コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

その他の数学記号A

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
その他の数学記号A
Miscellaneous Mathematical Symbols-A
範囲 U+27C0..U+27EF
(48 個の符号位置)
基本多言語面
用字 Common
主な言語・文字体系
割当済 48 個の符号位置
未使用 0 個の保留
Unicodeのバージョン履歴
3.2 28 (+28)
4.1 35 (+7)
5.0 39 (+4)
5.1 44 (+5)
6.0 46 (+2)
6.1 48 (+2)
公式ページ
コード表 ∣ ウェブページ
テンプレートを表示

その他の数学記号A(そのたのすうがくきごうA、英語: Miscellaneous Mathematical Symbols-A)は、Unicodeの90個目のブロック

解説

[編集]

数学記号のうち、数学記号ブロックに含まれていないものが収録されている。

Unicodeのバージョン3.2において初めて追加された。

収録文字

[編集]
コード 文字 文字名(英語) 用例・説明
その他の記号
U+27C0 THREE DIMENSIONAL ANGLE 立体角

ユークリッド幾何学で用いられる[1]

U+27C1 WHITE TRIANGLE CONTAINING SMALL WHITE TRIANGLE ユークリッド幾何学で用いられる[1]
U+27C2 PERPENDICULAR 幾何学における垂直記号専用の記号。

ユークリッド幾何学で用いられる。

U+22A5 ⊥ UP TACKは論理学において偽の真理値を表すことがあり、カーニングにおいて差異があること、LaTeX上で両者が区別されていることから、垂直記号専用の記号として符号位置を分離された[2]

U+27C3 OPEN SUBSET 位相ベクトル空間有界部分集合を表す[3]
U+27C4 OPEN SUPERSET
対になる約物
U+27C5 LEFT S-SHAPED BAG DELIMITER 多重集合の定義を表す際に用いられる[3]
U+27C6 RIGHT S-SHAPED BAG DELIMITER
演算子
U+27C7 OR WITH DOT INSIDE
その他の記号
U+27C8 REVERSE SOLIDUS PRECEDING SUBSET
U+27C9 SUPERSET PRECEDING SOLIDUS
縦線演算子
U+27CA VERTICAL BAR WITH HORIZONTAL STROKE
その他の記号
U+27CB MATHEMATICAL RISING DIAGONAL 以下の用法がある。
除算演算子
U+27CC LONG DIVISION 除算記号。初等教育などの筆算において割り算で用いられる[5]

右に書かれる被除数(割られる数)の長さだけ上の水平線が伸びる[1]

その他の記号
U+27CD MATHEMATICAL FALLING DIAGONAL 以下の用法がある。
  • 両側剰余類の空間の記述に用いられる[4]
  • 合成体の記述に用いられる。
演算子
U+27CE SQUARED LOGICAL AND 形態学的最小積演算子、形態学的侵食演算子、加法最小演算子を表す[1]

主に機械学習の分野で用いられ、加算の後に最小値を求める非線形演算子(box-min)として用いられる。通常のANDで書かれる畳み込み演算子(乗算のあとに加算する)と区別するために四角い囲みが付けられている[6]

U+27CF SQUARED LOGICAL OR 形態学的最大積演算子、形態学的拡張演算子、加法最大演算子を表す[1]

主に機械学習の分野で用いられ、加算の後に最大値を求める非線形演算子(box-max)として用いられる。通常のORで書かれる畳み込み演算子(乗算のあとに加算する)と区別するために四角い囲みが付けられている[6]

