産交バス人吉営業所
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(ひとよし号から転送)
産交バス人吉営業所(さんこうバスひとよしえいぎょうしょ)は九州産交バスの子会社である産交バスの営業所の一つ。かつては、1991年に本体である九州産業交通から地域ごとに分社化され、熊南産交管内の営業所という位置付けがなされていたが、2005年4月に子会社再統合によって現在は産交バスの営業所として位置付けられている。
所在地
[編集]- 併設停留所: 人吉産交
- かつては営業所とは別に人吉スターレーン(ボウリング場)前に同名の停留所が設けられていた。神瀬線・黒白線は当営業所に乗り入れなかったが、2010年3月に実施した人吉地区でのダイヤ改正後は、神瀬線・黒白線も一旦当営業所に乗り入れた後、市内中心部を通り、終点まで運行する形となった。
人吉営業所の他に球磨郡多良木町に多良木車庫がある。
担当路線
[編集]主に当営業所を起点として、人吉市内全域ならびに球磨郡の町村ほぼ全域をカバーしている。[1]
- 1995年以前は、当営業所より離れた市内中心部の上青井町にあった人吉ターミナルを起点として運行されていたが、老朽化により解体され、その後人吉市と球磨郡内を運行する路線バスは全て当営業所を発着とするようになった。2006年に社屋は老朽化により同じ場所で建て替えられた。なお人吉ターミナル跡地は現在、近くにある熊本銀行人吉支店の駐車場となっている。
- 以前においては高速バスの熊本-宮崎線「なんぷう号」や熊本-鹿児島線「きりしま号」も1995年より[2] 当営業所に乗り入れていたが、2006年に社屋建て替えを機に乗り入れが廃止され、現在人吉を経由する高速バスは人吉IC停留所からの乗降となっている。
- 過去には人吉インター周辺には路線バスは全く通っておらず、人吉市街地へのアクセスは自家用車やタクシーしか手段がなかったが、その後人吉周遊バスや一般路線バスが運行するようになった。その後一度バスの乗り入れは廃止されたが、現在はじゅぐりっと号(後述)が日中1時間に1本程度運行されている。なお停留所前には昼夜に関係なくバスの到着時間に合わせ、地元のタクシーが数台待機している。
当営業所からの発着路線
[編集]一般路線バス
[編集]斜字はこの停留所を終点とする便が設定されていることを意味する。
- 石水寺~人吉線(国道経由)(人吉産交-人吉駅前-医療センター-人吉産交-カルチャーパレス前-西人吉駅前-石水寺入口)
- 石水寺~人吉線(旧道経由)(人吉産交-人吉駅前-医療センター-人吉産交-カルチャーパレス前-中神-石水寺入口)
- 神瀬~石水寺線(神瀬福祉センターたかおと-白石駅入口-球泉洞前-球磨村役場-一勝地駅前-渡駅前-石水寺入口)
- 2014年4月のダイヤ改正において、それまで運行されていた神瀬線を石水寺入口で系統分割して誕生した路線。球磨村コミュニティバスの受託運行という形態になっている。石水寺~人吉線の石水寺入口行きがそのまま直通するが、運賃は通算されない。
- 神瀬福祉センターたかおとは神瀬線当時は「旧神の瀬小学校前」という停留所名だったが、この路線の新設によって改名されている。
- 五木線(人吉産交-人吉駅前-川村駅入口-人吉木材工業団地前-相良村役場前-(茶湯里(さゆり)温泉前・一部便のみ経由)-上田代・大谷・椎葉入口)
- 人吉五木線(人吉産交-人吉駅前-九日町-願成寺-人吉電力所前-相良村役場前-大谷-駐在所前-五木役場前-頭地)
