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さそり座ウプシロン星

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
さそり座υ星[1]
Upsilon Scorpii
仮符号・別名 レサト[2], Lesath[3][4]
星座 さそり座
見かけの等級 (mv) 2.70[1]
位置
元期:J2000.0[1]
赤経 (RA, α)  17h 30m 45.83712s[1]
赤緯 (Dec, δ) −37° 17′ 44.9285″[1]
赤方偏移 0.000027[1]
視線速度 (Rv) 8.00 km/s[1]
固有運動 (μ) 赤経: -2.37 ミリ秒/年[1]
赤緯: -30.09 ミリ秒/年[1]
年周視差 (π) 5.66 ± 0.18ミリ秒[1]
(誤差3.2%)
距離 580 ± 20 光年[注 1]
(177 ± 6 パーセク[注 1]
絶対等級 (MV) -3.5[注 2]
υ星の位置
物理的性質
半径 7.5 R[5]
質量 10 M[5]
自転速度 73 km/s [5]
スペクトル分類 B2IV [1]
光度 12,300 L[5]
表面温度 22,400 K[5]
色指数 (B-V) -0.22[6]
色指数 (U-B) -0.82[6]
色指数 (R-I) -0.23[6]
他のカタログでの名称
さそり座34番星[1]
CD -37 11638[1]
FK5 649[1], HD 158408[1]
HIP 85696[1], HR 6508[1]
SAO 208896[1]
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さそり座υ星(さそりざウプシロンせい、Upsilon Scorpii、υ Sco)は、さそり座恒星で3等星。

概要

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さそり座λ星と肉眼でも見える二重星となっている[5]。ただし2つの星は180光年離れており、連星ではない[5]

太陽質量の10倍の質量という超新星爆発を起こすか白色矮星となるかの境であるが、酸素ネオンマグネシウムだけで構成された非常に質量の大きな白色矮星になるものと考えられている[5]

名称

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固有名はレサト[2] (Lesath[3][4]) という。この言葉の由来は以下の複雑な経緯を辿ったものと考えられている[5][3]

  1. トレミーが著書「テトラビブロス」 (Tetrabiblos) の中で散開星団M7などの天体を表すために用いた「(霧状の)塊」を意味する言葉が、アラビア語で「点」を意味する al laţkha と訳された。
  2. al laţkha がラテン語で alascha としてサソリの尾を示すものとして使われた。
  3. 中世には alascha はアラビア語で「(毒を持つ生物の)一刺し」を意味する lasʿa に結び付けて考えられた。
  4. その後、綴りが誤って Lesath と伝えられた。

2016年8月21日に国際天文学連合の恒星の命名に関するワーキンググループ (Working Group on Star Names, WGSN) は、Lesath をさそり座υ星の固有名として正式に承認した[4]

中国では「尾宿」、日本ではλ星のシャウラとともに「兄弟星」という意味のおとどい星[2]とも呼ばれる。

脚注

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注釈

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  1. ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
  2. ^ 視等級 + 5 + 5×log(年周視差(秒))より計算。小数第1位まで表記

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r SIMBAD Astronomical Database”. Results for ups Sco. 2015年10月4日閲覧。
  2. ^ a b c 原恵『星座の神話 - 星座史と星名の意味』(新装改訂)恒星社厚生閣、1996年6月30日、139-140頁。ISBN 4-7699-0825-3 
  3. ^ a b c Paul Kunitzsch; Tim Smart (2006). A Dictionary of Modern Star Names. Sky Publishing. pp. 53-54. ISBN 978-1-931559-44-7 
  4. ^ a b c IAU Catalog of Star Names”. 国際天文学連合. 2016年11月6日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g h i Jim Kaler. “Lesath”. STARS. 2015年10月4日閲覧。
  6. ^ a b c 輝星星表第5版