そよぐ幻影
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「そよぐ幻影」(そよぐげんえい)は、西村朗作曲、大手拓次作詞の混声合唱組曲である。また、同組曲終曲のタイトルでもある。1985年(昭和60年)出版。
概説
[編集]音楽之友社「教育音楽」の委託曲。1985年(昭和60年)1月13日に宇都宮大学混声合唱団の第18回定期演奏会(宇都宮市文化会館大ホール)で初演された。指揮は栗山文昭、ピアノは田中瑤子。
西村朗の大手拓次三部作の第二作にあたる。第一作は「まぼろしの薔薇」、第三作は「秘密の花」。いずれも大手拓次の詩集『藍色の蟇』のテクストを用いている。西村朗が「旋律、和声、リズム、動機等、さまざまの点で有機的な結びつきを持ち、私にとっては本来分かち難いもので、いつの日にかこれら三作が一夜のコンサートにおいてまとめて上演されることを今は夢見ております」[1]と語るように、三部作は音楽的・内容的関わり合いが強い。
ヘテロフォニーをテーマに扱うことの多い西村朗の作品として、これらの大手拓次三部作は数少ない伝統的な調性感・和声感に基づく合唱曲であり、本人も「私の作品としてはこれらは特殊なものであり、数が限られていることもあって、今も愛着を感じている」[1]と述べている。
曲目
[編集]全5楽章からなる。いずれも『藍色の蟇』収録の連作詩「白い狼」および「みづのほとりの姿」から。
楽譜
[編集]音楽之友社より1985年(昭和60年)出版。
レコード・CD
[編集]CD名 | 発売日 | レーベル | ASIN | JAN |
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日本合唱曲全集「まぼろしの薔薇」西村朗作品集(1) | 2005/10/21 | 日本伝統文化振興財団 | B000B84PSE | 4519239010460 |
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 大手拓次「藍色の蟇」(1965年(昭和40年)10月25日)