- 湯前線・人吉古屋敷線・人吉市房線(西村経由)(人吉産交-人吉駅前-南町-人吉南高速のりば前-旧西村農協前-一武(いちぶ)小学校前-あさぎり駅前-多良木-湯の前駅前-水上役場前-古屋敷・市房登山口)
- 湯前線・人吉古屋敷線・人吉市房線(木上経由)(人吉産交-人吉駅前-九日町-石清水-木上(きのえ)小学校前-あさぎり駅前-多良木-湯の前駅前-水上役場前-古屋敷・市房登山口)
- 西村経由・木上経由とも、人吉駅-湯前駅間でくま川鉄道湯前線とほぼ並走する。
- 古屋敷柳原線(古屋敷-柳原)
- 五木椎原線と同様に古屋敷行きが柳原まで直通するが、運賃は通算されない。
- 上原田線(人吉産交-医療センター-山田橋-瓦屋町ー上林町-尾崎-馬草野(まそうの)-尾曲)※月曜・木曜運行
- 七地線(まめバス)(人吉産交-人吉駅前-南町-浪床公民館前-下十文字-七地公民館前-上十文字-浪床公民館前-南町-人吉駅前)※月曜・木曜運行
- 大柿線(まめバス)(人吉産交-人吉駅前-総合病院前-人吉産交-カルチャーパレス前-林中神-涼水戸(すずみど)温泉前)※火曜・金曜運行
- 小柿線(まめバス)(人吉産交-人吉駅前-総合病院前-小柿公民館前)※火曜・金曜運行
- 上原田線ならびに「まめバス」と記載した路線はハイエースを使用
その他の担当路線
[編集]廃止された路線
[編集]- 鹿目線(総合病院前-人吉産交-相良町-西瀬橋-上戸越)
- 大畑線(南町-東間-蟹作-赤池-下漆田-上漆田-大畑小学校前-下田代)
- 田野線(東間経由)(南町-東間-蓑野-古仏頂-木地屋-大塚-田野車庫)
- 田野線(西間経由)(総合病院前-西間下町-西間上町-蓑野-古仏頂-木地屋-大塚-田野車庫)
- 山江線(総合病院前-九日町-二日町-外山病院-前鍛冶屋町入口-駒井田-瓦屋町-与内山-上合の原-井ノ口-山江温泉センター前)
- 人吉インター線(東間経由)(古仏頂-蓑野-東間-南町-総合病院-前山田橋-鶴田町-合戦峰-鬼木町 )
- 人吉インター線(西間経由)(古仏頂-蓑野-西間上町-西間下町-総合病院前-山田橋-鶴田町-合戦峰-鬼木町 )
- 人吉タウンバス さるく人吉
- 2012年12月2日運行終了
- 五木村定期観光バス「いつきちゃん号」(翠嵐楼-人吉産交-人吉駅-九日町-人吉IC乗降口-藤田<ダム建設予定地>-瀬目公園-宮園の大イチョウ-子守唄公園・道の駅五木-小八重橋-白滝公園-水没予定地-道の駅五木-人吉IC乗降口-九日町-国宝・青井阿蘇神社-人吉駅前-人吉産交-翠嵐楼)
- ※3月~11月までの期間限定、土・日・祝祭日のみの運行(梅雨期は運休、紅葉期は平日も運行)
- 2013年3月15日運行終了
- 人吉インター線(人吉駅前-九日町-外山病院前-人吉IC乗降口)
- 2014年3月31日運行終了
- 神瀬線(人吉産交-人吉駅前-総合病院前-人吉産交-カルチャーパレス前-西人吉駅前-石水寺-渡駅前-渡小学校前-球泉洞前-旧神の瀬小学校前)
- 2014年4月からは神瀬-石水寺線と石水寺-人吉線に系統分割されて運行が続けられている。詳細は現在の運行路線の項を参照。
- 黒白線(人吉産交-人吉駅前-総合病院前-人吉産交-カルチャーパレス前-林-石水寺-渡駅-渡小学校前-一勝地駅前-黒白(くろじろ))
- 2014年4月から葉月からは球磨村コミュニティバスの一路線として運行が続けられている(産交バスは運行に関与しない)。
- 2019年3月31日運行終了
- 人吉五木線(人吉産交-人吉駅前-九日町-願成寺-人吉電力所前-相良村役場前-大谷-駐在所前-五木役場前-内谷・-駐在所前-頭地-宮園-上荒地)
- 五木村では中心部を一周するルートがとられているため、頭地から奥へ向かう便は駐在所前バス停を2回通っていた。
