どきんちょ!ネムリン
東映不思議コメディーシリーズ | ||
通番 | 題名 | 放映期間 |
第3作 | ペットントン | 1983年10月 - 1984年8月 |
第4作 | どきんちょ!ネムリン | 1984年9月 - 1985年3月 |
第5作 | 勝手に!カミタマン | 1985年4月 - 1986年3月 |
どきんちょ!ネムリン | |
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ジャンル | 特撮テレビドラマ |
原作 | 石森章太郎 |
企画 | |
脚本 | 浦沢義雄 他 |
監督 | 田中秀夫 他 |
出演者 | |
声の出演 | |
音楽 | 藤本敦夫 |
オープニング |
「ぴんく、ピンク、PINK!」 歌:山野さと子 |
エンディング |
「睡眠エネルギー」 歌:山野さと子 |
言語 | 日本語 |
製作 | |
プロデューサー |
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制作 | フジテレビ |
放送 | |
放送局 | フジテレビ系列 |
音声形式 | |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 1984年9月2日 - 1985年3月31日 |
放送時間 | 日曜 9:00 - 9:30 |
放送枠 | 東映不思議コメディーシリーズ |
放送分 | 30分 |
回数 | 全31 |
特記事項: 「東映不思議コメディーシリーズ」第4作 |
『どきんちょ!ネムリン』は、1984年9月2日から1985年3月31日までフジテレビ系で全31話が放送された特撮テレビ番組で、東映不思議コメディーシリーズの第4作目にあたる。
概要
『ペットントン』に続く異生物をメインキャラクターとした作品[1][2][3]。シリーズで初めて少女が主人公となっており[3]、少女漫画を思わせる作風となっている[4]。
ネムリンの造型は着ぐるみではなくワイヤーワークによるパペット操演で表現され[4]、前作では再現しきれなかった石森のキャラクターデザインに忠実な姿となっている[3]。当初は表情が硬かったが、徐々に造型やワイヤーワークが改良され喜怒哀楽を表現できるようになっていった[4]。
企画初期のタイトルは『ねむねむネムリン』[3]。
メインライターの浦沢義雄は、前作に続き全話執筆するつもりであったが、終盤は担当していない[5]。最終回は坂本太郎監督が台本をかなり直したという[6]。
脚本家の井上敏樹は、本作品で初めて特撮作品の脚本を担当した[7]。井上は、東映プロデューサーの平山亨が井上の父である脚本家の伊上勝と親交があったことから、井上がデビューしたことを知って起用したのだろうと述べている[7]。
本作品は好評を博していたが、当時としては比較的短期間の7か月で放送を終了している。これは、スポンサーの玩具メーカーがネムリン人形の増産に乗り出したものの、工場の手配ができずに計画が頓挫し、利益を見込めない番組の継続は難しいと判断したためである[6]。
あらすじ
ごく普通の小学生の少女、大岩マコがある晩に見た夢がきっかけで、8億年の眠りから覚めた「ネムリン」「ビビアン」「モンロー」の3人の妖精が大岩家に住み着いて、シュールな騒動を引き起こす。
登場キャラクター
妖精
- ネムリン
- 8億年の眠りから覚めた前文明の妖精の女王。1日12時間眠る体質でよく居眠りをしている。基本的に男言葉で喋る。語尾に「チョ」を付けることも多い。
- 肌身離さず身に付けている角笛は、無生物を覚醒させ(無生物も意識を持っており、動かないのは眠っているから、という理論)、触覚からは何でも出現させ(無から作り出すことも、遠くの物を取り寄せることも可)、おまじない石はどんな願いもかなえられる(ただし、絶対に望んだ形でかなえられることはない)。16話や24話のように、夢の中での出来事を現実であるかのように回想して訓話のように話すことがある。
- ビビアン
- ネムリンのお供。コウモリの妖精。女言葉で喋る。空は飛べない。ネムリンからはいつも苛められ、大岩家の家族に使われっぱなし。序盤は2頭身のぬいぐるみで登場し、ネムリンの角笛で覚醒する描写があったが[4]、後半はほぼ等身大のままで登場していた。
- モンロー
- ネムリンのお供。大柄な岩の妖精で、怪力の持ち主。何でも食べてしまう。不幸をもたらす石を持っており、騒動を巻き起こす。必殺技は「モンロー超特急便」。「おら、しらねぇ」が口癖。序盤は2頭身のぬいぐるみで登場し、ネムリンの角笛で覚醒する描写があったが[4]、後半はほぼ等身大のままで登場していた。後に中山と付き合うことになる。
大岩家
- 大岩 マコ
