ひきずり
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ひきずりあるいはひきずり鍋とは、鶏肉を使ったすき焼き[1]。鶏肉以外も含めたすき焼き全般を「ひきずり」と呼ぶ場合もあり[2][3][4]、鶏肉を使ったものを「かしわのひきずり」とも呼ぶ[5]。
概要
[編集]主に愛知県、特に名古屋市など尾張地方の郷土料理[3][6]。愛知県では古くからニワトリの飼育が盛んな地域であり[2][3]、鶏肉には主に名古屋コーチンが用いられる[7]。名称の由来は「鍋の中で肉を引きずって食べた」や「もう一度食べたくなる、引きずるほどの美味しさ」など様々な説がある[5][6][7]。岐阜県では「ひこずり」とも呼ばれる[4]。
1970年頃までは「ひきずり」が祭りや祝いの席で食べられており[6]、特に「過去を引きずらないように」との理由で大晦日の夜に食べられる縁起物とされていた[1][2][3]。近年では「ひきずり」に代わって一般的な牛肉のすき焼きが広まっているが、東海地方では関東・関西と比較して大晦日にすき焼きを食べる家庭の割合が多い傾向が見られる[8][9]。
脚注
[編集]- ^ a b “名古屋人は鶏を美味しく食べる天才かもしれない。幻の郷土料理「ひきずり鍋」を食す【とり日和 今池店】”. メシ通 (2017年8月28日). 2021年1月8日閲覧。
- ^ a b c “子どもの食育 日本各地の郷土料理 愛知県 ひきずり”. 農林水産省. 2021年1月8日閲覧。
- ^ a b c d 株式会社SN食品研究所: “ひきずり【愛知県郷土料理】”. 2021年1月8日閲覧。
- ^ a b 遠山佳治「東海地域における肉料理・肉食文化の歴史的展開の一考察」『名古屋女子大学紀要. 家政・自然編人文・社会編』第65号、名古屋女子大学、2019年3月、355-347頁、CRID 1050282813763984512、ISSN 2185-7962、NAID 120006729546、2023年9月29日閲覧。
- ^ a b “かしわのひきずり 愛知県”. 農林水産省. 2021年1月8日閲覧。
- ^ a b c “名古屋グルメ「ひきずり鍋」とは何だ?愛知旅行なら名古屋めしの王者を食べるべし!”. warakuweb (2019年9月25日). 2021年1月8日閲覧。
- ^ a b “新商品☆名古屋コーチンひきずり鍋”. さんわグループオフィシャルブログ (2014年10月31日). 2021年1月8日閲覧。
- ^ “「大晦日・お正月の晩ごはん-地域ごとにどう違う?」”. PR TIMES (2018年12月27日). 2021年1月8日閲覧。
- ^ “大晦日の夕食は何を食べる?ランキング1位は年越しそば!地域ごとの違いも紹介!”. じゃらんニュース (2020年12月18日). 2021年1月8日閲覧。