ひなび(陽旅)
ひなび(陽旅)(ひなび)は、東日本旅客鉄道(JR東日本)が保有する観光列車(のってたのしい列車)用の鉄道車両の愛称である。
概要
[編集]東北地方を中心に2編成が運行されていたHB-E300系「リゾートあすなろ」をリニューアルした車両のひとつで、その第1弾として2022年11月に導入が発表され[1]、2023年12月に営業運転を開始した[2]。愛称の「ひなび」は、「ぬくもりのあるゆったりとした旅」を表現したものである[1]。
改造内容
[編集]HB-E300系のAH1編成(「リゾートあすなろ」第1編成)を秋田総合車両センターでリニューアルしたもの[3]で、のちに登場した「SATONO」と共通の改造内容である[4]。座席は1号車がグリーン車、2号車が普通車となっており、1号車となるHB-E302-3のみHB-E302-703に改番されている[3]。
外装色にはかつて盛岡支社管内の気動車に使用されていた色分け(盛岡色)を取り入れ、白色をベースに赤色を配したものとした[5]。編成の中間部に山を、その前後の窓下に波や花吹雪などを並べて自然を表現したほか、水引をイメージした帯をまとっている[1]。
1号車の車内は種車から大きく変更され、2+1配列のテーブル付きボックスシート(4人掛け3組・2人掛け5組)と窓向きの座席(1人掛け3席)を配置した構成となった[1][5]。運転台後部のフリースペースと展望座席が引き続き設置されているほか、連結面側には荷物置き場が増設されている[1][4]。
2号車は種車同様に2+2配列の回転リクライニングシートを配した構成となっているが、一部の配色などが変更されている[5]。また、運転台後部のフリースペースからは展望座席が撤去された[4]。
-
ロゴマーク
-
1号車車内
-
4人掛けボックスシート
運用
[編集]盛岡車両センターに配置され[3]、2023年12月23日・24日に盛岡駅 - 釜石駅間で運転された団体専用列車「ひなび釜石デビュー号」が初の営業運転となった[2]。
「リゾートあすなろ」時代と同じく臨時列車として岩手県・青森県内を運行しており[1]、2024年3月時点では盛岡駅 - 釜石駅間の「ひなび釜石」、盛岡駅 - 宮古駅間の「ひなび宮古」、八戸駅 - 大湊駅間の「ひなび下北」の3列車(いずれも快速列車[6])を基本としている[7]。このうち「ひなび釜石」は「SL銀河」の後継にも位置付けられている[8]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f 「JR東日本盛岡支社,観光列車「ひなび(陽旅)」を導入 〜HB-E300系「リゾートあすなろ」を改造〜」『』交友社、2022年11月24日。2024年4月23日閲覧。
- ^ a b 「HB-E300系「ひなび(陽旅)」が営業運転を開始」『』交友社、2023年12月24日。2024年4月23日閲覧。
- ^ a b c 『鉄道ダイヤ情報 2024年1月号』交通新聞社、2024年、115頁。
- ^ a b c 『鉄道ピクトリアル 2024年5月号』電気車研究会、2024年、130頁。
- ^ a b c 「岩手・青森地区の新しい観光列車「ひなび(陽旅)」に乗った!」『』ネコ・パブリッシング、2023年11月22日。2024年4月23日閲覧。
- ^ 『JR時刻表 2024年4月号』交通新聞社、p.650-653
- ^ “ひなび(陽旅)”. 東日本旅客鉄道. 2024年4月23日閲覧。
- ^ “観光列車「ひなび」”. 釜石物産観光協会. 2024年4月23日閲覧。