コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

やらずぶったくり (小説)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
やらずぶったくり
著者 梶山季之
発行日 1971年
発行元 集英社
ジャンル 痛快小説・経済小説
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 上製本
ウィキポータル 文学
[ ウィキデータ項目を編集 ]
テンプレートを表示

やらずぶったくり』は、梶山季之長編小説。1970年から『週刊明星』に連載された[1]

内容

[編集]

70年代はじめに、証券会社に入社した二人。貧乏で容姿も優れぬ海太郎は麦彦にコンプレックスを持つが、仕事も恋愛も負けん気で努力していた。しかし、次々に不幸な出来事が重なり、裸一貫からやりなおそうと奮闘する。

登場人物

[編集]
  • 水原麦彦(みずはら つぎひこ) - 世界証券の社員。27歳。大蔵官僚[2]の息子で、すらりとした長身。
  • 神田海太郎(かんだ みたろう) - 同じく世界証券の社員で同期入社。28歳。水原の一学年先輩だが、大学を一年留年している。小太りの小男。
  • 神田陽子(かんだ ようこ) - 海太郎の従姉妹。四つ違いの24歳。演劇志望だったが、新宿のバーホステスをしている。麦彦の子を身ごもり堕胎手術をする。
  • 川瀬道子(かわせ みちこ) - 陽子が働くバー『ホット』のママ。
  • 川瀬弓子(かわせ ゆみこ) - 道子の娘。海外旅行の費用が欲しい。
  • 辺見敏吉(へんみ としきち) - 海太郎が住む下宿の大家。70歳。二千万で下宿屋が売れそうなので、海太郎ら下宿人に立ち退きを通告する。
  • 多々良敬三(たたら けいぞう) - 海太郎の大学時代の友人。中野でアシスタントを雇い漫画家をやっている。海太郎に引っ越し先を世話する。
  • 羽田加奈子(はねだ かなこ) - 海太郎と同じ下宿に住む未亡人。生命保険の外交員。
  • 小笠原絹子(おがさわら きぬこ) - リアカーで引っ越し中の海太郎を車ではねた女性。芸大で演劇選考。23歳。長身でミニスカートを履く。
  • 倉坂公子(くらさか きみこ) - 麦彦の婚約者で絹子の親友。小柄な若手女優。
  • 光村千之助(みつむら せんのすけ) - 辺見の下宿屋を入手した実業家。女たらしだが同性愛者でもある。40歳。

書誌情報

[編集]
  • やらずぶったくり(新連載) 梶山季之・横塚繁(挿絵)『週刊明星』52ページ(1970年8月9日号から連載)集英社
  • 『やらずぶったくり(やらずの巻)』『やらずぶったくり(ぶったくりの巻)』集英社 1971年 
  • 『やらずぶったくり(やらずの巻)』『やらずぶったくり(ぶったくりの巻)』大歳克衛(表紙カバー絵) 集英社文庫 1986年 ISBN 4-08-749161-7

脚注

[編集]
  1. ^ 一匹狼的な立場で金と女を獲得する人物を描く痛快小説ではあるが、官能小説で構成されている部分もある。
  2. ^ 1970年代の大蔵省は2001年(平成13年)1月6日、中央省庁再編により財務省に改称。

関連項目

[編集]