- 2019年より頭地-内谷・上荒地間は五木村が運営するコミュニティバス・リレーバスに転換されたが、利用者が村民に限定されたため、人吉方面から五木村の頭地以遠へ公共交通機関を利用して向かうことはできなくなった。
- 五木椎原線(上荒地-椎原(しいばる)診療所)
- 人吉五木線の終点上荒地から五家荘の南側の入口の椎原診療所へ向けて足を延ばすもので、2010年10月に運行が開始されたが、8年半後に撤退。これにより、公共交通機関を利用して五家荘を訪れることはできなくなった。
- この路線は上荒地行きがそのまま直通していたが、運賃は通算されなかった。
高速バス
[編集]- 熊本線「ひとよし号」(人吉産交-人吉IC-益城-自衛隊前-熊本県庁前-熊本桜町バスターミナル)
- 過去の主な停車停留所
- 運行休止直前(2011年8月のダイヤ改正以降)
- 2011年8月ダイヤ改正前
- 熊本 - 人吉
- 熊本交通センター(現:熊本桜町バスターミナル) - 熊本県庁前 - 自衛隊前 - 新八代駅(東口) - 人吉産交
- 路線沿革
- 九州産業交通中央営業所(現在の熊本営業所)と熊南産交(現在の産交バス)人吉営業所による共同運行。
- 2014年7月31日 - 利用者低迷により、路線維持が困難になったことを理由に同日をもって運行終了[4][5]。
- 2019年2月27日 - 産交バスが九州運輸局の認可次第で同年4月1日より1日1往復ながらも同区間を運行再開する事を発表[6]。
- 2019年4月1日 - 4年半ぶりに運行再開。
- 2020年7月31日 - 運行終了
客貨混載バス
[編集]2016年10月3日からヤマト運輸と提携の上、人吉五木線で宅急便を路線バスに積載する貨客混載バスの運行を開始した。宅急便を路線バスに積載する客貨混載バスの運行は、九州では宮崎交通に続いて2社目となり、全国では岩手県・宮崎県・北海道に次いで4県目となる。五木村方面発人吉行きが1日2便、人吉発五木村方面行きが1日1便の運行となる。
荷物の流れとしては、五木村方面発人吉行きが経路途中の相良村(「林業総合センター前」停留所)においてヤマト運輸のセールスドライバー(以下SDと表記)が五木・相良の両村で集荷した荷物をバスに乗せ、終点の当営業所においてバスの乗務員からヤマト運輸人吉センターのSDに荷物を引き渡す。逆に人吉発五木村方面行きではヤマト運輸人吉センターに届いた五木・相良の両村宛の荷物を当営業所でヤマト運輸人吉センターのSDによりバスに積み替え、相良村(「相良村運動公園前」停留所)においてそれぞれの地区を担当するSDに荷物を引き渡す[7][8][9][10]。
車両
[編集]- 2台在籍する中型車以外は小型車での運行となっている。ほとんどの在籍車が日野で、後述の球磨川氾濫による水害発生前までは日野・リエッセとレインボーRBならびに日野・ポンチョが配属され、各路線で幅広く運用されていた。[11] また京王バスから移籍した日産ディーゼル・RNも在籍していた。
- 2020年7月の集中豪雨によって同月4日未明には球磨川が氾濫し、当営業所も大規模な被害を受け、営業所建物の他、留置されていた車両25台のうち20台が車体の半分まで浸水するほどの被害に見舞われた。これにより被災した車両はほとんどが廃車となり、他営業所の車両を転属させて運用しながら同月14日より順次営業を再開した[12][13]。
- 中型車は前出の客貨混載対応として、車内中央部に宅急便専用の荷台スペース設置改造を施した三菱車(神奈川中央交通からの移籍車)が他営業所から転属して配置されている。