その他の記号
U+27D0 WHITE DIAMOND WITH CENTRED DOT
演算子
U+27D1 AND WITH DOT
U+27D2 ELEMENT OF OPENING UPWARDS
U+27D3 LOWER RIGHT CORNER WITH DOT 圏論における引き戻し[1]を表す。
U+27D4 UPPER LEFT CORNER WITH DOT 圏論における押し出し英語版[1]を表す。
データベース理論用の演算子
U+27D5 LEFT OUTER JOIN
U+27D6 RIGHT OUTER JOIN
U+27D7 FULL OUTER JOIN
タック及びターンスタイル
U+27D8 LARGE UP TACK
U+27D9 LARGE DOWN TACK
U+27DA LEFT AND RIGHT DOUBLE TURNSTILE
U+27DB LEFT AND RIGHT TACK
U+27DC LEFT MULTIMAP
U+27DD LONG RIGHT TACK
U+27DE LONG LEFT TACK
U+27DF UP TACK WITH CIRCLE ABOVE 極座標における動径成分[1]を表す。
様相論理演算子
U+27E0 LOZENGE DIVIDED BY HORIZONTAL RULE 様相論理において可能性演算子として使用される[1]U+25CA ◊ LOZENGEの異体字。
U+27E1 WHITE CONCAVE-SIDED DIAMOND 「~は決してあり得ない(never)」を表す[1]
U+27E2 WHITE CONCAVE-SIDED DIAMOND WITH LEFTWARDS TICK 「~は決してあり得なかった(was never)」を表す[1]
U+27E3 WHITE CONCAVE-SIDED DIAMOND WITH RIGHTWARDS TICK 「~は決してあり得なくなるだろう(will never be)」を表す[1]
U+27E4 WHITE SQUARE WITH LEFTWARDS TICK 「~は必然的だった(was always)」を表す[1]
U+27E5 WHITE SQUARE WITH RIGHTWARDS TICK 「~は必然的になるだろう(will always be)」を表す[1]
数学用括弧
U+27E6 MATHEMATICAL LEFT WHITE SQUARE BRACKET Z言語で多重集合(bag)を表す[1]
U+27E7 MATHEMATICAL RIGHT WHITE SQUARE BRACKET
U+27E8 MATHEMATICAL LEFT ANGLE BRACKET 以下の用法がある。
U+27E9 MATHEMATICAL RIGHT ANGLE BRACKET
U+27EA MATHEMATICAL LEFT DOUBLE ANGLE BRACKET
U+27EB MATHEMATICAL RIGHT DOUBLE ANGLE BRACKET
U+27EC MATHEMATICAL LEFT WHITE TORTOISE SHELL BRACKET
U+27ED MATHEMATICAL RIGHT WHITE TORTOISE SHELL BRACKET
U+27EE MATHEMATICAL LEFT FLATTENED PARENTHESIS 大きな数式を囲むのに用いられる丸括弧"()"。縦方向に引き延ばされる際に垂直中央位置が平らな字形になるため符号位置を分けられた[5]
U+27EF MATHEMATICAL RIGHT FLATTENED PARENTHESIS

小分類

[編集]

このブロックの小分類は「その他の記号」(Miscellaneous symbols)、「対になる約物」(Paired punctuation)、「演算子」(Operator)、「縦線演算子」(Vertical line operator)、「除算演算子」(Division operator)、「データベース理論用の演算子」(Database theory operators)、「タック及びターンスタイル」(Tacks and turnstiles)、「様相論理演算子」(Modal logic operators)、「数学用括弧」(Mathematical brackets)の9つとなっている[1]。本ブロックでは、Unicodeのバージョン更新時の文字追加が隙間を埋める形で行われた影響で、同一の小分類に属する文字が飛び飛びの符号位置に割り当てられていることがある。また、収録文字が1文字しかない小分類については小分類名が単数形で表現されているが、本記事では単数形か複数形かによる小分類名の表記ゆれについては別の小分類として扱わず、同一の小分類として扱うこととする。

その他の記号(Miscellaneous symbols

[編集]

この小分類には以下の他の小分類に分類不可能な様々な記号類が収録されている。

対になる約物(Paired punctuation

[編集]

この小分類には1対で機能する括弧類が収録されている。

演算子(Operator

[編集]

この小分類には様々な演算子が収録されている。

縦線演算子(Vertical line operator

[編集]

この小分類にはバーティカルバーの形をした演算子が収録されている。

除算演算子(Division operator

[編集]