- 小学4年生の少女でO型。振られたアキラの写真を燃やしたのがきっかけで、その晩の夢の中でネムリンを呼び覚ました。素直で純粋な女の子らしい性格で、大岩家では最年少でありながら一番の常識人であるため、マコが事件の発端となることは少ない。兄の友人である中山をはじめとする人々に好意を抱かれている。ネムリンとは寝る時も一緒で非常に仲が良い。寝相が悪く、それをビビアンに言いふらされてしまったこともある。兄である玉三郎の奇行には迷惑しているものの、多少は妹として気にかけている。
- 大岩 玉三郎
- 小学6年生の太っちょの少年で、マコの兄。身の程知らずというか変人で、アイドル志望で堀越学園(フィクションの中等部)入学を目指している(入学すれば即アイドルになれると思っている)[8]。しかし自己客観性が皆無のため、堀越に入れるだけの学力や芸はなく、後半で入学試験を受けるものの不合格となった。女装癖持ち。「堀越へ入ろう~」などという怪しい自作の歌(正式なタイトルは『夢のサクセススクール』)を歌う。同曲はこおろぎ'73が歌ったものがレコード・CD化されている。
- 大岩 サチコ
- 30歳。玉三郎とマコの母親、専業主婦で常識人。しょっちゅう騒動を引き起こす息子を持つだけでも大変なのに、さらに騒動を持ち込む居候が増えて気苦労が絶えない。しかし、ママ自身も変な妄想にふけったり、おかしな白昼夢をみたりする、相当な変わり者である。パパとはラブラブで夫婦仲は良いが、玉三郎のことで思い悩み、離婚してお見合いをする寸前まで行ってしまったこともある。
- 大岩 ヨウスケ
- 35歳。大岩家の大黒柱で、ママの尻に敷かれ気味ではあるが、マコからは頼りにされている。常識外れな居候に癇癪を起こすこともあるが、ネムリンたちには好意的。玉三郎のアイドルになりたいという夢に対しても、ママとは逆に一定の理解を示しているが、そのためママと意見が衝突することもしばしばで、そのたびに婿養子であることを持ちだされて参っている。しかし夫婦仲は良好で、概ね「仲良し家族」である。
その他
- 中山
- 玉三郎の親友。Yシャツとスーツに蝶ネクタイという格好が基本で眼鏡をかけており、読書熱心で聡明に見えるが頭は悪い。友達の妹であるマコに好意を抱いていて、アプローチをかけている。しかし後半では中山に惚れたモンローと両思いになり付き合うこととなった。
- マサト
- 牛乳屋の青年。演じる高木は、前作ペットントンと前々作バッテンロボ丸のスーツアクターを務めた。
- 寝不足怪人イビキ
- セミレギュラーのネムリンの敵ともいえる変な怪人。世界中を睡眠不足にする野望のため、邪魔なネムリンを倒そうとしている。虫歯菌のような姿で、毎回新しい発明品を作りネムリンに襲い掛かる。口からいびきを実体化(ガォーと書いたふきだしのカタマリ「イビキミサイル」や「イビキスペシャル・イビキ文字弾」と呼ぶ)したりする[9]。テーマ曲まであり自ら歌う。
- 初登場となった第4話では、人間の夢の中に寄生して、宿主に酷いイビキをかかせて睡眠不足にする「寝不足寄生虫イビキ」という設定であった[9]。
- 演じた佐藤は、一人で人形相手に立ちまわるのに苦労したという[10]。
- タイムスリップおじさん
- セミレギュラー、常に時間と空間の中を旅する「超越者」である初老のおじさん[9]。登場当初はネムリンをシンデレラとして異世界に連れて行き、城の召使としてこき使おうとしたが、それ以降はマコの歌のレッスンの先生としてベートーベンを連れてきたりとネムリンたちに協力的になった。中世ヨーロッパの王子様(ピエロ?)のような姿で、専用のテーマ曲「タイムスリップおじさん」に乗って踊りながら登場する。「イナイイナイイナイ~イナイッ!」の呪文でかき消すようにタイムスリップする。
キャスト
- 大岩サチコ - 東啓子
- 大岩ヨウスケ - 福原一臣
- 大岩マコ - 内田さゆり
- 大岩玉三郎 - 飛高政幸
- 中山 - 岩国誠
- マサト - 高木政人
- 寝不足怪人イビキ - 佐藤正宏
- タイムスリップおじさん - 奥村公延
声の出演
スーツアクター
- ビビアン - 山崎清
- モンロー - 石塚信之
スタッフ
- 企画 - 前田和也(フジテレビ)、木村京太郎(読売広告社)、平山亨(東映)
- 原作 - 石森章太郎
- 連載 - なかよしデラックス、テレビランド、テレビマガジン、たのしい幼稚園、おともだち、ディズニーランド
- 脚本 - 浦沢義雄、寺田憲史、井上敏樹
- 音楽 - 藤本敦夫
- プロデューサー - 遠藤龍之介(フジテレビ)、植田泰治、西村政行(東映)
- 撮影 - 林迪雄(J・S・C)、大村日出男
- 照明 - 大須賀国男、上原福松、関口弥太郎、大森康次
- 美術 - 北郷久典、安井丸男
- 助監督 - 大井利夫、大竹真二、近藤杉雄、笠倉隆、河田章
- 録音 - 上出栄二郎、川島一郎
- 編集 - 水間正勝、樽本恵子、河合利江子
- 選曲 - 秋本彰
- 効果 - 原田千昭、柳谷敏典
- 記録 - 森美禮、渋谷康子、山下千鶴
- 撮影助手 - 大沢信吾、茂呂高志、阿部昌弘
- 照明助手 - 大森康次、森野茂樹、馬場伸人
- 装置 - 金子光夫
- 装飾 - 高橋純一、青木宏、橋本俊雄、諸岡秀一
