishing. p. 66. ISBN 978-1-4629-0536-2
- ^ Rashid, Adnan (18 October 2019). “Take a sneak peek at the exciting new menu at this Burton pub”. Derbyshire Live
- ^ Keith Lorren. Caribbean Soul Cookbook. Lulu. p. 24. ISBN 978-1-105-91549-9
- ^ Dr. Milicent J. Coburn (3 November 2017). Treasures of the Tropics. Trafford Publishing. p. 74. ISBN 978-1-4907-8462-5
- ^ Dunne, Daisy. “Interactive: How climate change could threaten the world's traditional dishes”. Carbon Brief. 9 May 2020閲覧。
- ^ Washington, Bryan (1 July 2019). “Coming Back to Ackee and Saltfish, Jamaica's National Dish”. The New Yorker
- ^ “Top 10 National Dishes -- National Geographic” (英語). Travel (2011年9月13日). October 14, 2016時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月8日閲覧。
- ^ Seal, Rebecca (18 April 2015). “Breakfast of champions: Usain Bolt's ackee and saltfish”. The Guardian
- ^ Harry Belafonte – Jamaica Farewell 2021年10月19日閲覧。