この小分類には筆算で用いる除算の記号1文字のみが収録されている。

データベース理論用の演算子(Database theory operators

[編集]

この小分類にはデータベース理論英語版で用いられる演算子が収録されている。

タック及びターンスタイル(Tacks and turnstiles

[編集]

この小分類には論理学などで用いられるタックとターンスタイルの変種が収録されている。

様相論理演算子(Modal logic operators

[編集]

この小分類には様相論理で用いられる演算子が収録されている。

数学用括弧(Mathematical brackets

[編集]

この小分類には数学において様々な用途で用いられる括弧類が収録されている。

これらの括弧文字は、数学的なコンテキスト以外において約物としても使用される。

文字コード

[編集]
その他の数学記号A(Miscellaneous Mathematical Symbols-A)[1]
Official Unicode Consortium code chart (PDF)
  0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 A B C D E F
U+27Cx
U+27Dx
U+27Ex
注釈
1.^バージョン16.0時点


履歴

[編集]

以下の表に挙げられているUnicode関連のドキュメントには、このブロックの特定の文字を定義する目的とプロセスが記録されている。

バージョン コードポイント[a] 文字数 L2 ID ドキュメント
3.2 U+27D0..27EB 28 L2/01-067 Barbara Beeton; Asmus Freytag; Patrick Ion (25 January 2001), Additional mathematical symbols (英語)
L2/01-088 Barbara Beeton; Asmus Freytag; Patrick Ion (25 January 2001), Additional Mathematical Symbols Proposed code allocation for “Math Candidates” (英語)
4.1 U+27C0..27C1 2
U+27C2 1 L2/03-194 Asmus Freytag (9 June 2003), Additional Mathematical and Letterlike Characters (英語)
U+27C3..27C6 4 L2/03-410 Asmus Freytag (31 October 2003), Additional math characters (bounded superset, etc) (英語)
5.0 U+27C7..27C9 3 L2/04-410 Asmus Freytag (18 November 2004), Twenty-six mathematical characters (英語)
U+27CA 1
5.1 U+27EC..27ED 2 L2/06-054 Asmus Freytag (6 February 2006), Proposal for the Addition of Math Characters (英語)
U+27CC,27EE..27EF 3 L2/07-011 Asmus Freytag; Barbara Beeton (15 January 2007), 29 Additional Mathematical and Symbol Characters (WG2 N3198) (英語)
6.0 U+27CE..27CF 2 L2/09-273 Laurentiu Iancu (3 August 2009), Proposal to Encode Two Mathematical Symbols (英語)
6.1 U+27CB,27CD 2 L2/10-007 Laurentiu Iancu (5 January 2010), Revised Proposal to Encode Mathematical Diagonals (英語)
  1. ^ 提案されたコードポイントと文字の名前は、最終決定と異なる場合がある。

出典

[編集]
  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q "The Unicode Standard, Version 15.1 - U27C0.pdf" (PDF). The Unicode Standard (英語). 2024年11月25日閲覧
  2. ^ Asmus Freytag (2003年6月9日). “Additional Mathematical and Letterlike Characters” (英語). Unicode. 2024年11月25日閲覧。
  3. ^ a b Asmus Freytag (2003年10月31日). “Additional math characters (bounded superset, etc)” (英語). Unicode. 2024年11月25日閲覧。
  4. ^ a b Laurentiu Iancu (2010年1月5日). “Revised Proposal to Encode Mathematical Diagonals” (英語). Unicode. 2024年11月25日閲覧。
  5. ^ a b Asmus Freytag; Barbara Beeton (2007年1月15日). “29 Additional Mathematical and Symbol Characters (WG2 N3198)” (英語). Unicode. 2024年11月25日閲覧。
  6. ^ a b Laurentiu Iancu (2009年8月3日). “Proposal to Encode Two Mathematical Symbols” (英語). Unicode. 2024年11月25日閲覧。

関連項目

[編集]