- 前述の水害によって被災した車両の中にはかつての人吉周遊バス専用車両も含まれており、当該車両は和歌山県海南市で観光循環バスとして使われていた2003年式の26人乗りのボンネットバス風マイクロバス(三菱ふそう・ローザの車椅子対応リフト付き)を産交バスが購入し改造した車両が使われていた。現在では一般路線バスの車両にて運行されている。
- このほか、一時期は高速バス「ひとよし号」も担当していたため、トイレ付きの大型ハイデッカー車両も2台所有していた。いずれも熊本営業所(現:高速営業所)からの転属車で、専属車は4列シートの三菱エアロバス(元「ぎんなん号」→「ひのくに号」)がメインで使用されたが、予備車として3列シートの日野セレガ(元「なんぷう号」→「りんどう号」→高速予備)が入る事もあった。両方とも使用できない際は他営業所からの貸出車両にて運用された。当該車両は「ひとよし号」運行ダイヤの関係上、間合い運用として熊本空港リムジンバスにも使用されていた。前述の水害によりこの2台も被災したことに加え、人吉市街地の道路が通行不能となったため2020年7月4日以降は運休となり、運行再開しないまま7月31日に運行終了したため、実質的には同年7月3日が最後の運行となった。
脚注
[編集]- ^ ただし、2020年現在産交バスの営業所の中では唯一他営業所と一般路線同士の接続がない(以前は八代営業所との共管で八代-人吉線を運行していた時期もあり、直通便廃止後は坂本-神瀬線・神瀬-人吉線として系統分割において乗換が可能であったが、2010年9月末で八代側の坂本-神瀬線が廃止された)ため、わくわく1dayパス(熊本県内版)を利用して一般路線バスだけでこのエリアを訪れることはできない。
- ^ その前は上記の人吉ターミナルに乗り入れ、この時には福岡 - 宮崎線「フェニックス号」も停車していた(「フェニックス号」は人吉ターミナル閉鎖後は九州自動車道全線開通まで跡地に設置された仮バス停に停車し、当営業所への乗り入れはされなかった)。
- ^ “人吉市予約型乗合タクシー利用ガイド” (PDF). 人吉市 (2011年2月24日). 2013年2月10日閲覧。
- ^ 熊本⇔人吉・多良木 高速ひとよし号運行終了のお知らせ 産交バス総合案内|九州産交バス|九州産交グループ|熊本|交通 Archived 2014年8月8日, at the Wayback Machine.
- ^ “~高速バス「ひとよし号」の廃止について~” (PDF). 産交バス (2014年6月24日). 2014年8月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年8月1日閲覧。
- ^ “2019年4月 産交バスは一挙に新4路線を運行 (PDF)” (PDF). 九州産交バス (2019年2月27日). 2019年2月28日閲覧。
- ^ 熊本県で路線バスが宅急便を輸送する「客貨混載(きゃくかこんさい) 」の開始 - ヤマト運輸 2016年10月3日
- ^ 客貨混載の運用フロー図(五木~人吉) - ヤマト運輸 2016年10月3日
- ^ ヤマト運輸、熊本県の路線バスで「客貨混載」を開始 レスポンス - 2016年10月6日
- ^ 宅配便が過疎地のバスを救う? 「客貨混載」が北海道、熊本でスタート ヤマト運輸 ZUU online
- ^ リエッセについてはトップドア仕様の他、車椅子用リフトを搭載した中扉(後乗り)仕様も在籍していた。
- ^ バス浸水「1日も早く再開を」熊本・人吉の営業所 2020年7月11日(産経新聞)
- ^ “人吉営業所の運行再開について” (PDF). 産交バス (2020年7月13日). 2020年7月14日閲覧。