はくちょう (宇高連絡船)
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はくちょうは、かつて三井造船が建造し所有していたホーバークラフトである。
概略
[編集]1969年(昭和44年)に就航した、日本初の商業用ホーバークラフトMV-PP5型[1]の1号船である。1号船ということもあり、実験船でもあった。
エンジンはヘリコプター用のゼネラル・エレクトリック T58型ターボシャフトエンジンをベースに石川島播磨重工業(現在のIHI)が生産したガスタービンエンジンIM100型を搭載(1,050馬力)を1基搭載。このエンジンで1基の浮上ファンと2基の推進用プロペラを動かして航行する。実験船であったため、就航後も三井造船が所有し、実験や展示に使用されていた。
その他
[編集]1972年(昭和47年)に国鉄が宇野・高松間にホーバークラフト「かもめ」を就航させたことで、「はくちょう」はその予備艇となった。以降は三井造船玉野事業所に留め置かれ、「かもめ」のドック入りなどの際には代わりに運航を担った。
通常運用を外れた1980年(昭和55年)4月から、玉野海洋博物館の前庭で屋外展示されていたが、船体老朽化のため1989年(平成元年)に解体された。
プロフィール
[編集]- 総トン数:22.8トン
- 全長:16.0m
- 全幅:8.6m
- 定員:52名
- 航海速力:55kt(最高速度)
- 船体:アルミニウム合金
出典
[編集]- ^ 斎藤恒雄「ホーバークラフトMV-PP5」『三井造船技報』第70号、三井造船技術開発本部、1970年4月1日、2-6頁、doi:10.11501/3255132、ISSN 0026-6825。