みんチャレ
みんチャレは、2015年にソニー の新規事業創出プログラム「Sony Seed Acceleration Program(SAP)」からリリースされたスマートフォン向け習慣化アプリ[1][2]。現在は2017年にソニーから独立したエーテンラボ株式会社が開発・運用を行なっている[3]。
対応プラットフォームはiOSとAndroidで、基本は無料で利用できる[4]。
概要
[編集]習慣化の仕組み
[編集]同じ目標を持つユーザー同士が最大5人で1チームを組んで、毎日挑戦した内容をチャットで報告し合いながら「習慣化」に取り組む[5]。仲間同士で支え合う「ピアサポート」、行動経済学で人が自発的に行動する手助けをする「ナッジ理論」、「ゲーミフィケーション」の要素を応用している[6][7]。
最大5人1組のチーム制
[編集]テストの結果、5人で報告し合うことが一番習慣化に繋がったことから5人という人数に設定している[8]。チームの仲間にチャレンジした証拠写真(チャレンジ写真)を共有したり、スタンプやメッセージを使って互いを励まし合えたりする[9]。ユーザーが他のユーザーからフィードバック(反応)を受けることで、行動を強化し、繰り返すようになるというゲーミフィケーションの原理を応用し[10]、自分の投稿に反応があれば励みになり、他のメンバーにとっては良い刺激にもなる[11]。
チャレンジ写真
[編集]メンバーに共有する証拠写真。人は「想像できないもの」が送られてきたほうが飽きにくいため、毎日の証拠写真を送りあう仕組みを採用している[12]。当日撮影したものしか投稿できず、誤魔化しがきかない仕様になっている[13]。
自動退出期間
[編集]一定期間アクションをしない幽霊部員はシステムに強制的にチームを退出させられ、メンバーが入れ替わる[14]。自動退出期間はチームによって2〜15日に設定されている。退出するとメンバーとのコミュニケーシを途絶えてしまうので「チームを退出したくない」という気持ちが投稿を続ける強制力になる。
ユーザーの会話を促すAIチャットボット
[編集]みんチャレには、ユーザー同士のコミュニケーションや行動変容を促すAIチャットボットが搭載されており、自己紹介を促したり、積極的にユーザーを褒めることで他の人も褒めやすくするなどの役割を担っている[15]。AIチャットボットには、戦隊ヒーローをイメージした5匹のネコに似たキャラクター「にゃんチャレンジャー」[16]、プレミアムユーザー限定の「サボり屋のブラック」[17]、ChatGPTを活用した「にゃんチャレAI」がいる[18]。「にゃんチャレンジャー」は、「情熱的なレッド」、「冷静なブルー」、「怠け者のグリーン」、「お調子者のイエロー」、「甘えん坊のピンク」の5匹からなる[19]。開発者によると、マイペースなイメージがありつつ、夜な夜な公園に集まっている感じからネコの風貌をしたキャラクターを採用したが、ネコではないとしている[20]。
寄付機能
[編集]習慣化することで貯めたコインを植樹や食料支援などの社会貢献活動に寄付することができる[21]。
カテゴリー(チャレンジ)
[編集]習慣化のカテゴリーには、体重記録、食事改善、トレーニング、歩く、ウォーキングリレー、ランニング、早起き、睡眠をとる、マインドフルネス、勉強、健康・美容、家事・仕事、趣味・創作、禁煙などがある[22]。他に、特定の企業やサービスのユーザーに限定した「公式チャレンジ」がある[23]。
利用者層
[編集]小学生の宿題チームから高齢者のウォーキングチームまで幅広い年齢層が利用している[24][25]
脚注
[編集]- ^ “ソニー、三日坊主防止アプリ「みんチャレ」を公開--新規事業創出プログラム”. CNET Japan (2015年11月6日). 2023年9月6日閲覧。
- ^ 株式会社インプレス (2015年11月9日). “ソニーから三日坊主しなくなるアプリ「みんチャレ」登場”. ケータイ Watch. 2023年9月6日閲覧。
- ^ 日本経済新聞社 (2023年6月6日). “130万ユーザーの習慣アプリで「我慢しないSDGs」|SDGs|日経BizGate”. 日経BizGate. 2023年9月6日閲覧。
- ^ ASCII. “習慣化を促す三日坊主防止アプリ「みんチャレ」を体験してみた”. 週刊アスキー. 2023年9月6日閲覧。
- ^ 朽木誠一郎. “運動を〝続ける〟には何が必要か デジタルで得られる新しいサポート”. withnews.jp. 2023年9月6日閲覧。
- ^ “ユーザー数100万人を達成した習慣化アプリ『みんチャレ』 「世の中への価値」にこだわり続けるエーテンラボ 長坂氏の挑戦”. JP Startups (ジャパスタ) (2022年8月18日). 2023年9月6日閲覧。