- 衣裳 - 東京衣裳
- 美粧 - 佐藤泰子
- 人形操作 - スタジオ・ノーバ(塚越寿美子、田谷真理子、日向恵子)
- 資料担当 - 青柳誠
- 現像 - 東映化学
- 造型協力 - レインボー造型企画
- 協力 - 那須ロイヤルホテル
- 進行 - 藤沢克則、高岡博彦、富田幸弘
- 制作デスク - 田辺史子
- 制作担当 - 鈴木勝政、大櫛敬介
- 監督 - 田中秀夫、岡本明久、坂本太郎、大井利夫、加藤盟、佐伯孚治、大竹真二
- 制作 - フジテレビ、東映、読売広告社(ノークレジット)
主題歌
劇中歌
- 「ストップ・ザ・ネムリン」
- 歌 - 室井深雪 (20・24・25話)
- 「夢のサクセススクール」
- 歌 - 飛高政幸 (20・23・26話)、こおろぎ'73(24話)
- 「タイムスリップおじさん」
- 歌 - 山野さと子 (25話)
- 「寝不足怪人イビキ」
- 歌 - 本間勇輔 / セリフ - 佐藤正宏 (27話)
- すべて作詞 - 浦沢義雄 / 作曲・編曲 - 本間勇輔
放送日程
放送日 | 話数 | サブタイトル | ゲストキャラクター | 脚本 | 監督 |
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1984年 | 9月 2日1 | おはよう8億年の眠り |
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浦沢義雄 | 田中秀夫 |
9月 | 9日2 | 起きろ玉三郎の脳みそ | |||
9月16日 | 3 | 不思議なブローチ | 岡本明久 | ||
9月23日 | 4 | 寝不足おじさん |
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9月30日 | 5 | アキカン怪物の大逆襲 |
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坂本太郎 | |
10月 | 7日6 | ネクラな人は大嫌い! |
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10月14日 | 7 | 必殺!イビキスプレー |
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田中秀夫 | |
10月21日 | 8 | 恐怖のお見合い騒動! |
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10月28日 | 9 | マコの(秘)スキャンダル |
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大井利夫 | |
11月 | 4日10 | バス停くん田舎へ帰る | |||
11月11日 | 11 | 盗まれた魔法の角笛 | 坂本太郎 | ||
11月18日 | 12 | 返してよ!オレの夢 |
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11月25日 | 13 | 男はつらいよ!玉三郎 |
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加藤盟 | |
12月 | 2日14 | 爆笑!タイムスリップ |
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12月 | 9日15 | 戦え寝不足怪人イビキ |
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岡本明久 | |
12月16日 | 16 | 肉まん・アイス大戦争 | |||
12月23日 | 17 | サンタ・一発大勝負!! |
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田中秀夫 | |
12月30日 | 18 | さすらいの除夜の鐘 | |||
1985年 | 1月 6日19 | 激突!イビキミサイル | 坂本太郎 | ||
1月13日 | 20 | モンローの純愛物語 |
| ||
1月20日 | 21 | アッパレ桃太郎 | |||
1月27日 | 22 | 大逆転!パパとママ | |||
2月 | 3日23 | 受験生の敵!バーカ |
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佐伯孚治 | |
2月10日 | 24 | 燃えろ!タコ焼きの青春 |
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2月17日 | 25 | 出た!ベートベン |
|
坂本太郎 | |
2月24日 | 26 | アイドルDJ!玉三郎 |
| ||
3月 | 3日27 | イビキのガイコツ作戦 |
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大井利夫 | |
3月10日 | 28 | 決定!?街の大スター |
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寺田憲史 | |
3月17日 | 29 | ママは恋のライバル | 井上敏樹 | 坂本太郎 | |
3月24日 | 30 | アイドル故郷へ帰る?! |
|
寺田憲史 | |
3月31日 | 31 | さよなら愛の妖精 |
総集編 |
大竹真二(構成) | 大竹真二 |
視聴率
- 最高視聴率:18.2%「第24話」(東映不思議コメディーシリーズ歴代7位)
ビデオリサーチ調べ、関東地区
ネット局
この節の加筆が望まれています。 |
- フジテレビ:日曜 9:00 - 9:30
- 北海道文化放送:日曜 9:00 - 9:30[11]
- 仙台放送:木曜 16:00 - 16:30[12]
- 福島テレビ:水曜 17:30 - 18:00[12]
- 新潟総合テレビ:日曜 9:00 - 9:30[13]
- 石川テレビ:日曜 9:00 - 9:30[14]
- テレビ山梨:金曜 17:20 - 17:50(1985年11月20日まで放送、約7か月遅れ)[15]
- テレビ静岡:金曜 7:30 - 8:00[16]
- 東海テレビ:日曜 9:30 - 10:00[17]
- 関西テレビ:土曜 7:30 - 8:00[18]
- テレビ新広島:日曜 10:30 - 11:00 → 木曜 16:00 - 16:30
- テレビ西日本:日曜 9:00 - 9:30[19]
- サガテレビ:金曜 16:00 - 16:30
- テレビ熊本:
映像ソフト化
2008年7月21日発売の「石ノ森章太郎 生誕70周年 DVD-BOX」に第1話が収録され、初のソフト化となった。
コミカライズ
CS放送・ネット配信
- CS放送
- ネット配信
脚注
- ^ 全怪獣怪人 下 1990, p. 365.
- ^ 常識 2013, pp. 110、146.
- ^ a b c d 「ヒーローファイル どきんちょ!ネムリン」『甦る!石ノ森ヒーローファイル』Gakken〈Gakken Mook〉、2013年9月10日、83頁。ISBN 978-4-05-610166-9。
- ^ a b c d e 常識 2013, pp. 110–111, 「ネムリンはどうして現代にやってきた?」
- ^ 「スーパー戦隊制作の裏舞台 浦沢義雄」『スーパー戦隊 Official Mook 20世紀』《1996 激走戦隊カーレンジャー》講談社〈講談社シリーズMOOK〉、2018年8月9日、32頁。ISBN 978-4-06-509607-9。
- ^ a b 平山亨 (2012). 泣き虫プロデューサーの遺言状~TVヒーローと歩んだ50年~. 講談社. p. 272. ISBN 4063649008
- ^ a b 「スーパー戦隊制作の裏舞台 井上敏樹」『スーパー戦隊 Official Mook 20世紀』《1991 鳥人戦隊ジェットマン》講談社〈講談社シリーズMOOK〉、2018年5月10日、33頁。ISBN 978-4-06-509613-0。
- ^ 常識 2013, pp. 114–115, 「マコの兄・玉三郎の抱く「無謀すぎる夢」とは?」
- ^ a b c 常識 2013, pp. 112–113, 「ネムリンとライバル関係にある怪人とは?」
- ^ 全怪獣怪人 下 1990, p. 399.
- ^ 『北海道新聞』(縮刷版) 1984年(昭和59年)9月 - 1985年(昭和60年)3月、テレビ欄。
- ^ a b 『福島民報』1985年1月各日朝刊テレビ欄
- ^ 『新潟日報』1985年1月各日テレビ欄
- ^ 『北國新聞』1984年10月7日付朝刊、テレビ欄。
- ^ 『山梨日日新聞』1985年11月20日付朝刊テレビ欄
- ^ 『静岡新聞』1985年1月各日テレビ欄
- ^ 『中日新聞』1985年1月各日テレビ欄
- ^ 『京都新聞』1985年1月各日テレビ欄
- ^ 『西日本新聞』1984年(昭和59年)9月 - 1985年(昭和60年)3月、テレビ欄。
参考文献
- 『全怪獣怪人』 下巻、勁文社、1990年11月30日。ISBN 4-7669-1209-8。C0676。
- 『特撮ヒーローの常識 80年代篇』監修:東映、双葉社、2013年8月11日。ISBN 978-4-575-30558-6。
フジテレビ 日曜朝9時 - 9時30分枠(1984年9月 - 1985年3月) | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
どきんちょ!ネムリン
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