- ^ “グーグルも認める習慣化アプリ、「みんチャレ」開発者の原点 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)”. forbesjapan.com. 2023年9月6日閲覧。
- ^ “グーグルも認める習慣化アプリ、「みんチャレ」開発者の原点 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)”. forbesjapan.com. 2023年9月6日閲覧。
- ^ “目標達成の秘訣は「ゆるいつながり」?習慣化アプリ「みんチャレ」がいま求められる理由”. 日本財団 (2020年5月1日). 2023年9月6日閲覧。
- ^ “グーグルも認める習慣化アプリ、「みんチャレ」開発者の原点 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)”. forbesjapan.com. 2023年9月6日閲覧。
- ^ “目標達成の秘訣は「ゆるいつながり」?習慣化アプリ「みんチャレ」がいま求められる理由”. 日本財団 (2020年5月1日). 2023年9月6日閲覧。
- ^ “ロゴを「真のユーザー体験」に近づけたら「あらゆる重要指標」が10%以上改善した。習慣化アプリ「みんチャレ」が語るロゴ改善効果と、他人を「褒めること」が自分の成功につながる理由|アプリマーケティング研究所”. アプリマーケティング研究所 (2021年3月29日). 2023年9月6日閲覧。
- ^ “自力ダイエットが無理なら他人にあやかれ! スマホアプリ「みんチャレ」を使えば、三日坊主を卒業できる!? 相互監視の力は偉大なり”. ロケットニュース24 (2021年8月8日). 2023年9月6日閲覧。
- ^ INC, SANKEI DIGITAL (2020年3月19日). “【近ごろ都に流行るもの】スマホアプリ「みんチャレ」 遠くの仲間と「ワンチーム」、生活習慣病対策に効果(1/3ページ)”. 産経ニュース. 2023年9月6日閲覧。
- ^ “ロゴを「真のユーザー体験」に近づけたら「あらゆる重要指標」が10%以上改善した。習慣化アプリ「みんチャレ」が語るロゴ改善効果と、他人を「褒めること」が自分の成功につながる理由|アプリマーケティング研究所”. アプリマーケティング研究所 (2021年3月29日). 2023年9月6日閲覧。
- ^ “5人寄れば脱「三日坊主」、ソニーから独立起業”. 日本経済新聞 (2017年12月27日). 2023年9月6日閲覧。
- ^ “英語の独学の習慣化に人気のみんチャレとは?アプリでもだめなら最終兵器はコレ!”. 日本英会話スクールエージェント|Profoundium English Media (2023年1月13日). 2023年9月6日閲覧。
- ^ “ChatGPT活用のAIキャラクターがコメント、習慣化アプリ「みんチャレ」”. ascii.jp (2023年5月8日). 2023年9月6日閲覧。
- ^ 佐藤史紹 (2023年7月5日). “ユーザーが本当に求める体験を実現すれば事業は伸びる。習慣化アプリ「みんチャレ」の成長の裏側 - CX(顧客体験)のメディア「XD:クロスディー」”. XD(クロスディー). 2023年9月6日閲覧。
- ^ “「意識低い私が、みんチャレを始めても大丈夫ですか?」習慣化アプリ開発者に聞く|ウートピ”. ウートピ (2018年8月11日). 2023年9月6日閲覧。
- ^ “習慣化アプリでフレイル予防、公民連携で市民の行動変容を促す”. 新・公民連携最前線|PPPまちづくり. 2023年9月6日閲覧。
- ^ “三日坊主防止アプリ「みんチャレ」 仲間と習慣化めざす”. 日本経済新聞 (2022年8月17日). 2023年9月6日閲覧。
- ^ ASCII. “みんチャレ、楽しく習慣化させる三日坊主防止アプリ”. 週刊アスキー. 2023年9月6日閲覧。
- ^ “決め手は最初の10秒 プロが教える三日坊主にならない目標の立て方:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2022年1月8日). 2023年9月6日閲覧。
- ^ “「習慣化アプリ」はどこまで高齢者の“心と体”を変えるか”. 新・公民連携最前線|PPPまちづくり. 2023年9月6日閲覧。
外部リンク
[編集]- みんチャレ
- みんチャレ 公式ブログ
- みんチャレ (@minchalle) - X(旧Twitter)